都合の良い書き込みは残し、そうでない書き込みは削除… 「コメントデザイン」
「コメントデザイン」 とは、ブログ や個人 運営 の 掲示板、YouTube や Togetter といった コメント欄 がある webサイト や webサービスにおいて、管理人 や コメント の管理権限をもつ利用者が、書き込まれ たコメントを恣意的に削除・非表示状態にして、コメント欄全体を自分に都合の良い状態に再構成してしまうことです。 略して 「コメデザ」 とも呼びます。
もちろんブログにせよ 動画サイト にせよまとめサービスにせよ、それぞれが設置したコメント欄はそれを運営したりトピックを作成・管理している人のものであり、気にくわないコメントを削除したり、嫌いな利用者を一方的に排除するのも、原則的にはその人の自由です。 逆に見苦しい誹謗中傷や法に反するコメント、個人情報の 晒し行為 や 荒らし行為 を放置するのは無責任だとの意見だってあります。 スパム 広告や詐欺サイトにつながる有害な リンク だって放置すべきではないでしょう。
しかしコメント欄を設置した人が自由な言論を支持する人だったり、公やそれに近いポジションで意見発信している場合は、「云ってることとやってることが違うのでは?」 との疑念を感じる人がいても当然でしょう。 またコメント欄を設置した方が誤った情報を発信していて、書き込まれたコメントはそれを訂正しているだけの場合もありますから、それを荒らし扱いして削除するなどは、一般的にはコミュニケーションの場における不誠実な態度とみなされることが多いでしょう。
荒らしを放置するわけにもいかないものの…
とくに一部のキュレーション系サービス (例えば ツイッター の ツイート をまとめる Togetter (棘) など) で、自分自身のツイートを自分でまとめて (セルフまとめ)、自分のツイートに好意的なコメントだけを選んで残すようなコメントデザインは、あまりに自画自賛的であり、さらにそのまとめの テーマ が偏った政治的主張とかデマ・陰謀論、いかがわしい商売などへの勧誘目的だったりすると、不誠実を通り越して詐欺のような犯罪性まで感じられてしまうでしょう。
コメントデザインの是非は、古くて新しい問題です。 とくに極端な誹謗中傷が対象者に対する強い精神的プレッシャーとして機能して、メンタルを害したり、最悪自殺 (自死) を招く、差別を広めそれを固定化するような状況は、放置するべきではありません。 どこからが削除・非表示にすべき問題発言で、どこからが一方的な意見排除や自画自賛なのか。 ネット を利用する参加者がそれぞれ考えるべきテーマなのでしょう。