こいつを倒せば先に進める…ゴールが見える! 「ボス」
「ボス」(Boss) とは、英語で 「上司」 をややカジュアルに表現する言葉です。 日本においても同じように上司とか、あるいは何らかの組織や人の集まりで実権を握っている人、実力者、長や頭を指して使われます。 公式 な 代表者 を指すだけでなく、犯罪組織の親分や首領 (ドン)、裏の実力者、影の支配者、顔役といった非公式・実質的なトップを指して使うことの方が多いかもしれません。
またそこから転じる形で、一般企業や組織に属する下っ端の社員や関係者が、自らの会社のトップや所属する部課班の長をやや 露悪的 な ニュアンス を持ってことさらにボスと呼ぶこともあります。
おたく や 腐女子 に近い部分では、創作物に登場する悪の秘密結社の首領や支配者などを指す言葉としてよく用いられます。 なかでも ゲーム においては作中で特有の役割を持つ キャラクター や モンスター を指すことが多く (ボスキャラ)、そこから派生した言葉が一般用語としても転用されるようになっています。
ボス以外の敵は 雑魚や雑魚敵 と呼びます。
ゲームにおけるボス
ゲームにおけるボスは、ゲームプレイを進める中で区切りとなるポイントやゲーム全体の最終局面に プレイヤー が超えるべき壁や関門として配置されます。 いくつかのマップやフィールドで構成されるゲームの場合、マップやフィールドごとにボスが配置され、そのボスを倒すことで次のマップやフィールドへと進めるような構造となっているケースが一般的です。 こうした複数あるマップやフィールドごとに配置されるボスは 「中ボス」 と呼ぶこともあります。
ゲームの最終盤、最後となるマップやフィールドには、そのゲームの最後のボスが登場します。 これはとくに ラスボス (ラストボス) と呼びます。 ゲームの最終目的は究極的にはこのラスボスを倒すことであり、物語などもこのボスを倒すことで上手くまとまるように構成されるケースが多いでしょう。
小ボス・中ボス・ラスボス、関連する言葉も多彩に
複数マップ・フィールドで構成されるゲームの場合、何体かの中ボスと最後となる1体のラスボスが登場しますが、マップやフィールドもいくつかの小部屋に分かれている場合があり、その場合はその部屋ごとに登場する強い敵をボスを見なし小ボスと呼ぶこともあります (実際にゲームで小ボスとして扱われる場合もあります)。
小ボス・中ボス・ラスボスの厳密な区分はゲームによって異なりますが、おおむね戦闘時に特別な戦闘画面に遷移するかどうか、固有独自の名前 (ネームド) を持つかどうか、戦闘突入にプレイヤーの意思が反映するかどうかで判断できるかもしれません。 小ボスの場合はその他の雑魚敵との戦闘と同様、マップやフィールドの上で エンカウント してそのまま戦ったり、それらと同じ戦闘画面や戦闘BGM が使われます。 別の部屋で同じ小ボスとして登場することもあります。
中ボス以上は特別な戦闘画面や戦闘BGM が 設定 されたり、その手前に特別な演出が挟まれたり、やり直しためのプレイ記録 (セーブ) ができる セーブポイント が設けられることもあります。 ボス戦に臨むか臨まないかという選択を、そこで改めて行うことになります。 こうしたボス専用の戦闘は 「ボス戦」 と呼びます。 ラスボスは最後のボスなので定義しやすいですが、ゲームによってはラスボスを倒した後に真のラスボスがあらわれることもあり (二段階ボス)、その場合はラスボスの呼び方も変わる場合があります (例えばボス第一形態・第二形態とか)。
この小ボス・中ボス・ラスボスという呼び方は、会社でいう課長・部長・社長などにも符合する分かりやすい 概念 であり、周囲の人間のランクや強さを表現するために一般の会話などでも使われることが多くなっています。 とくに課長が小ボス (同じ課の部屋にいる)、中ボス・ラスボスが部長や社長でそれぞれ個室があるなどの符合はいい感じです。
また彼女にプロポーズをして、相手の親に 結婚 を許してもらおうと訪問したら、ラスボスだと思った父親があっさり賛成してくれて彼女の 妹 が手ごわい真のラスボスだった、みたいな使い方もできるでしょう。