構ってちゃん、不思議ちゃん、マウンター… 自己顕示欲界隈は今日も大騒ぎ
「自己顕示欲」 とは、周りの人間から認められたいという欲求のことです。 「顕示」 とははっきりと分かるように示すことなので、自分自身を目立たせたい、注目されたい、たくさんの人から見てもらって褒められたいという欲望といった意味になります。
似た言葉に 承認欲求 があり、厳密な定義はともかく 一般人 の世間話や ネット における他者へのラベリングにおいては、ほとんど同じような意味の言葉として扱われます。 とくに酷い場合は ネットスラング で 承認欲求モンスター とか承認欲求オバケ、乞食と呼ばれたりもします。 それ以外には、「目立ちたがり屋」「構ってちゃん」(かまちょ) などもあります。
目立つために何をするかで細かく分けられることもあります。 人と異なる見た目や態度、言葉遣いをする (中二病 とか不思議ちゃんとか ボクっ娘 とか)、容姿や性的魅力、力強さのアピールをしたり (ディスプレイ 行為)、あるいは他人の意見にことごとく反する (逆張り や ネット放火魔)、自慢話や社会的地位や持ち物のアピール (マウント取り)、単に大声を出したり奇行に走るなどもあります。
これらの行為に走る人は、自分に自信がないため自分の存在や能力を確かめたい、第三者に認めてもらって自分にそれがあることの保証人になって欲しいとの強い気持ちがあるとされます。 いわゆる自己肯定感が低く不安になるので、それを第三者の評価によって埋め合わせ、安心を得たいと考えているわけですね。 幼児の試し行為や思春期の頃の非行などとの類似性もあり、おおむね周囲からは面倒なやつ、困ったやつ扱いされることが多いものでしょう。
一方で、自己肯定感の充足などは、多分に運次第の部分があります。 個々人で安心できる肯定感の量が違いますし (脳の報酬系の部分に依存し、遺伝的要素が強い)、周囲に コミュ強 で人を褒めることが上手い人、良き隣人がいれば勝手に充足されるでしょう。 また勉強を頑張って全国模試で上位表示されたり難関校に合格することに喜びを感じたり、スポーツを頑張る、仕事を頑張るなどで好成績を残すことに意義を感じる人もいます。 趣味 で頑張るのも同じです。 これらは一般に好ましい自己顕示のありようだと見なされるでしょう。 逆に他人を見下す人、すなわち自己顕示欲の強い人ばかりがいて、これといった得意なものや熱中できるものもないとなれば、日々イライラも募り満たされない思いに苦しむことにもなります。
迷惑なだけでなく、しばしば食い物にもされる自己顕示欲
ある程度の年齢になるとこうした感情からはある程度解放されるものですが、周囲から見てどれほど恵まれた境遇にいても本人がそう感じなければ自己顕示が激しくなりますし、振り回される周囲の人間だって疲弊してしまいます。
また未熟さゆえに自己顕示欲の強い人が若い女性や資産持ちといった場合は、甘言を弄してそれに付け込む男性やら有象無象が寄ってきて都合よく利用されてしまうと云った状況もあります。 自己啓発とかオカルト、新興宗教、陰謀論 などに取り込まれてしまうこともあるかもしれません。 自分で自己肯定感の充足ができない場合は、親や周囲の人間が褒めてくれるような人かどうかの運次第ですが、とくに思春期の頃の自己肯定感は精神的な基礎体力にも喩えられますし、十分に満たされていて余裕があれば、他人の悪口にそれほど神経をすり減らさずにいられるかもしれません。
誰でも多かれ少なかれ持っている自己顕示欲とどうつき合うか、バランスをどう取るかは、周囲の人間はもとより、本人が自分の評価や身を守り、より良い生活や人生を歩むためにも、身に着けるべき大切な能力なのでしょう。