支離滅裂で訳の分からない混沌とした状態… 「カオス」
「カオス」 とは、「混沌としている」 といったような意味の言葉です。 別に ネットスラング や 同人用語 という訳ではなく、ごく普通の言葉です。
元々は古代ギリシャの言葉 「」「」 から来ていて、「何もない」「中身のない裂け目」 といった意味の言葉です。 古代ギリシャ文明時代に 「宇宙」 の始まりの前の状態とされ、宇宙や大地がそこに生まれるための 「場所」 が必要なので、その場所の意味 (コーラー/ Khora) を指す言葉だったようです。
対義語は一般に 「コスモス」(Cosmos)、すなわち 「秩序」「整然としている」 となります。
「カオス理論」 で話題に
カオスの世界へご案内!! |
学問の世界では、物理学や数学の 「カオス理論」(カオス系) でおなじみの言葉です。
その 概念 はかなり複雑ですが、ものすごく大雑把に云えば、ごくごく些細なこと、誤差が後に思わぬ大きな影響を与える可能性あり、それは時間と共に積み重なりどんどん大きくまた増えてゆく…つまり 「未来は時間を経るごとにどんどん予測が困難、不確かになってゆく」「先が見通せず混沌としてくる」 みたいな感じでしょうか。
よく例に出されるものとしては、「ブラジルで蝶が羽ばたくと、その些細な影響が積み重なり、いずれはテキサスで嵐が起こることもある」(要するに、何が起こるかわからない、未来は正確な予測が不可能だ) という、比喩としての 「バタフライ効果」 があります。
また 「お皿は割れることはあっても、割れたものが元に戻ることはない」 というのも、端的にイメージしやすい例えかも知れません。 お皿は割れるまではお皿の形を保っていますが (調和がとれている)、いったん割れるとただの散らばった破片となってしまいます。 時間の流れは常に調和から混沌であり、すなわち 「形あるものはいずれ壊れる」 という訳です。
1970年代あたりから、日常生活でも使う言葉に
これが転じて、「未来がさっぱり分からない」、すなわち混沌としてくるといった分かりやすいイメージとなり、「カオス」 という言葉が日本でも注目を集め、日常生活でも 「ぐちゃぐちゃだ」「散らかっている」「めちゃめちゃになっている」 などを指して 「カオスだ」「カオス状態」 などと1970年代頃から呼ぶようになりました。
おたく や 同人 の世界では、支離滅裂な内容の アニメ や マンガ、ゲーム や ライトノベル などを揶揄する時に 「カオスだ」 などと使ったり、サークル の仲間と徹夜で 同人誌 のための 完全原稿 を描いている… 修羅場 だ、「パニック状態だ」 なんてのを、カオスと表現したりします。