小さい子供なら可愛げもあるけれど… 「構ってちゃん」
「構ってちゃん」 とは、周囲の関心や注意を引こうとして過剰なアピールや言動をしてしまう人物を、かなり強く侮蔑的に表現する言葉です。 「ちゃん」 付けしているように、相手を未熟で幼稚な子供扱いする ニュアンス があります。 「かまちょ」 と呼ぶこともあります。
小さな子供が親の関心を引こうと大声を出したり泣いたり駄々をこねたりするというのが分かりやすいパターンですが、わざと転んで泣き叫んだり、お腹が痛い足が痛いと仮病を使ったり、死んだ ふりをすることもあります。 また思春期の頃の非行・不良行為など、自分が注目を集めたいという欲求の他、親や周囲の人間の反応によって、自分がどう思われているのかを 試す行為 も行われます。
これらは一般に、親の愛情不足による自己肯定感の欠如、兄弟や 姉 妹、あるいは友人らへの嫉妬、ものごとが思うようにならないストレスが原因だとされ、手段はどうあれ自分の存在を認めてもらいたい、注目されたいという 自己顕示欲 の発露、承認欲求 の表れだとされています。 誰でも一度くらいはやったことがあると身に覚えのある行為であり、成長とともに少しずつ減り、いずれは卒業するものでしょう。
一方、大人になってもこうした行動を繰り返す人がいます。 思春期の頃につっぱりやヤンキー、あるいは不思議ちゃんといった奇矯で目立つ振る舞いをしてそれがそのまま続いていたり、日ごろは問題ない 日常 を送っていても、ストレスや何らかの精神的な原因によって、突然奇行に走るような状況もあります。
ネットでは構ってちゃんが大増殖?
なかでも 掲示板 や SNS といった ネット の世界において、炎上 するような ツッコミどころ満載 の暴論や極論、あからさまな 逆張り、迷惑な 荒らし や 釣り などを行い、例えそれで返ってくるのが非難や罵倒の声であっても、無視されるよりはましだとしがみつく場合もあります。 目立つためなら何でもするような状況となり、ネットスラング で 承認欲求モンスター や承認欲求乞食、承認欲求オバケと呼ばれることも。 その他、ゲーム (ネトゲ) で何度も 引退 と撤回を繰り返したり、場合によっては自殺 (自死) を仄めかすこともあります。 ここまで来ると構ってちゃんを通り越し、メンヘラ 扱いされることも多いでしょう。
生活する場の周囲や自分が 常駐 する掲示板やコミュニティにこうした人がいると厄介そのものですが、さりとて スルー することもできない家族や古い友人といった間柄の場合は苦慮する結果にもなりがちです。
子供の場合は成長するとともに奇行が収まることがありますし、愛情を注ぎ安心感を与えることで改善が見込めることも多いでしょう。 大人の場合もおおむね同じ対応となりますが、日常生活に支障をきたすほどの場合は、できるだけ早く専門家のカウンセリングを受けるか、自分の居場所となるような場や 趣味 を持つくらいしか方法はありません。
創作活動では力にもなる 「構ってちゃん精神」
人は社会性のある動物ですし、他人から無視されるのは辛いものです。 とくに 同人 にせよ何らかの創作活動を行っている人は、多かれ少なかれ自己顕示欲にせよ承認欲求にせよそれなりに強く持っていて、それが創作のエネルギーになっていることもあるでしょう。 他人を攻撃したり迷惑行為に及ぶのは論外ですが、「もっと見て」「もっと読んで」 は、活動者 にとって切っても切れない感情、あるいは得難い才能の一種といっても良いかもしれません。
他の人より目立つ以上、他人からバカにされたり批判されることと無縁ではいられませんが、少なくとも意図的に迷惑をかけるような行為さえしなければ、自分の好きなように表現するのに何の遠慮もいらないでしょう。 とくに創作分野における 「構ってちゃん精神」 は、もっと ポジティブ に捉えてみても良いと思います。
自分の 「好き」 や 性癖 を自分の表現で世に問うのはかなり勇気が必要な行為です。 嫌いなものより好きなものの方が、その人の中身をあけすけに暴露してしまうからです。 またあんまり自己作品アピールや 感想 や反応をくれアピールが過ぎるのも見ていて 痛々しい ですが、それが自分の趣味に合わないからと云って、目立ちたがり屋だ構ってちゃんだといちいち個人が 特定 できる形で口に出して冷やかすのも、大人のすることではないでしょう。 単なる 人格攻撃 であり、迷惑な構ってちゃんの罵詈雑言とたいして変わりません。
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