何かと苦労の多い、固定ハンドル、コテハン
「固定ハンドル」 とは、ネット の 電子掲示板 や チャット において、いつも決まった ハンドル (ハンドルネーム/ HN)、固定した 「ハンドル」 を持っている人、あるいはそのハンドルの事です。 略して 「コテハン」 とも呼びます。
「ハンドル」 とは、自分で自分を表す名前、愛称、ニックネームの事ですが、匿名掲示板と呼ばれるコミュニティでは、基本は 「名無し」 で、ハンドルを使わない利用者がその多くを占めています。 「コテハン」 は、必要に応じて特定の スレッド なりで他人と自分を識別するためのハンドルを使い分けるのではなく、基本的にいつも同じハンドルを、常に使い続ける人となります。
「固定したハンドル」 と、ただの 「ハンドル」
こうした 「固定したハンドル」 という名称は、匿名性のない掲示板や、利用者情報が他の利用者から閲覧・確認できたり、IDがそのままハンドルになるような パソコン通信 の時代には見られませんでした (ただしハンドルは必須だったものの、コロコロと変えたり、捨てハンドルばかり使ってる人は結構いましたから、概念 や言葉は存在してはいた)。 ネットの掲示板など以前の、アマチュア無線やCB無線などでも、同じような扱いでハンドルと固定ハンドルを使うケースもありました (コールサインとは別に)。
その後、「あめぞう」 や 2ちゃんねる など、インターネット の時代となり、匿名が デフォルト (初期設定) の掲示板が流行すると、わざわざハンドルを付ける人が少なくなったこともあり、独特の存在感を持つと同時に、「固定ハンドル」「コテハン」 という概念と用語がハッキリと定義。 以降はその他のハンドルや名無し表示とは区別して取り扱うようになりました。
また会員として ログイン する必要のない 2ちゃんねる などの場合、固定ハンドルの 「騙り」 が簡単にできてしまうので、それを防ぐため、トリップ (トリ/ トリプ) の機能も後に実装されています。 これが付いている固定ハンドルは、「トリ付きコテハン」 などと呼びます (この他に 「キャップ」 というものもあります)。
過去の発言がいつまでも付いて回る 「固定ハンドル」
匿名掲示板でわざわざ固定したハンドルを付けるのは、目立ちたいとか 自己顕示欲 が強い、なんてケースもあるのでしょうし、自分の発言やレスに責任を持ちたいという利用者もいるのでしょう。
しかし実際に固定ハンドルを持っていると、その場その場の発言や レス だけでなく、過去の発言なども全て付いてまわりますし (以前書き込んだ失言や勘違い、無知による恥ずかしいレスなども辿られてしまう)、トラブル を起こしたり他の参加者の印象に残る出来事があると意識されてしまいます。 気楽に書き捨てできる名無しに比べると、コテハンを名乗り続けるのもかなり大変だったりもしますね。
また固定ハンドル同士で 馴れ合い が生じやすい問題もありますが、そうした悪い面だけでなく、例えば専門版などでは有名なコテハンが尊敬を集めたり、まとめサイト の 管理人 が連絡を取りまとめるために利用しているようなケースもあり、ハンドルや名無しの使い方も、人それぞれといった感じでしょうか。
なお固定したハンドルを持って一定期間活動している関わらず、誰の記憶にも残らない人、目立たず影響力も何もない人は、「空気コテハン」「空気コテ」 などと呼んだりします。