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空中リプライ/ エアリプライ

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公式リプライ機能を使わないリプライ…その意図は? 「空中リプライ」

 「空中リプライ」 とは、ミニブログ Twitter (ツイッター) において、本来の リプライ (Reply/ 返信) とは異なる方法で行うリプライの一つを指す言葉です。 誰かへの返信っぽい内容ながら独り言ともなっている 投稿 を主に指し、「空中リプ」、あるいは 「エアリプライ」「エアリプ」 と呼ぶ場合もあります。

 具体的な投稿の形は、公式 なリプライに必須である ツイート 冒頭の 「@ユーザー名・ID」 の記述を行わず、特定の他ユーザーへの直接的な返信の形を取らない返信となります。 また返信の対象も、明示的な指定をしているもの、明示的な指定はないものの特定の個人をほぼ名指ししているに近い状態のものもあれば、漠然とした不特定多数を指す場合もあります。

 例えばツイッター上の友人で 「A」 の話をしている人がいたら、ユーザー名や ID 以外の名前を使ったり、「友達でAの話をする人がいるんだけど…」 などとぼかして伝えるとか、ツイッター全体で 「A」 の話題が盛り上がっていたら、「Aの話題で盛り上がってる人たちってさ…」 といった大雑把なくくりで扱う感じです。

 当然、公式なサービス名や使い方の名称ではなく、ツイッター利用者らによるある種の ネットスラング、広義の ツイッター用語 の一つとなっています。

空中リプライ、ひとりごとのような返信…その目的は

 なぜこのような、ある意味で迂遠な返信をするのかについては、様々な動機があります。 相手を @ユーザー名・ID で指定しては、相手がリプライを確実に認識し反応 (再返信) を誘うことになりますから、それを避けたいとの意味がまずあるでしょう。 これは、外から一方的に言いっぱなしで批判したいといった理由もあれば、相手にわざわざリプライさせるのが申し訳ないので配慮するといった理由もあります。

 もうひとつは、返信の対象が個人や1つの アカウント に特定できず、前述した 「Aの話題で盛り上がってる人たち」 のような大雑把なくくりでしか相手を指定できない場合です。 ただしこの場合には、具体的に返信したい個人が特定できているにもかかわらず、わざと 主語を大きく して大雑把なくくりに投げ込みぼやかす使い方もあり、少々複雑です。

 これには 「おたく の人ってさ」 といった、人の ジャンルクラスタ 宛の単なる一般論、特定の誰か宛リプライのつもりなどない ネタツイート の場合もあるので区別はいよいよ難しいのですが、「自分は反論を受けたくないが、相手へは反論したい」 場合などに、ある程度有効なやり方とは云えるでしょう。

 ただしそれが激しい批判や揶揄の ニュアンス を持つ投稿であった場合、対象をぼかしても言われた方は 「自分に向けた批判だ」 と認識する場合もありますから (例えば 「アニメアイコンの人は」 や 「一日に◯◯回以上ツイートする人は」 など)、思わぬところから返信 (反論や反撃) がやってくることもあります。 ちなみに他人を批判することを dis・ディスる などと呼びますが、これが転じて 「空中dis」 と呼ぶこともあります。

 なお、単純に公式機能の正規リプライではない投稿全般を、広く空中リプライと呼ぶ場合もあります。 例えば リアルタイムチャット のように頻繁に会話を交わすとか、ごく少数で身内のみの フォロワー しかいない場合などは、誰宛かをいちいちハッキリ書かずとも用が足りますから、「@ユーザー名・ID」 を省略する場合もあるでしょう。

 この場合も、書き方によっては全く違う人から思わぬ反応、時には罵声が返ってくることがあるので、指定できるなら指定した方が、無難な使い方なのかも知れません。

直接は言いたくないが、何となく察して欲しい的な

 ツイッターや ネット の世界ではない日常生活でも、直接面と向かって意見を云うのは難しいが、でもどうにも黙ることもできないというケースはよくあります。 例えば上司に叱られ、聞こえないような小さな声で 「…俺が悪いんじゃないのに…」 などとつぶやくことはあるでしょう (で、上司に、「何か言ったか?」 と突っ込まれ、「いえいえ何も」 とごまかす流れになったり)。

 空中リプライの中には、ユーザー名や ID は使っていないものの、ほとんど相手を名指しして批判するような使い方もありますが (とくに有名人や著名人に対して)、これもどこかで 「相手が エゴサーチ (自分に関係のあるキーワードなどでネット検索し、自分に対する意見や評判を探す行為) などでこの意見を見て、少しでも打撃を受けたら儲けもの」「直接相手に向かってリプライ機能で投げたツイートではないので、反論もしにくいだろう」 のような意識も、あるいはあるのかも知れません。

 こうした空中リプライ (空中dis) を、「反論や批判するなら面と向かってやれ、卑怯でズルい」 と嫌う人も少なくありませんが、「相手と論争まではしたくないが、一言くらい文句はいいたい…」 などという感情は誰にだってありますし、批判だけでなく、応援や声援の空中リプライだってあります。 ようはタイミングと使い方次第ということなのでしょう。

空中リプライを誰かが 「受信」…?

 様々な人が利用しているツイッターだけに、宛先不明・対象が無差別な空中リプライが思わぬところまで飛んで、思わぬ人が 「受信」 してしまうことがあります。 端的に言えば、電波 な人が宛先のないツイートをタイミング悪く偶然に見て 「自分のことを話している」 と思い込んでしまい、リプライやDM (ダイレクトメッセージ) でしつこく絡んでくるようになるなどです。

 空中リプに限らず、テレビ番組などを見ながら 実況 のような形で行いがちな 「あーなんでそっちに行くかな?」「違う違うそうじゃない」「あほか、また間違えやがったw」 といった単体では意味が分からない独り言・不規則なツイートも、こうした人を引き寄せやすいと云われています。 そのツイート内容とたまたま時系列的に合致した状況だったり 妄想 に取りつかれている人が 「これは俺のことだ」「俺のことを監視している」「盗聴や盗撮をしてあれこれ文句をつけてくる」 などと一方的に結びつけ、被害妄想的な形で思い込んでしまうのですね。

 こうしたケースではいくら違うと説明しても相手は納得しませんし、そもそも相手の主張も辻褄が合わず支離滅裂で、まともな会話そのものが成立しない場合もあります。 その後の経緯によっては相手が何らかのリアクションを返してくることもあり、怖い思いをする人も少なくないようです。 偶然とはいえ相手も好きで誤解しているわけではないので、双方にとって 不運不幸 な巡り合わせと云えますが、何らかの トラブル に巻き込まれたと思ったら、一人で対処しようとせず、なるべく早めに信頼できる友人などに相談するようにしましょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2011年2月22日)
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