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セルフまとめ

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自分で自分のツイートをまとめる 「セルフまとめ」

 「セルフまとめ」 とは、主に Twitter (ツイッター) において、自分の ツイート書き込み) をキュレーション・まとめ系サービス、とくに Twitter に特化した まとめサービス Togetter (棘) などで、自分自身でまとめることです。 「自己まとめ」(自まとめ) とも呼びます。 一般的には良くないイメージ、時として強い揶揄、嘲笑の ニュアンス を持っています。

 別にこうした行為はいずれのサービスにおいても規約上問題があるわけではなく、誰でもやりたければ自分のツイートを自分でまとめても、もちろん構いません。 しかしセルフまとめを行うような人が、しばしば政治的だったり思想的だったりで荒れがちな話題の情報発信を中心とした活動をしていたり、胡散臭い自分のビジネスに関するつぶやきを頻繁に行い、しかもやたらと情報の 拡散 を促すタイプの人だったりして、悪目立ちしやすい傾向があることが、こうした行為のイメージを悪くしている原因の一つでしょう。

 さらにこうした人は、自意識過剰だったり自己評価が高かったり、あるいは 承認欲求 が強い、目立ちたがり屋だ、反対意見に対しやたらと攻撃的だ、香ばしい などと感じられるケースが目につくことも多いため、セルフまとめそのものが揶揄や嘲笑のニュアンスを持って使われる ネットスラング (ネット用語) となっています。

 もちろんこうした ネガティブ なものばかりではなく、ジャンル によってはありがたいセルフまとめもたくさんあるのですが、そうした批判的に見られがちなまとめ主が目立ちすぎるきらいもあり、自分でまとめざるを得ないもっともな理由があってセルフまとめを行う人 (後述します) が、謙遜や 自虐 のため、ことさらにこの言葉を使う場合もあります。

 なお Twitter 以前にも、掲示板 の書き込みをまとめる中で、自分の レス ばかりを抽出するタイプを、似たニュアンスで批判していたケースがあります。 ただしセルフまとめといった名称で呼んだり、現在のような強い侮蔑の意味はあまりありませんでした (「まとめサイト」 や 「テンプレサイト」 の作成などでそれが発覚した場合、ある種の 自作自演 のような扱いはされていましたが)。

自分のツイートには価値があるのに、誰もまとめてくれないから自分でまとめました的な

 ネット におけるキュレーションやまとめには、ネット上に散らばっている有益な情報、面白く興味をひく情報、バラバラでは利用しにくい情報を、見る人が便利なように取りまとめるという意味があります。 そうした行為を行う人は 「キュレーター」 や 「まとめ人」「まとめ主」 などと呼びます。

Twitter まとめサービス Togetter
Twitter まとめサービス Togetter

 他人のコンテンツを許可なく勝手にまとめる行為は、まとめ方によっては 著作権 や パクリ の問題も生じますが、一方で優れたまとめは利用する側からすると、要点が整理されたり、散らばっていた話の時系列が分かりやすくなったりと、それ自体がとても有益な情報、コンテンツになる場合があります。

 基本的には 「ネットにこんなに役に立つ情報、面白い情報があるので、見やすくまとめたよ」 という形になるわけで、その 「ネットの役立つ情報・面白い情報」 とやらが自分で書いた文章や 画像 だと、強い自己顕示の表れや押しつけがましさ、ある種の自作自演にも見えてしまいます。

 面白い ネタ や話、意見、画像などは、他人がそう評価してはじめて、面白いネタや話、意見、画像として客観的な価値が出るとも云えるでしょう。 そしてそうした価値を他人が認めるからこそ、見ず知らずの第三者が 「まとめよう」 と思う訳です。

 自分から率先してそれを行うのは、「自分のネタや話、意見は、まとめられるだけの価値がある」「まとめて見たいという 需要 がある」「タイムライン (TL) に埋もれさせるには惜しいツイートだ」 と本人が強く思っていると感じられますし、さらに意地悪く云えば、「それなのに誰もまとめてくれないから自分でまとめた」 ようにも見えます。 これはちょっと見ていて切ないというか、いたたまれない気分になりそうな状況です。

