一口にFCと云っても、規模も目的も様々です
「FC」 とは、ファンサークル (Fan Circle)、もしくはファンクラブ (Fan Club) の略です。
公認・非公認 (私設、もしくは黙認、その他) があり、また 同人誌 (会報) 発行などの オフライン が中心の活動をしているものと、パソ通 や インターネット などの オンライン 中心のもの、その両方を行っているものがあります。 運営 形式も、会員制のところとそうでないところがあり、活動内容も応援活動中心のところと、創作 (二次創作) を伴うものとがあります。
同人 の世界におけるFCでは、マンガ や アニメ や ゲーム、その キャラクター の他、とくに芸能人 (アイドルや声優、お笑いタレント、特撮や歴史ものドラマの俳優) 及びスポーツ選手関係あたりを対象としたものが多くなっています。 また同じ ジャンル でFCが複数存在する場合は、それぞれ協力しあって活動しているケースもあります。
同人の世界が元々そうであったように、活動されている方は女性のケースが多く、当然ながら多くの場合は女性に支持されているタレントさんが対象になります。
公式、公認、黙認、非公認…いろいろな活動形態があります
ただし公認FCが存在する場合、公認FC (もしくはタレントや選手の所属事務所など) 側は非公認FCを認めたがらない現実があります (せいぜい黙認程度)。 また非公認FC自体も、例えばコンサートチケットや観戦チケットの争奪、入り待ち・出待ちの抜け駆けや追っかけの是非の 解釈 などで他のFCをライバル視 (とゆ〜か、敵
なお主な活動は、大雑把に云って創作系 (対象を 主人公 とした イラスト やマンガ、小説など) と、研究・追っかけ系 (対象の活動内容、仕事情報、プライベート情報の調査、リストアップなどなど) とで二分されますが、通常はそれらがいくらかの割合で混ざり合い、同時に行っている場合が多いようです。
ただしそのどちらも、行き過ぎると トラブル の元になりがちともなっています (創作における、例えば性的な表現の行き過ぎや、調査・追っかけにおける、肖像権やプライバシーの侵害、また迷惑行為など)。 若年層が多いせいもあるのでしょうが、活動に当たっては、十分な注意が必要です (とくに ナマモノ同人 などでは)。
差し入れや花輪贈呈などでトラブルが起こる場合も…
これらの他、例えば芸能人やタレントさん、スポーツ選手が対象の場合、差し入れ や花輪の贈呈などの直接的な応援が活動として目に付きます。 これらは個人で行うぶんには問題はありませんが、FCが窓口となって不特定多数に対し 「カンパ」 を募るような形態で行うと、いろいろと問題も起こるようです (主催者本人にそういうつもりがなくても、お金が絡むとあらぬ疑いを掛けられてしまうものですし)。
実際過去にそれでお金儲けしていて問題となったFCもありますし、FC側はちゃんとやっていてもカンパの額に比べ花輪や差し入れが貧相 (に見える内容) だと、「お金を抜いている」 なんて騒ぎになったりもします。 それを嫌って、差し入れや花輪そのものの禁止を打ち出している事務所やプロダクション、舞台主催者も多いようですので、活動に当たっては、十分な注意が必要ですね。
もっとも純粋に対象となるタレントさんなどの “応援” に懸けての活動なら、FC同士、あるいはFCと事務所・タレント同士、互いに協力して行けるハズなんですけど
初期の 「FC」 と 「同好会」 と 「サークル」
なお コミケ などが始まった 1970年代の初期の同人の時代には、マンガやアニメとタレント (アイドルや声優さんなど) との扱い上の違いは今ほどはっきりとしておらず (批評、感想系が多かったこともあります)、いわゆる 同人サークル と 「FC」、あるいは 「同好会」 とで、現在のような意味の違いはほとんどありませんでした。
後に多くの創作を伴うアニメやマンガのサークルが、複数人の集まりやマンガ研究会のような形ではなく 個人サークル の形 (同人作家 が1人で1サークルを名乗る) をとるようになったため、「FC」 や 「同好会」 と 「サークル」 の意味が、途中で分岐しているイメージです。 ただし複数人、あるいは会員制で運営する同人サークルは現在もありますし (合体参加 を前提として合同サークルみたいな呼び方をしたりも)、元は大勢が参加していた FC が、後に一人だけになっているようなケースもあります。
複数人で活動しているFCの場合、FCを立ち上げたり中心となって運営を行っている人は 主催者 とか 代表 と呼びます。 それ以外の人は 「参加者」 とか 「FCメンバー」「FC員」 などと呼びます。