同人用語の基礎知識

大手サイト

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とりあえず誰でも知ってるジャンルごとの定番 「大手サイト」

 「大手サイト」 とは、ネット 上で特定の ジャンル、ある時期にその カテゴリ を代表するような知名度と大きな存在感を持ち、かつ一定以上のアクセス数を継続して持っている ホームページ (ウェブサイト) のことです。 とくに大きなものは、「超大手サイト」「最大手サイト」 などとも呼びます

 ただし普遍的な 「大手サイトの条件」 というのは大変に決めづらく、ある グループ にいる人にとっては誰でも知ってる大手だけれど、それ以外のグループにとっては存在すら知られていない…なんてことが、実によくあります。 また インターネット が普及し始めた頃に一世を風靡したサイトと、2000年代に入ってからのそれとでは、ネット利用者数 (母数) の違いから、アクセス数には大きな開きもあります。

 また個人のサイトと、Yahoo! や Google、ニコニコ動画や YouTube などのように企業系の大型サイトとは、分けて考えることが一般的になっています。 さらに芸能人やタレントなどの有名人、著名人のブログや、アクセス数が桁違いのいわゆるアダルトサイト (実写系の動画、グラビアサイト) なども、分ける考えが一般的でしょう。

大手サイトの 「定義」「条件」 とは…?

ユニークアクセス(訪問者数)
アクセス数のうち、同一IP(接続元) からの重複を除いたアクセス数のことです。 1IP=1人 (1ビジター) とされますが、企業や学校のように、1つの接続元から複数人が利用している場合もあります。
ページビュー(PV)
サイトの総表示回数のことで、サイトのページが何回表示されたかを指します。 同じ人がサイト内の複数のページを見た場合、そのまま重複してカウントします。 例えば1人が5ページ閲覧したら、1ユニークアクセス、5PVです。
孫ニュースサイト
新聞社などのニュースサイトを 「親ニュースサイト」 とし、そこで配信されたニュースを引用転載の形で紹介するサイトを 「子ニュースサイト」、それらの情報を整理・まとめて紹介するサイトを 「孫ニュースサイト」 などと呼びます。 その コンテンツ スタイルから、「羅列系ニュースサイト」 とも呼びます。

 日本のインターネットの世界では、おたく同人 関係のサイトや、2ちゃんねる 関係のサイトや ブログ の数が多く、またそれぞれのアクセス数も、その他のジャンルに比べて突出しています。

 1日の 「ユニークアクセス」 や 「PV」(ページビュー) が数万から数十万に達するような企業ニュースサイト顔負けの大手もひしめき、まさに激戦区といってよいでしょう。

 内容的には、自らコンテンツを作って公開しているサイトと、羅列系の 「孫ニュースサイト」 のように他のサイトの情報を リンク の形で時系列でまとめてくれているサイトもあります。

 また別の大手サイトの内容や、動画共有サイト のコンテンツを抽出して紹介しているサイトとか、さらには 掲示板 のように利用者らの 投稿 で成り立っているコミュニティ系のサイトなど、運営スタイルや内容、利用者の ニーズ も千差万別です。

 ですので単純に 「1日の訪問者数」 とか 「PV」 の多寡だけで 「大手」 を決めてしまっては、ネット全体を見るにしては非常に偏ったものになってしまうでしょう。

 通常は、たとえば アニメ系 ならAとBとC、同人系ならDとEとFなどと、カテゴリごとに上位3サイト〜10サイト程度を 「大手」 などと呼ぶ場合が多いようです。 おたく系の個人ニュースサイト (孫ニュースサイト系) については、2000年代中ごろから 「カトゆー家断絶」「かーずSP」「ゴルゴ31」 の3サイトを称して、俗に 「KKG」「オタク系ニュースサイト御三家」 などと呼びますが、それぞれのカテゴリごとにこうした 「御三家」 のようなものが、そのカテゴリにいる人にとってはよく知ってるサイトを指して呼んだりします。

