掲示板のレスをわかりやすく整理・視覚化 「コメントツリー」
「コメントツリー」 あるいは 「レスツリー」 とは、ネット の 掲示板 (会議室) において コメント や レス (リプ) をツリー状の構造とする 概念 や、整理する機能・設定 のことです。 単に 「ツリー」 とも呼びます。
一般に掲示板などにコメントがつくと、そのコメントへレスがつきます。 そのレス (の話題) が面白ければそれ以降もレスがついて、元コメントを上流、レスを下流とした原則一方通行の時系列に沿った流れがずっと続きます。 またひとつのレスに複数のレスがつくこともあります。 その複数のレスにもさらに複数のレスがつくこともあり、こうなるとレスの繰り返しによる流れが分岐し、樹木状に枝分かれすることとなります。 この様子が樹木の形で関係性を表現する系統樹に似ていることから、コメントツリーと呼ばれるようになりました。
たくさんのレスがついてツリーが大きくなることは育つとか伸びる、育ったり伸びたツリーは大木などと呼びます。 反対にレスが全くつかず元コメントのみで終了の場合は単発コメとか芽とか呼ぶこともあります (単に人気がなくて伸びないだけでなく、レス禁止のコメントの場合もあります)。 何らかの事情でツリーを作り直す (仕切り直す) 場合は、それまでのツリーは打ち止めや 跡地 となります。 誰もそのツリーにレスをしなくなると枯れたとなります。 元コメを幹、レスを枝、ツリーの一部が大きくなることは枝が育ったなどと呼ぶこともあります。
出発点は1つだけれど、その後いくつかの要素が追加され、それぞれの要素の関係性が枝分かれしながら描かれた図は、生物進化の道筋を描いた系統樹があります。 これは複数の要素やクリップを構造的・視覚的に捉えるための工夫として様々なものに応用されていますが、コメントツリーはそのうちの代表的なもののひとつです。
ちなみに似たものに組織や人脈、考え方などを体系的に図案化した組織図や相関図、ロジックツリーなどがありますが、こちらはそれぞれの要素が一対一ではなく、また上流下流や一方通行ではないことも多いため、コメントツリーや系統樹とは根本的に異なります。 コメントが元コメントを器とする入れ子のような状態になることから、ネストとかネスト化と呼ぶこともあります。 こちらも多くのシステムで任意のネスト化や解除が行えるため、レスをした時点でそれぞれのレスの関係が固定するコメントツリーとは似て非なるものです。 グループ 化も同様です。
最適化されたツリーを維持するため、守るべき作法
掲示板や SNS では、それぞれのコメントやレス・リプには、つけられた順番 (あるいは アカウント) に紐づいた特定の番号が付与されます。 コメント番号やレス番号ですね。 それらへさらにレスやリプをする場合は、その番号を指定して行うこととなります。 その際、特定の アンカー (レス記号/ 安価 (RE: とか >> とか > とか) を番号の頭につけてレス先を指定します。 1つめのコメントへのレスなら RE:1 とか >>1 になります。 掲示板のシステムや掲示板のログを管理するソフトなどは、この記号と番号を読み取ってツリー上に構成して表示することとなります。
全体の流れから、誰から誰宛のレスか明白な場合などに、記号や番号を指定しないレスをすることもあります。 単にうっかり忘れたとか掲示板の仕組みを知らないなどが理由ですが、指定しないとツリー構造からはみ出したりツリー構造自体を破壊する (はみ出した先で新しいツリーができて混乱する) ことがあるため、多くの板や スレッド では重大なマナー違反だとされることが多いでしょう。 これはすでにレスがつき、ツリー構造の途中の一部となったレスを削除する場合 (中身の消去ではなくレス自体を完全削除する行為) も同様です。
パソ通 の時代などはこれらの行為が禁忌に近い場もあり、レスをした人が修正や再投稿をしたり、管理者 が手動で修正を加えるようなこともよくありました。 ツリーに加えるべきではないという判断であえてレス指定をしないレスもありますが、どっちにしろツリー構造を混乱させるため、避けようという意識が強いかもしれません (ツリー構造に加えるべきではないようなレスは、そもそもその板なりでする必要がないという部分もあります)。
同じような理由で、複数のレスをまとめて行う (まとめレス)、複数のツリーやスレッドにまたがるようなレス (またぎレス)、存在しないレスに対するレス (予想レス) なども、避けるべきだとされるでしょう。