ブックマークページをブックマーク… 「二階建てブックマーク」
「二階建てブックマーク」(二階建てブクマ) とは、「ブックマーク をブックマークすること」 です。 メタポジション からのブックマークの意味で 「メタブックマーク」 とも呼びます。 状態をより具体的に云うと、特定の ウェブサイト や個別の記事、エントリーなどをユーザーが オンライン の ソーシャルブックマークサービス に登録して 共有 した際に、その共有のためのページ (ブックマークページ) をさらにブクマ登録することになります。 「屋上屋」「天井裏」 と呼ぶこともあります。
なぜこんな面倒なことをするのかというと、最初にブクマした 元ネタ のサイトに対して何らかの言及はしたいけれど、そのサイトへは一切の PV (ページビュー/ アクセス) を送りたくないし、その支援になりかねない直接的なブクマもしたくない場合があるからです。 同じような理由で web魚拓といったウェブ上の情報をアーカイブするサービスを使って元ネタサイトを保存し、それに対してブックマークする方法などもあります。 この場合もおおむね同じ二階建てブックマークだと認識されます。
一方、ブックマークにある コメント欄 (ブコメ (ブックマークコメント) に寄せられた他の利用者による コメント に反論・補足したい場合にも、こうした二重仕立てのブックマークが行われることもあります。 元となったブックマークページにもコメント欄はあるので直接的な反論・レス がしたければそこですれば良いのですが、例えば有名なオンラインブックマークサービスの 「はてブ」(はてなブックマーク) ではコメント欄に文字制限があったり議論に向かないシステムとなっていること、また元となったブックマークのさらに元である最初のページの内容と著しく趣旨が逸脱した派生的な議論が盛り上がる場合もあり、場のリセット・仕切り直し的な意味で行われることがあります。
なおブクマ対象となったサイトやブログの 管理人 が、対応するブログの機能による 設定 や HTML の metaタグ を埋め込むなどして、はてブのコメント一覧を非表示に設定している場合もあります。 この場合も直接のブクマページにコメントが付けられない (実際は一部を除き外部から表示されないだけ) ため、2階建てのブクマページが設けられることがあります。
二階建てどころか、三階建て、四階建てになることも…
こうしたケースで顕著な使い方と云えるのは、ブックマークのコメント欄に元のページに対する強めの批判、あるいはほとんど誹謗中傷的なブコメがたくさん並んだ場合に、元のページの内容とは全く無関係にそうした行為をするブクマ利用者 (ブックマーカー) のモラルや姿勢を批判したい場合などがあります。
この場合は二階建てやメタブと云うよりは、ブクマページそのものに対する正当なブックマーク行為となりますが、元ネタとなったサイトに好意的なユーザー、あるいは辛辣なブコメをつけた利用者に対する アンチ が、それを隠して正当な批判を誹謗中傷呼ばわりしてブコメユーザーを批判したいだけの場合もあり、そうなるとそれぞれは無関係とはいえず、やはり二階建てと呼ぶのがふさわしいでしょう。 判別は容易ではありません。
ネタ によってはさらにブックマークを重ねて三階建て四階建てのブックマークに至るような状況も存在しますが、そこまでブックマークコメント欄の階を重ねる ≒ 要するに論争などがあり白熱している状況となると、別の場所 (「はてな」 なら ブログ の 「はてなダイアリー」 や 「はてなブログ」、匿名で長文が書ける 「はてな匿名ダイアリー」(増田) など) に場を移すケースも多くなってきます。 これは単に場の仕切り直しという意味だけでなく、はてなの機能上コメントは原則一度しかつけられず (修正や追記はできる)、また議論が複雑化し文字数の少ないコメント欄での応酬では対応できない状況になりがちだからです。
もちろんそのブログ記事や増田にもブックマークがつけられ状況によってはそこからさらに二階建て三階建てのメタブックマークページが作られます。 また利用者が アカウント を ツイッター などと連携させていた場合、ブコメが ツイート として共有され、そちらでも同時多発的に場外戦というか 空中戦 が始まる場合もあります。 大勢の参加者による複雑な話題や長期にわたって続く話題などでは、事後はもちろん、リアルタイム で張り付いて追っかけていても大雑把・時系列的な流れを把握するのが難しいくらい カオス で込み入った状況になることもあります。
メタブが重なり塔が建つ 「メタブタワー」 なども
なお二階建て三階建て四階建てと次々に階層が積み上がり高層ビルのようになった場合には、とくに 「メタブタワー」(メタブックマークタワー) と呼ばれることもあります。 またそうしたメタブタワーが途中で偶然あるいは意図的に分岐し、まるで枝が繁る樹木のようになるケースもあります。 とくに議論百出となるような難しい テーマ、あるいはコメントしているブックマーカーが複数の フォロワー やアンチを持ち個人攻撃も同時に起こるような状況では、枝どころか茎が一度にたくさん分岐し、進化系統樹における冠進化みたいな形になることもあります。
このあたりは 掲示板 などにも同様の傾向がありますが、掲示板の場合はコメントの応酬がブコメに比べ容易ですし、システムによって ツリー 表示が可能な場合もあります。 二階建てブクマやメタブタワーの場合はそうした表示をサポートする機能や 公式 に用意されたツールもなく、立て込んだ話題で全体を俯瞰するのはかなり難しいことになります。
その場合、議論に参加しているユーザーなどが 「まとめ」 を作成する場合もありますが、そのユーザーが中立でなく一方に肩入れしている場合は、それとは逆の立場のユーザーが別のまとめを作ったり、まとめそのものへの議論の応酬が激しくなる場合もあります。