 ここらが、あくまで感覚的な 「大手」 や 「最大手」 のひとつの目安となるのかも知れません。

ページランクやトラフィックランキングなどは…

 「大手サイト」「人気サイト」 を計る上で、被リンク数 (他のサイトからどれだけたくさんのリンクがされているかの数で、個人サイトで1万以上だとかなり多いといえます) とか、「Google」 のページランク (PageRank/ 1〜10の10段階あり、10が最高、個人サイトなどは、4〜5程度が高ランクの目安) を参考とする場合があります。

 さらに 「Alexa」 のトラフィックランキング順位や、「Yahoo!」 や 「はてな」 の ブックマーク 数、「twitter」 のツイート数などを大手サイトのひとつの手がかりとする場合もあります。 またジャンル別にいくつか開設されている、「人気サイトランキング」 や 「ブログランキング」 のようなランキングサイトの順位も、ひとつの目安にはなるでしょう。

 これらの数が多い、あるいはランキングの上位を占めているというのは、それだけたくさんの人がそのサイトに訪れ、あるいはそのサイトの中身に興味を持っていることにもなりますから、ある程度の基準にはなるかも知れません。

 しかしこれらはサイト管理者が意図的に操作しようとしたら、システム上ある程度はできてしまいますし、それぞれに一長一短があり、単なる目安程度にしかならないのが実情でしょう。

アクセスを集めやすいサイト、そうでないサイト

 個人運営のリンク集サイトや掲示板、チャット やアンケート、テキストサイトからニュースサイト、2ちゃんねるコピペブログまで、「おたく」 やそれに近い人たちが利用してきた 「アクセスを集めやすく、話題になりやすいサイト」 にはさまざまな流れがありました。 それぞれのスタイルごとに、時代を象徴するような大手サイト、お化けサイトが次々に生まれてきました。 それらとは無関係、隔絶したジャンルやカテゴリにも、そのジャンルなりの大手サイトの勃興と衰退、さまざまなドラマがあります。

 日本の IT革命 の黎明期に誕生して時代を切り開き、閉鎖後に半ば伝説と化しているようなサイトもあります。 インターネット初期の頃に一世を風靡した 「ムーノーローカル」(2001年8月19日閉鎖) とか 「自動アンケート作成」(2002年5月14日閉鎖)、「さくら通信」「放課後☆学生☆タウン」「侍魂」「バーチャルネットアイドル ちゆ12歳」「俺ニュース」(2003年5月31日閉鎖) あたりは、当時おたくでネットやっていたら、まず1度は必ず訪れた可能性が高い伝説サイトといえます (2006年現在も運営を続けているサイトや、一部には法人化したものもあります)。

 さらに掲示板では 「あやしいわーるど」「あめぞう」(1999年12月30日停止)「2ちゃんねる」「ふたば★ちゃんねる」「チャットちゃんねる」 などが代表的な大手サイトさんでしょう。 あげる名前がかなり偏ってます。 すいませんw っていうか、いくつかのサイトはブックマーク辿ると404エラー (Not Found) になって、切ないです…。

「神サイト」「神殿」 などと呼び方も…

 同人関連サイトの中で、コアな ファン を集めている人気サイトなどを、「神サイト」「神殿」 などと呼ぶ場合もあります。 熱心なファンがしばしば 「信者」 と呼ばれるので、その作品の生みの親、同人作家、「教祖」 などと呼んだり (生もの などでは、ご本人を称して 「ご本尊」 などと呼び方もあります)、作品を 「経典」 などと呼んだりしますので、その人が立てて 信者 が集うサイトだから神サイト、神殿なのですね。

 こちらの呼称は、サイトのつくりや更新頻度、そこに掲載されている作品のクオリティが唯一の判断基準となり、アクセス数やその世界での知名度などは、あまり関係がありません。 従って、まったくの無名 作者 による無名サイトであっても 「神サイト」 というのはありえますが、人気・知名度・アクセス数ともに大手か大手なみのサイトがやっぱり多い傾向があります。

 誰だって、出来が良く素晴らしい作品を公開しているサイトには興味があるのです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年4月20日)
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