セピア色の記憶…とりわけゲーム音楽とかはやばいっす
「おっさんホイホイ」 とは、ネット 上などで、おたく系 のおっさん (中年男性) が思わずむしゃぶりつくような懐かしい ネタ、レトロ話のことです。 狭義では、そうした傾向を持つ 画像 や動画、音楽となります。 おたく系以外の場合でも使われるケースはありますが、使われだしたのが 動画共有サイト、ニコニコ動画などの おたく系の場所だったので、それっぽい話題が中心になるようです。 略して 「おっホイ」 ともいいます。
「おっさん」 の年代や、その年代が懐かしいと思う年代には幅があり、また年月を経て世代が替わるごとに後ろへ後ろへとスライドしてゆきますが、この言葉が多く使われるようになった頃に、だいたい 30代から 40代を迎えている年代 (アラフォー世代) が対象になるケースが多いようです。
例えば 2007年に 35歳の場合、1972年生まれとなり、70年代末から 80年、90年代はじめにかけての アニメ やドラマなどのテレビ番組やマンガなどの雑誌類、ゲーム、グッズ (超合金やソフビ人形などの玩具)、社会風俗、それらを扱ったテレビCFや番組、映像あたりが強烈な おっさん吸引力を持つ餌となります。 これらに触れると昔の自分に引き戻してくれますし、子供や若い頃の懐かしくも輝かしい当時の記憶と一緒に呼び覚まされ、郷愁とともに強い幸福感を覚えたりします。 記憶はしばしば美化され、いわゆる 思い出補正 というやつになりますが、その時の心理状態によっては、思わず涙ぐんでしまうような、絶大な心理的効果を発揮することもあります。
なお 「おっさんホイホイ」 の 「ホイホイ」 は、説明の必要もないでしょうが、1973年にアース製薬が発売した粘着式ゴキブリ取り器、「ごきぶりホイホイ」 の商品名に由来します。 この名称の直接の名付け親は、1970年に経営が破綻したアース製薬を買収し、その後再建に辣腕を振るった大塚製薬の社長で大塚 グループ の総帥でもあった、大塚正士 氏とされています。 Gが面白いようにホイホイ捕獲できる…というのが、その由来となっています。
代表的な 「おっさんホイホイ」 の 「餌」
いわゆるおたく第一世代であれば、アニメ 「宇宙戦艦ヤマト」 や 「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)、あるいはその年代のアニメや マンガ、ファミコンやMSXパソコン、初期の パソコン通信 や、その当時流行していた歌謡曲やアイドル、食べ物などが、その代表でしょうか。
ただしアニメや特撮番組は再放送が頻繁に行われますし、また歌謡曲の類もテレビ番組でやたらと 「懐アニ」「懐メロ」「プレイバック 70年代」「80年代」 のような扱いで登場していますので (ハイジ起きた寝ろ などとも)、今ではそれほどの おっさん吸引力はないような気がします。 一方でゲームなどは、YouTube や ニコニコ動画 などが出るまではプレイ画面を動画の状態で見るのは容易ではなかったので、かなりの吸引攻撃力があるといってよいでしょう。
また再放送が原則としてほとんどされないテレビコマーシャル、マイナーすぎてあまり話題にならない 地味 な深夜番組などは、文字通りのタイムカプセルとして、偶然目にするといいしれない郷愁で魂を揺さぶりかける圧倒的な破壊力があります。
「おたく」 系のおっさんが子供のころ読んでいたであろう雑誌類 (一部のコミック雑誌なんかを除き、多くが休刊してたりします)、とりわけパソコンや電気ホビー (無線、ラジオなどのエレクトロニクス商品) 関係、オカルト雑誌なんかの 「広告」 は、殺傷力も強烈です。 おっさんが子供の頃、金額が高くて手がでなくて指をくわえて眺めていたような広告、例えば高級海外短波ラジオや一眼レフカメラ、天体望遠鏡、ゲーム基盤やパソコン機材などは、瞬時に おっさんを紅顔の美少年に引き戻すパワーがあります。
ものによってはその後、大人買い をすることもあるんでしょうが、若い頃の父親、母親を懐かしく思い出したり、友達とのあれやこれや、クラス1可愛かったあの娘とのドキドキの思い出とか、当時の悩みが突然フラッシュバックして 「あああああああああああああ」 になったりと、琴線に触れるひと時の楽しみみたいな感じなんでしょうか。 とりあえず おっさん同士で集まって居酒屋で油でも売ろうものなら、この手の話が次から次へと出てくるものですが、今の若い人もいずれ、そういう時が来るんでしょうねぇ。
ゲーム音楽の心揺さぶり度はヤバイです…
筆者 は、やっぱりゲーム音楽が ヤバイ ですね。 ドラクエとかFFシリーズなどの音楽は、覚えているというより体にしみこむ感じの方が多いでしょうし、まれにニュースやバラエティ番組などで、効果音やBGMとして使われたりするので、不意をつかれてドキリとすることもあります。