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ソーシャルブックマークサービス

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有益な情報をみんなとシェア 「ソーシャルブックマークサービス」

 「ソーシャルブックマークサービス」 とは、ネット上ブックマーク(Bookmark) を不特定多数と 共有 することを主な目的とした SNS のひとつです。 ブックマークとは、一度訪れた特定の ウェブサイト (ホームページ) やそれぞれの個別の記事、エントリーなどの情報 (ページタイトルや URL などのアドレス) を自分の閲覧環境内に登録することです。

 オフライン (自分のパソコンや携帯端末などのローカルエリア) のブックマークの場合、自分のブラウザやスマートフォンにそれらの情報を追加し、閲覧したページのメモや備忘録として、あるいは再アクセスを容易にするために利用されます。 しかしソーシャルブックマークサービスの場合は、それらに加え オンライン で自分以外の利用者らにもその情報が共有されるため、「このサイトはお薦めです」「優れたサイトや便利なページをみんなで集めよう」「みんなが使っている人気のサイトを知りたい」 といった一歩進んだ使い方ができるのが特徴です。

 またサービスの中には、ブックマークしたサイトのリストなどに評価や コメント を付けられるものがあり、これを利用してサイトの概要や感想を紹介したり、サイトで触れられている内容の補足、場合によっては批判や反論、苦情などを述べたりすることもできます。 こうしたコメントは ブコメ (ブックマークコメント) と呼ばれ、100文字程度くらいまでの短い 書き込み ができるケースが多いでしょう。

優れたブックマーカーをフォローして、情報を賢く収集

 サービスを積極的に活用している人は 「ブックマークをする人」 との意で、とくに ブックマーカー (ブクマカ) と呼ぶ場合もあります。 ネットに一般公開されているサイトはどこの誰でも URL さえわかれば見ることができますが、膨大なサイトの中から優れたサイト、面白いサイトを見つけるのは大変ですから、継続的にそうしたサイトを集めるブックマーカーには一定の評価がされたり、ファンフォロワー) がつく場合もあります。

 また コメント欄 (ブコメ欄) に元となったサイトの内容を補完するような優れた情報・意見をつける人、面白いブコメをつける利用者に注目や人気が集まることもあります。 自分と興味や関心が近い優れたブックマーカーを フォロー するだけでも各段にネットが楽しく、また便利で 捗る ようになりますから、使い方によってはネット閲覧の質が劇的に上がったりもします。

当初はあまり利用されなかったブックマークサービス

 この種のサービスは世界中にあり、登場しては消えといった栄枯盛衰も激しいものです。 共有型オンラインブックマークという 概念 自体は1990年代から存在し、ITバブル と呼ばれた1990年代のインターネット関連企業の盛り上がりの中で様々なサービスが立ち上がりました。

 しかし程なくして ITバブルは崩壊、そもそも収益化が難しいサービスであるといったことから、ほとんど普及することはなかったようです (筆者 も使っていませんでした)。 その後2003年になり delicious (デリーシャス) がサービスを開始。 「ソーシャルブックマーキング」 という言葉を作り広めると共に、タグつけによる情報整理のしやすさ、情報共有の強化による利便性の高さなどもあり、急激にユーザーを増やすこととなりました。

 日本においては、2001年8月に提供が開始された Yahoo!ブックマークが本格的なオンラインブックマークの始まりであり、Yahoo! 検索で何人がブックマークしているかの数値も検索結果に表示され、サイトの人気度や信頼度をマッチング検索の表示位置とは別に提示できるものでした。 しかしこれは、あくまで膨大な Yahoo! サービス機能の一部という扱いであり、SNS としてのユーザー同士の連携もさほど盛り上がらないものでした。

