掲示板やスレッドを円滑に運用するための知恵、「テンプレサイト」
「テンプレサイト」 とは、掲示板 や スレッド などのローカルルールや各種の基礎情報を取りまとめた情報、「テンプレ」(テンプレート) をまとめた ホームページ (ウェブサイト) のことです。 また似たようなものに 「まとめサイト」「まとめブログ」 や 「まとめwiki」 というものもあります。
概念 自体は パソコン通信 の時代からあり、ある特定のフォーラムやシグ、個人 運営 の掲示板や 草の根BBS などで、「過去ログ」(過去の 書き込み や レス のデータ) をまとめたり、そのコミュニティでの参加者が知っておくべき、守るべきローカルルール (LR) や頻出する質問とその回答、必須情報などをまとめたデータを 「lzh」 や 「zip」 の書庫の形で提供するものがその発端でしょうか。
膨大なテンプレートをコンパクトにしてスレから分離
人気のあるコミュニティや参加者の多い掲示板などでは、書き込みのペースや話題の流れが極めて早く、また常に新しい参加者が参入してくることから、既出 の情報をひとまとめにし、話題がループしたり同じレスを何度もしなくてすむよう、過去ログを持つ有志が自発的にまとめたりして提供するケースが多かったものです。
その後 インターネット の時代となり、さらに参加者が激増すると、情報をまとめたテンプレート自体が膨大な数になるため、テンプレートのまとめが必要となりました。 「パソ通」 時代と違い、簡単に掲示板やデータ置き場としてのウェブサイトを作れる 環境 になったこともあり、1990年代末にアングラ系掲示板のアクティブな参加者 (有名な コテハン など) が各掲示板の情報をまとめたサイトを作り、その後巨大掲示板 2ちゃんねる が登場すると、人気掲示板やスレッドのテンプレサイトが多数立ち上がることになりました (テンプレをまとめるテンプレサイトをまとめるサイトまで登場する状態になっています)。
なお 「テンプレサイト」 と 「まとめサイト」 とは、言葉の意味や実際のサイトの運営形態、使われ方も非常に近い、もしくはほとんど同じものなのですが、いわゆる 祭り の際に、祭りの対象を 晒上げ るような目的で立ち上げられた 「まとめサイト」 が爆発的に増え (そこそこの レベル の 「お祭り」 では、必ず1つや2つは 「まとめサイト」 が作られるものです)、意味や ニュアンス が多少 拡散 している傾向があります。
ところで 「まとめブログ」 や 「まとめwiki」 は、サイトの物理的なシステムが異なるだけで同じものですが、コメント欄 がついていたり、不特定多数による更新が可能だったりで、意味や使われ方は変化しています。 また 「まとめブログ」 には、面白いスレの書き込みを切り貼りしてまとめた、いわゆる 「コピペブログ」 なども概念としては含まれますが、こちらは 「テンプレサイト」 とは、全く違う目的と運営形態を取っています。
テンプレサイトの作られ方
一般的には、特定の話題を扱うスレ (スレッド) が人気があって継続し、その継続数が数十に至ると、「過去スレ一覧」 もしくは 「過去ログ倉庫」 として、そのスレッドのアクティブユーザが宣言して立ち上げるパターンが多いようです。 その他のスレッド住人がその 「テンプレサイト」 を認めると、以降はスレッドが新しく立った時に、ローカルルールや過去スレ一覧を書き込む代わりにそのテンプレサイトのURLが貼られるようになります。 テンプレートが長大になっていた場合、これはかなり便利になります。
その後そのテンプレサイトは、作った人が更新して行くことになりますが、仕事が忙しくなるなどして更新が滞ったり、「もう更新は無理です」 宣言などが出ると、別の人が引き継いだり、データを受け継いで新しいテンプレサイトを立ち上げたりします。 ほとんどの場合、そもそもがボランティアのようなサイトなので、一連のフローは自然と進行しますが、例えばテンプレートの一部に不満を持つ人が、テンプレを改変した状態で無理やり独自のテンプレサイトを立ち上げ、ひと悶着起こることもあります。
最終的には テンプレ の元になったスレッドなり掲示板なりが、目的に沿って楽しく 「盛り上がれば良い」 ので、サイトを立てた人は変に自分のサイトに拘ったりすべきではないでしょう。