電源の必要なゲーム = コンピュータゲームのことです
「要電源」「要電源ゲーム」、もしくは 「電源ゲーム」 とは、テレビゲームやパソコンゲーム、ゲームセンターに置いてあるアーケードゲームなど、電源 (電気) を使う ゲーム (ゲームソフト) の ジャンル 全般を指す言葉です。
反対に、友人らと一緒にプレイするボードゲームやカードゲーム、タイルゲームなどの伝統的なゲーム類の他、テーブルトークRPG や ゲームブック などの本や道具を使って遊ぶゲーム類がそれ以外のゲームとなり、こちらは対義語として 電源不要、非電源、アナログゲーム、卓上ゲーム (卓ゲ) などと呼びます。
なお商用ボードゲームの一部に電源を使うもの (乾電池を使って光ったり音がなったりするもの、例えば野球盤の一部など) もありますが、これらも 「コンピュータゲームではない」 という意味で、非電源系とされるケースが大半です。
実際はさらに微妙な立ち位置のゲームもあるのですが (例えば 「ゲームウォッチ」(1980年/ 任天堂)は完全に 「要電源」 ですが、「バーコードバトラー」(1991年/ エポック社) などはアナログ的な遊びの要素もあり、後に完全な 「要電源」 扱いとなりましたが、初期の扱いは人によってはいくらか微妙 (エレクトロニクスゲームの一部) でした。
テレビゲームの登場により攻略情報からキャラ萌えへ…
前出した 「ゲームウォッチ」 はともかく、8ビットパソコン (俗に8ビット御三家とも呼ばれた NEC の PC-8801 やシャープ X1、富士通 FM-7 など) やその後の MSX 登場まで、常にコンピュータはゲームと離れることのないツール、それも子供にとってはかなり金額的に敷居の高いホビーとなっていました。
これ以前にも家庭用のコンピュータ系のゲームは存在していました。 ブロック崩しや初期のテニスゲームなどあらかじめ筐体に組み込まれたゲームのみを楽しむ機械でしたが、マイコンや初期のパソコンなどを使ったゲームの場合、プログラミングの話とか、ゲームそのものの 攻略 情報がメインとなっていて、批評やプレイ日記としての 同人 は存在していましたが、いわゆる 二次創作 というものは、存在はしていたものの、あまり大きな注目を集めていませんでした。
しかしその後、1983年7月15日の 「ファミリーコンピュータ」(ファミコン/ 任天堂) や同じ時期の 「SG-1000」「SG-3000」「SC-3000H」(セガ/ Personal Computer シリーズ) が発売されるようになり、それらのゲームに登場する キャラクター やその 世界観 を活用した作品などが、生まれてくるようになりました。 やや遅れて 「テーブルトークRPG」 の普及とその 「リプレイ」 が人気を得ましたが、両者の区別をするため、「電源不要」 と 「要電源」 という言葉も使われるようになりました。
「ドラクエ発売」 で一気にメジャージャンルに躍り出た要電源
とりわけ初期のゲーム業界を強力に牽引したゲームである 「ドラゴンクエスト」(DRAGON QUEST/ ドラクエ/ DQ/ エニックス/ 1986年5月27日/ 5,500円) は、キャラクターや モンスター のデザインや世界観に漫画家 鳥山明氏が深く関わっている上に マンガ 化されたり アニメ にもなるなどして人気が爆発。 ゲームで 「二次創作」 というマニアックなジャンルを、同人の世界でメジャージャンルに一気に押し上げる立役者だったと云えるでしょう。
第二弾 「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」(1987年1月26日/ 5,500円) の発売でも行列ができて業界内で話題となりましたが、第三弾の 「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」(1988年2月10日/ 5,900円) では前作からの 「ドラクエ騒動」 は社会現象化するほど加熱。
東京、池袋駅東口のビックカメラでは1万人、総延長5キロに及ぶ行列ができ、マスコミに大きく取り上げられる騒ぎとなりました。 また 秋葉原 が、一気に 「ゲームの街」 に変貌を遂げたのも、この頃でした。
1990年代中頃からは、多くのケースで単に 「ゲーム」 と云えば、すなわち 「コンピュータゲーム」 のことを指すようにもなり、要電源 という言葉はあまり使われなくなっています。