本来はリンクフリー (Link free/ リンク自由) が当たり前なんですが…
「リンクフリー」 とは、ホームページ などへの リンク (ハイパーリンク) を自由に行って下さって結構です…との意思表示のことです。 完全な和製英語の一つで、英語ではこれと云った 「リンク自由」 を謳う表現はないようです。 Free to link とか Please feel free to link とか書いているケースも見かけますが、そもそも後述する通り、リンクなんてものは自由に誰でも行うのが当たり前なんで、わざわざ表記する必要がないのかも知れませんね。
ちょっと調べてみても、「リンク規約」 みたいなものを掲げているサイトなんて、ほとんどなかったですし、せいぜいサイトを置いているレンタルサーバの規約上、バナー画像の 直接リンク はせずコピーして使って下さい、みたいな書き方をしているくらいでしょうか (Copy this banner to your site, do not hotlink from our server てな具合に/ ただしこれは、いわゆるハイパーリンクとはちょっと違う)。
「リンクを貼らせて下さい」 とか 「リンクを貼りましたよ」 といった挨拶の メール をする習慣があるのは、ほとんど日本だけなんじゃないかな…って気すらしてます (ただこうした習慣が日本ではある…ってのを理解している ネット の利用者は結構いるようで (もっぱら 同人 とか おたく系 に詳しい人たちですが)、うちも海外からリンク貼りましたメールを頂いたことは何度もあります)。
互いの情報を結びつけ、補い合うウェブの世界
ところで本来 インターネット (主に World Wide Web) の世界では、リンクはフリー (自由) が当たり前、と云うか大前提の一つであって、互いに互いを助け合い補い合うネットの互助の精神からいっても、リンクに 「条件」 を設ける方が、非難されてしかるべき対応だと思います。
ネットに繋がっている以上、誰でもが自由にその コンテンツ を閲覧・利用できる・させられるのが当たり前で (というか、そうしたくないなら、ネットに上げなければ良いのです)、従って、「自分は他の人のサイトを見るけど、自分のサイトは一部の人だけにしか見せたくない」 などと云う 「わがまま」 は、本来なら許されない世界のはずでした。
これはいわゆる トップページ だけの話ではなく、トップページ下の個別の各ページ、データ、写真など 画像 のデータに対する直接リンク (直リン/ ディープリンク) も含まれます。 だからこそ、検索エンジンや検索サーチなどと呼ばれる各ページや画像などへ直接飛ぶリンク集も存在し、また多くの人はそれらを便利に使っている訳です。 最初からそういう目的、方法で作られた世界に、後から入ってきた人が 「マイルール」 を押し付けるのは良いことではありません。
この点は法律的にもきちんと定められており、ウェブ上の アップロード された情報は、著作権法上は 「送信可能化」 の 「公表された著作物」 とみなされます。 もちろん著作権は情報やデータを制作した人から離れませんし、情報そのものを盗用したり無断で配布するなどは著作権上問題がありますが (インラインフレームでページの一部のように表示するのも問題があります)、リンクを貼る… URL、アドレスを記述するだけなら、全く問題がないのです。
ついでに云うと、作者 の著作権が守られると云う事は、逆に云うと何か問題のある情報がウェブ上にあって、それに誰かがリンクを貼って広く知られる事となって何か トラブル が起こった場合、責任を取らなくてはならないのはリンクした側ではなく、情報やデータをアップロードした側になります。 要するに、「公表された著作物とみなされたくない」「無断リンク を貼られては困る」 なら、「困るような情報やデータをウェブに上げるな」 ってのが、この問題の最終的な結論になります。
なお パスワード を設けて閲覧者を制限している場合 (鍵付き) は、この限りではありません。 パスワード を突破して不正にアクセスした場合は、法的に処罰される事になります。
同人やそれに近い世界の 「ある種のマナー」 としての無断リンク禁止
なお 同人 に関するサイト (とりわけ 二次創作 や BL (ボーイズラブ)・芸能同人)、あるいは ネットアイドル や コスプレ などに関するサイトについては、必ずしも無断リンクが一方的に批判されるべきマイルールの押しつけに当たらないとの話もあります。 悪意に基づく嫌がらせや 晒し目的 の無断リンクが少なくないからです。
このあたりは無断リンクの項目で詳しく述べていますが、法律とか社会のルールとはまた別に、趣味 の世界にはその世界独特の、先人たちによって合意を積み重ねて形作られたマナーやルールがあります。 もちろん法的な強制力などなく、自発的な努力義務のようなものですし、あまりに時代錯誤、あるいは理不尽なものであれば無視しても咎められるいわれはありませんが、その世界に参加して楽しもうと思ったら、それらを尊重する、少なくとも知ろうとする姿勢は大切かもしれません。