ギャグなのか、それともデマなのか…「ネタツイート」
「ネタツイート」 とは、ミニブログ、Twitter (ツイッター) に 投稿 される つぶやき (ツイート) のうち、作り話、創作のツイート、ギャグや ネタ として作られるツイートを指す言葉です。
ツイッターで使われる ツイ用語、ある種の ネットスラング のひとつですが、「ツイッター利用者、あるいは自分の フォロワー を楽しませるため」 に面白い話を作って投稿する場合もあれば、嘘情報、虚偽やデマを投稿し、それが発覚した時に 「冗談じゃん」「ネタじゃん」 などと言い訳をして使うケースもある、独特な言葉となります。
一般人から有名人まで、こぞって参加する笑えるネタツイート
ツイッターは 「いま何をしているか」「何を考えているか」 などを気楽に投稿することができるコミュニケーションサービス、リアルタイム性 を特徴とする一種の ソーシャルサービス ですが、単に自分の近況報告や他のユーザーとの会話を楽しむだけでなく、様々なネタ 書き込み も行われています。
自分で面白いネタを考えて投稿する人、掲示板 2ちゃんねる をはじめ、ネット から面白いネタを探して紹介する人、場合によっては特定の有力なツイッターユーザーの発した投稿を 元ネタ とした改変パターンが作られたり、「お題拝借」 のように、ハッシュタグ (#タグ) でネタ作りの テーマ が 共有 されて、大勢が 大喜利 のようにネタを発表する場合もあります。
こういったコミュニティの利用方法はツイッターに限りませんが、ツイッターの利用者がとても多いこと、リツイート (RT/ 自分以外のユーザーのつぶやきを再投稿すること) などで面白いネタがすぐに共有されることから、大きな影響力と 「暇つぶしツール」 としての魅力を高めています。
またたくさんのリツートを集めるような面白く出来が良いネタツイートは、ツイートを転載・取りまとめるキュレーションサービス (ふぁぼったー や NAVER まとめ など) などに有志の手によって集積され、さらに面白いネタを作る土台になったりもします。
一方、他人が作った面白いネタツイートを、公式 のリツートではなく 非公式リツイート によって、あたかも自分で考えたネタかのように投稿するユーザーも少なくなく、「パクリだ」「無断転載だ」 として オリジナル の 作者 となるユーザーとの バトル が生じたり、問題となる場合もあります。
こうしたものは パクツイ とも云われ、ツイッターアイコン の無断転載などと並んで忌み嫌われるマナー違反となっていますが、悪意を持って盗んだ人はともかく、悪気など全くなく、一般人 が宴会や忘年会の余興などでお笑い芸人のネタを使うのと同じ ノリ で、「パクったり盗んだつもりなどない」 ままに流用する人などもいて、しばしば感情的な論争になってしまったり、炎上騒ぎ になってしまう場合もあります。
「ネタ」 や 「釣り」 だと云えば、全てが許される訳ではないのですが…
こうした面白いネタツイートが良い面だとすると、デマやガセ情報を広め、それが虚偽だったのを指摘されて 「ただのネタじゃん」「ネタに マジレス かっこわるい」 と開き直るのは、悪い面、負の側面だと云えるかも知れません。
ネタにマジレスというのは、掲示板 2ちゃんねる などで使われる言葉ですが (ノリの悪さを揶揄したり、それがネタや コピペ、釣り だとわからない初心者・新参 を馬鹿にする表現です)、中にはこうした 「ネタにマジレスはかっこ悪い = ネタだと主張したら、どんなデタラメでも反論されにくい、スルー されやすい」 とのムードを利用して、あえて 「ネタ紹介のふり」「騙されたふり」 をして、悪意を持って虚偽情報の 拡散 を促す人も現れたりします。
2ちゃんねるなどでは、「ネタだろうがコピペだろうが何だろうが、誤った情報を放置するのは危険」 だとして、あえて無粋な 「ネタ・釣り・コピペにマジレス」 する人もいますが (俗に ピラニア などと呼びます)、こうした部分は不特定多数が参加するネット世界の自浄作用の一つとして、ツイッターなどでも年々顕著になってきているようです。
こうした動きを 「ネタや冗談が通じなくなって、つまらなくなった」「ギスギスした」「荒らし や 炎上マーケ を喜ばせるだけだ」 と批判するのは簡単ですが、2011年3月11日の東日本大地震、および福島第一原発事故の際に生じたデマ・ガセ情報に踊らされる人が大勢でている状況では、致し方ないところなのかも知れません。