ネットで不特定多数の目に触れるように情報をアップ 「晒し」
「晒し」 あるいは 「晒上げ」 とは、ネット において悪意を持って、あるいは面白半分・悪ふざけで、特定個人や企業の発言をことさらにあげつらったり、不特定多数との 共有 を目的に写真や 画像 を集めてネットに アップ する、ネット上に存在しないドメスティックな個人情報を 掲示板 や SNS などに 書き込む 行為のことです。
ネット上に存在する コメント や画像類の晒上げは、情報を転載・拡散 して多くの人の目に触れさせて笑いものにする、炎上 を仕掛ける (放火) といった意図で行われ、そこに不適切な発言や笑える写真などがあれば ネット民 が大勢で罵倒したり揶揄されるようになるでしょう。
実際に晒された方の精神的苦痛は相当なものがありますが、行う人は軽い気持ちや悪ふざけであり、その後大きな動きや 燃料 がなければ、その場限りの話で終わる場合もあります。 しかし お祭り の レベル にまで炎上が発展すると、騒動はネットの中だけにとどまらなくなり、深刻な人権侵害となる場合もあります。
一方、ネット上には存在しない個人情報 (実名や住所、電話番号、顔写真、経歴など個人が特定できる情報) を書き込んだりアップして晒す場合もあれば、本人が自らネットにアップしているものの望まない形で転載やその情報への誘導を行うもの (例えば頭が悪く倫理観のない 痛い やつだと紹介した上で特定人物の SNS の アカウント への リンク を行うなど) もあります。
「晒し」 を目的として専用の ホームページ (ウェブサイト) や ブログ を立ち上げることもあり、それらは晒しサイトや晒しブログと呼ばれることもあります。 これらはネット上の祭りの経緯をまとめた まとめサイト の形式をとる場合もあれば、ネットとは無関係に行政や企業、著名人などの問題行為を告発するものだったり、メディア報道で伏せられる未成年の犯罪者の情報を共有する目的のものなどもあります。
個人情報晒は論外としても、ただの晒しも深刻なダメージに
個人が特定できる情報を無許可・無断でネットなどに書き込む行為は、2003年に成立し2005年から施行されたいわゆる個人情報保護法 (個人情報の保護に関する法律) により違法となっています。 さらに何らかの ネガティブ な情報とセットでそれらを拡散した場合、名誉棄損や侮辱罪に問われることもあります。
これら法的な処罰はともかく、晒し行為を受けた当事者は、ネット上の誹謗中傷だけでなく、電凸 やイタズラ電話を掛けられたり、自分の生活の場に自分に悪意を持つ人物があらわれたり、その可能性があると考えるだけでも、深刻な精神的 ダメージ を受けることになります。 さらにネット上に一度広まった情報を消すのは非常に難しく、俗に 「デジタルタトゥー」(完全に削除させるのが極めて困難な情報) と呼ばれるような状態で残り続け、長期にわたって被害者を苦しめることになります。
ごく稀に、晒し行為から話題となり人気となり、本人も後にある程度肯定するようなケースもないではありませんが、面白半分のちょっとした行為が、人の人生を壊す可能性があるというのは強く認識したものです。
ネタとして自分の作品や情報を晒す場合も
一方、ネタ として自分に関係のある情報や画像を自らネット上に書き込むことも晒しと呼びます。 例えば おたく が自分の描いた 絵 や部屋の写真などをアップする 「イラスト 晒し」 や 「おた部屋晒し」 もありますし、何らかの相談事をする時に、自分の年齢や学歴、職業年収といった個人情報の一部を 「スペック を晒す」 と宣言して書き込むこともあります。