ブログでまとめるのではなく、あえてまとめサービスを使う意味

 「まとめ」 というからには複数のツイートがあるわけですが、ある程度の長文や画像数になるのなら、まとめなどせずそのまま自分の ブログ なりで書いた方が、読む人にとってもよほど便利でしょう。 全てとは云いませんが、セルフまとめを積極的に行っているような人は、やたらと自己アピールに熱心で、ブログやその他のサービスを複数利用している傾向がありますから。

 それなのにあえてキュレーション・まとめ系サービスを利用するのは、これらがアクセス数を稼ぎやすい傾向にあること、また大多数のまとめが他人によるまとめなので、その状況を利用して見る者の錯誤 (このツイートはまとめられるほど価値がある、注目されているものなのだという勘違い) を狙っているようにも思えてしまいます。 とくにセルフまとめである旨の明示的な宣言がなかったり、別の アカウント を使ったセルフまとめなどは、ちゃんと見ればそれとわかるようにまとめていても、錯誤を狙った自作自演臭が拭いきれない感じでしょうか (別にそれが悪いとは云いませんが)。

 実際のところ、セルフまとめを行っている人に 痛い人 が少なくない状況もあり (自分のツイートを自分でまとめるだけでなく、それを賞賛する他人のツイートを付け足したり、まとめ自体に否定的な コメント がつくと 編集 で消したり (いわゆる コメントデザイン)、さらにはタグロックを掛けた上で自画自賛ぎみで ドヤ顔 の感想を コメント欄 につけたり)、やたらと大量生産したり、掲示板の自作自演などと同様の 「必死だな」 的な見方をされがちな行為ともなっています。

セルフまとめを作らざるを得ない、切羽詰まった状況も

 一方で、セルフまとめを作らざるを得ない状況におかれる気の毒なケースもあります。 例えば悪意を持った第三者によって発言意図を捻じ曲げられ、読む人に誤解を与えるような形で自分のツイートをまとめられた場合などです。 こうしたことは単なる アンチ による嫌がらせの他、特定の誰かと Twitter 上で論争になった時に、論争相手が当人に有利になるように都合よくこちらの書き込みを 切り抜き、他の閲覧者の意見誘導を試みるための悪質なものもあります。

 こうした場合、まとめ元となった自分のアカウントのタイムラインをみんながきちんと確認して文脈や論点を理解してくれれば良いのですが、ほとんどの人は悪意によって恣意的にまとめられた情報、場合によっては扇情的なタイトルだけを見て信じ込み、批判したり 叩き を始めたりします。 時にはそれが原因で深刻な 炎上 が発生してしまう場合もあります。 こうなると、誤解を晴らすために自らのツイートをきちんと時系列にそって自分でまとめ直し、「こちらで確認してください」 と誘導せざるを得ないケースもあるでしょう。

 また苦労して描いた イラスト やネットで話題になった自分の面白いツイートを、無関係の他人が勝手にまとめて アフィリエイト・金儲けのネタにしたり、本来自分のツイートにつくであろう賞賛をまとめた他人に横取りされることに怒りを覚え、自分でまとめるケースもあります。 コンテンツ乗っ取り とも呼ばれるこのようなケースでは、セルフまとめの側に全面的に理があり、「自分でまとめたのでそちらを見てください」 とアナウンスされたら、そちらを見るのが正しい行動でしょう。 もっともこうしたまとめも、うぬぼれ屋の自薦や宣伝に感じられ、不快に思う人も多いようなので難しいのですが。

 実際にはこのほか、まとめサービスの気軽さ、機能的な便利さを活かして、自分自身の備忘録や自分用リンク集として利用したり (初期はこうした形のものが多く、またあまり批判的に見られてもいませんでした)、セルフまとめにも様々な有用な使い方があるのですが、前述のような状況もあり、「セルフまとめ」 の時点で拒否反応を示す人も少なくないので、なんとも活用しづらい現実があります。

 なお ブックマーク (お気に入り) をネット上で 共有 する ソーシャルブックマークサービス (「はてなブックマーク」 など) において、自分のブログ記事などを自分でブックマークすることを セルフブックマーク (セルクマ) と呼びます。 こちらもセルフまとめ同様の理由により賛否両論ありつつも、おおむね避けられがち、場合によっては スパム行為 として厳しく批判されたりサービス 運営企業 からペナルティを科せられることもある行為となっています。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2012年10月16日)
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