同人用語の基礎知識

Yahoo!砲/ ヤフー砲

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急激なアクセス増加、嬉しいけれどサーバ管理者は大慌て 「Yahoo!砲」

 「Yahoo!砲」(ヤフー砲) とは、日本最大の総合ポータルサイト、Yahoo!JAPAN (ヤフージャパン) のニュースに自分の ホームページ (ウェブサイト) が紹介され、その リンク 経由で短時間に膨大なアクセスが殺到することです。 その数は、ニュースなどで紹介された時間帯や注目度の高い ジャンル の話題かどうかにも左右されますが、1時間に5〜10万アクセス、場合によってはそれ以上のものすごい数となります。

 「砲」 という物騒な名前が付いているのは、ネット の世界ではウェブサイト (サーバー) に負荷、トラフィックを与え攻撃するためのツール類を、有名な 田代砲 に倣って 「砲」 と呼ぶ習慣があるからで、まるで DoS攻撃DDoS攻撃 を食らった時のように高い負荷が発生することから、悪意のあるなしとは無関係にある種のシャレ、ネットスラング としてこう呼ぶようになっています。

あまりのアクセス増加に恐れを感じるものも…「注目される」 ことへの驚きと戸惑い

 一般的に企業、個人問わず、ほとんどのサイト開設者は自分のサイトへのアクセスが増えるのは歓迎していますし、その数が跳ね上がるのは嬉しいものでしょう。 何かを誰かに伝えるためにサイトを作っているのですし、Yahoo! さん側も好意的に紹介してくれている訳ですから、サイト発展の大きなチャンスでもあります。 またこちらのサイトの内容をある程度評価してくれたからこそ、日本一のポータルサイトが紹介してくれている訳で、そうした観点で喜びを覚える人も少なくないでしょう。

 しかしその数が尋常ではないので、心の準備が出来ていない場合には、嬉しくありがたい一方、あまりの注目度に驚いてしまったり、ちょっとした恐怖を覚えてしまう場合もあるようです。 当たり前の話ですが、例えばアクセスが1時間に10万回あったとすると、それは要するに 「10万人が自分のサイトを今見ている」 ということでもありますし、一般人が一度に10万人に注目される経験など普通はない訳で、戸惑ってしまう気持ちもわかります。

 またサイトを立てているサーバが脆弱なものだった場合、サイトの動作が遅くなったり、最悪のケースでは接続できない状態に陥ること (落ちて しまう) もあります。 例えば1時間に10万アクセスというのは、秒間27アクセスとなりますし、アクセスは平均して来るわけではないので、瞬間最大風速的には1秒間に100とか1,000アクセスに達する場合もあります。

 Yahoo! 側でもこれに配慮して、サイトに負荷がかかり表示に不都合が生じてしまうと 「アクセスが集中してつながりにくくなっています」 とアナウンスがでて、それ専用のページがクッションとして表示されるようになっています。 しかしせっかく数多くの人が興味を持って訪れてくれようとしているのに、サーバが弱いせいでそのチャンスを逃すのも、サイト開設者にとっては不本意でしょう。

 サイトの管理者、運営者 とサーバのそれが同一なら、落ちてしまっても自分のせいだと諦めもつくでしょう。 しかしビジネスとしてお客さんのサイトを預っているウェブ広告代理店やサーバ管理者の立場からすると、お客さんから 「せっかくヤフーさんが紹介してくれたのにサーバ落ちてるじゃないか、ふざけんな」 と怒鳴られるのは面倒だったり恐怖だったりします (トラフィックの契約次第ではありますが)。 これらを踏まえ、ある種の畏怖を含めての 「砲」 表現なのかも知れません。

 それにしてもネットの世界でいつのまにか、高負荷=砲 となっているのは面白いですね。

Yahoo! ニュースで紹介された時のアクセス傾向

日本最大のポータルサイト 「Yahoo!」
日本最大のポータルサイト 「Yahoo!」

 この 同人用語の基礎知識 は、おたく腐女子 関係や 児ポ法 の改正関連の報道が Yahoo! ニュースさんで配信されると関連情報サイトとして関係する用語のページを一緒にご紹介していただくことが多く、その カテゴリ の話題での Yahoo!砲の威力をある程度は知っています。

 Yahoo! ニュースで紹介されると、それと同時に一気にアクセス数が跳ね上がります。 とくに昼休みの時間帯や夜8時〜10時台など、ネット利用者が多い時間帯にそれが起こると、増えるアクセス数は尋常ではないものとなります。

 その後1〜2時間膨大なアクセスが生じた後、トップページ のヘッドラインからニュースが落ちると少しずつ減っていきますが (昼休みなら休みの終了、夜なら深夜帯に至ることでネット利用者も減るのでさらに減少します)、そのニュースが古いニュース扱い (バックナンバー、昨日のニュース) になると、バックナンバー最上位に表示され、再びアクセスが跳ね上がります。

 その後またアクセスはなだらかに減じてゆきますが、それと前後して、Yahoo! ニュースをニュースソース、元ネタ として、日本最大の 掲示板 2ちゃんねる にしばしば スレッド が立つので、2ちゃんねる経由のアクセスが流入したり、そのスレッドをまとめた 2ちゃんねるコピペブログ (膨大なアクセス数を誇る 大手サイト がひしめいている) に転載されたり、羅列系ニュースサイト・孫ニュースサイトに掲載され、波状的にアクセスが殺到するケースもあります (こちらも、ニュースサイト砲 と呼ぶことがあります)。 これらはYahoo!ニュースで紹介されてから、おおむね3〜4日間くらい、初日をピークとした三角形のグラフのような形で続きます。

 なおミニブログ 「Twitter」 でも、著名人など数十万人の フォロー を持つ利用者がつぶやく (ツイート する) と、短時間に膨大なアクセスが発生するため、Yahoo!砲と同様、Twitter砲 などと呼ぶ場合もあります。 当然ながら Yahoo!砲 や ニュースサイト砲 と複合するケースも少なくなく、あるサイトがネット世界での知名度を一挙に上げる一大転機となる場合もあるでしょう。

炎上マーケティングと Yahoo砲

 ネット上でわざと問題のある発言などを 自作自演 で行い、いわゆる 炎上祭り と呼ばれる状態を意図的に引き起こすマーケティング手法に、炎上マーケティング というのがあります。 これを利用して、ニュースサイトなどに自分で炎上させたサイトなどを取り上げてもらい、間接的に大手ポータルサイトのニュース配信で紹介されることを目指す困った人たちがいます。

 Yahoo!ニュースがこうしたマーケティングを意図的に行うことはありませんし、その手助けをすることもありませんが、その他のニュースサイトの中のいくつかには、残念ながらモラルの低いところもあります。 炎上系は興味半分で見たくなることもありますが、こうした意図的な炎上に付き合うのも時間の無駄でしょう。 きちんとした ネットリテラシー を持って、賢くネットを利用したいものです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2008年12月18日)
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