あたしを見て! 無視しないで! 「承認欲求」
「承認欲求」 とは、自分のことを周囲に認めてもらいたい、褒められたい、評価されたいと望む気持ち、欲望のことです。 他者や社会から好意的な評価が欲しい、尊敬を集めたいなどは誰でも持っているものでしょうが、実際は他者の目を意識しつつも、自分自身が価値ある存在だという証人・裏付けになって欲しい、それによって心を満たしたり自信を持ちたい、逆に云えば自分の価値を自分で認められず自信もないとの裏返しの欲求だとも云えます。
似たものに自己顕示欲があります。 こちらは目立ちたいとか自分の能力や存在を周囲にアピールしたいという欲求ですが、承認欲求とは切っても切れない似たもの同士だと云えます。 かつてこれらはまとめて 「目立とう精神」 などと呼ばれていました。
なお承認欲求が肥大化し、場合によっては認められたいという思いが爆発して奇行に走る、目立つためなら何でもするような状況は、とくに ネットスラング で 承認欲求モンスター と呼びます。
無視されるくらいなら嫌われた方がマシ?
他者から承認されるにしても目立って無理やり存在を 認知 してもらうにしても、できれば相手が自分のことを優れていると好意的な形で承認・認知してもらいたいと考えるのが普通でしょう。 これらは 「上位承認」 と呼び、その他 「対等承認」「下位承認」 などといった区別もあります。 自分が相手に対して上の立場として認められたいとか、対等な立場でとか、場合によっては下に見られ蔑まれ嫌われてでも認められたいなど様々なパターンがあるのですね。
人間にとってしばしばもっとも怖いのは、他者や社会から 「無視 (スルー)」 されてしまうことです。 人は社会性のある生き物ですし、学校や職場、地域といった社会の中の一員として生きている人がほとんどです。 自分自身を考える時、無意識に他者との比較や関係性を基準として考えたりするでしょう。 別の言い方をすれば、他者から認識されなければ社会の一員とは見なされていないと疎外感を覚えてしまいますし、ひいては自分がいてもいなくても良い無価値な存在だとも感じられてしまいます。
こうした感情は、物心もつかない赤ん坊が泣いて親の注意を惹くなどの生存のための自己アピールとか、思春期の頃に問題行動を起こして周囲の関心を引くなどと根っこは同じで、ある程度の大人になってからもそれが行き過ぎると 「幼稚だ」 と批判されたり様々な トラブル を生じます。 しかし一方で、個人としての生きがいや向上心、成長、社会にとって有益な物品や思想を生み出す原動力でもあり、ようは考え方や使い方次第といったものなのでしょう。
承認欲求、満たされるか歪むかは 「運」 次第
承認欲求自体は誰でももっているものですが、人によって強弱はあります。 また周囲の 環境 に恵まれて子供の頃から十分に承認欲求が満たされることもあれば、家族や学校、ご近所さんからも無視されたり軽視されたりして、本人の精神力ではどうにもできないほど肥大化したり歪むこともあります。 これらはかなりの部分で運次第であり、個人、とくに子供の頃に本人ができることは限られています。
さすがに大人になってもあからさまな承認欲求をむき出しにする人は接していても疲れますが、子供や10代の人間が拗らせて時にはめを外してしまうのは止むを得ない部分もあり、犯罪行為ならともかく、ちょっとした 炎上 くらいなら、あまり責めないようにしたいなとは思います。
また人間誰でも認められたり褒められると嬉しいので、周囲の人間の良いところを探して認めたり褒めるような人間でありたいなとは思います。 自分が満たされてないと、ついつい僻み根性や劣等感の裏返しでマウントを取りに行ったりもしがちですが、あたしの貧しい人生を振り返ってみても、それで自分の人生がわずかでも良い方向へと進んだことはただの一度もありませんでした。 認めたり褒めるようになったら、自然とそういう人たちが集って、自分自身も満たされるようになりました。
あたしは頭が悪いので自分からそれに気づいて励行したわけではなく、周囲の佳き友人の姿を見て真似をしただけなのですが、即効性はないけれど、何年か経つと昔が信じられなくなるほど生活環境が良くなります (逆に耐性はめちゃくちゃ落ちますが)。 もちろん負のオーラを漂わせている人を遠ざけるのとセットではありますけれど。
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