 これはネット利用者の数がまだまだ少なかったこと、SNS と云えば実名利用が前提の mixi などの存在感が大きすぎ、単に URL や短いコメントのみを掲出するサービスの 需要 に乏しかったこと、さらに日本独特とも云える リンク に対する考え方 (トップページ 以外の個別ページへのリンクの是非や、リンクフリー の考え方の違いなど)、個人による趣味系リンク集が充実していてそれで用が足りていた人が多いなど、様々な理由が影響していたような感じがします。 一言で云えば、まだちょっと早すぎたという感じでしょうか。

ブログの急拡大でブックマークサービスも注目を集める

 その後ソーシャルブックマークサービスは、2004年頃から急激に盛り上がった ブログ の人気に引っ張られる形で需要も急拡大。 2005年2月10日にベータ版が公開された 「はてなブックマーク」(はてブ) を皮切りに、ニフティクリップ (2006年6月7日)、livedoor クリップ (2006年6月29日〜2012年10月10日)、Buzzurl (2007年1月10日) などなど大手ポータルサイトやプロバイダの参入によって盛り上がり、RSS対応、ツールバーとの連携など、ユーザーの囲い込みに躍起になる状況が続きました。

 しかしその後は ツイッター などの つぶやき投稿系 の SNS が盛り上がる中で徐々に衰退し、2010年から2014年くらいの間にほとんどのサービスが終了、あるいは存在感を大きく喪失することとなります。 これはツイッターなどの SNS が台頭する中、情報の共有や 拡散、コメントの付与などがそちらでも気軽に行えるようになったこと、またツイッターなどの人気によりネット上で文章を発信していた書き手がそちらに移動し、そもそも共有すべき個人サイトやブログが相対的に著しく衰退したことも大きいでしょう。

突出した存在感を持つ 「はてなブックマーク」
突出した存在感を持つ 「はてなブックマーク」

 一方、ブックマークサービスが衰退する中でも、「はてなブックマーク」 のみは長年にわたって突出した存在感を持っており、その利用者を 「はてなユーザー」 のほか、とくに 「はてな民」「はてブ民」 と呼ぶなど、他サービスとは一線を画す活発なコミュニティとして機能し続けています。

 これはユーザーに様々な ジャンル の著名人や筆の立つ人物がいたこと (IT 関係の人物が多い)、はてなRSS や はてなアンテナ、とりわけ はてなキーワード、はてなダイアリー、はてなブログ や はてな匿名ダイアリー (増田) といったサービスとの連携がうまく機能したこと、Google などの検索エンジンに対して強い SEO 効果がありアクセスアップのための利用 (サイト運営者も積極的に はてな の ソーシャルボタン などをページに設置していた) も少なくなかったことなどが相乗した結果なのでしょう。

 「はてブ」 で数多くのブックマークがつく話題が、今現在ネットでもっとも話題となっている話題やページだと云っても良いような状況となり、筆者の感覚では、2011年以降のブックマークサービスについては、元々強かった はてブ の独走になっていると云って良いでしょう。 このサイトもいくつかのブクマサービスでブクマしていただき、とりわけ 「はてブ」 では様々な感想や時に厳しいご意見などもいただき、サイト運営の励みになっています。 いつもありがとうございます!(><。)。

外部公開するがゆえに、様々な使い方がされるように

 一方で、こうしたサービスの利用者が増え、また 「人気のサイトや注目のサイトが集まりやすいイメージ」 もあることから、自作自演的 に自分のサイトを宣伝するために利用したり (セルフブックマーク/ セルクマ)、仲間同士でそれぞれのサイトに高評価をつけあって宣伝しあったり (互助会)、スパム宣伝をブコメに書き込んだり、さらには気に食わないサイトを 「晒しもの」 にするためにブックマークするような使い方もされるように。 その結果、度々 炎上騒ぎ なども起こるようになり、こうしたサービス全般に ネガティブ なイメージを持つ人も少なくありません。

 これはブックマークサービスに限らず、掲示板ツイッター、インスタグラムでも LINE でも同様ですが、様々な人が利用するネットサービスは、様々な意図や目的で使われ、時として負の側面も引き寄せてしまうということなのでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年5月10日)
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