「編集」 とは、一冊の本を設計し、作ってゆく作業です
「編集」 とは、同人誌 などを作るために 原稿 を集め、それを組み合わせて 締め切り までに1冊の本の形に作ってゆく作業のことです。 8ミリ映画やオーディオテープ、MAD などの映像・音声作品を切り貼りして作ることも編集と呼ばれますが、ここでは 「本の編集」 について触れることとします。
最低限やらなくてはならない 「編集」
物理的な作業 (実務) としては、本の 「設計図」 とも云える 台割り を作り、それに沿って内容をチェックした原稿を1ページごとにレイアウト (割付) し、それぞれをページ順に並べて整理し、ノンブル と呼ばれる通し番号を振り、表紙 や 本文 を 整え、印刷所 などに 入稿 するまでの一連の作業となります。 出版社などの業務編集の場合、装丁や製本まで全てを含める考え方もありますが、同人誌などの場合は、原稿を印刷所に入れる=入稿までが、実質的な 「編集」 でしょう。
ただしこれらは本当に 「最低限やらないといけないこと」 で、実際の編集はもっと複雑で面倒なものです。 最初に 「どんな本にするのか」 という企画を練る必要がありますし、その企画が決まったら、それに沿って原稿を集め、集まった原稿を組み立てる必要があります。 単に 「原稿が集まったからまとめました」 でも 「同人誌 レベル」 なら問題はないのですが、複数人で一冊の本を作ったり、傾向の異なる作品が集まった場合など、編集のよしあしで作品がぐっと魅力的になったり、逆に散漫でつまらないものになったりもします。
複数人で作る 「同人誌」 では、編集者がやる仕事も加速度的に増加
また個人で自分の原稿を集めて本を作る場合と異なり、複数人での作業の場合は、「原稿を集める」 こと自体も、結構大変な作業です。 みんなが 「締め切り」 を守ってくれれば問題はありませんが、実際は遅れる人が出たり、最悪原稿が期日までに集まらなかったり、ページ数が増えたり減ったりもします。 一度 「台割り」 で面付けまでしていると、ページ数の変動には他のページを削ったり、別の原稿を付け足したりしなくてはなりません。
全てを自分ひとりだけでやる 個人誌 でしたら自分の思うようにやれますが (まぁ締め切り、時間との戦いなのはどんな形であれ一緒でしょうけど)、他人の原稿が加わると 「掲載の順番」 などにも気を使わないといけませんし、かなり大変だと思います。
一般的に編集に対する責任者を 「編集長」 と呼びますが、こと同人に関する限り、単なる雑用係、御用聞きだったりするのが辛い感じです。 まあ好きこのんで編集ばかりやってる奇特な人もいますけど。
もはや編集と云うと、動画編集を指すことが多いほどに
一昔前までは、編集と云うと紙ベースの印刷物の制作などがほとんどでしたが、それ以外にも8ミリ映画の編集とか、オーディオテープの編集などがありました。 個人向けの ビデオデッキ やビデオカメラなどの普及により、動画の編集も当たり前になりました。