遊び半分でやると捕まります
「DoS攻撃」 とは 「Denial of Service attack」 の略で、インターネット 上のサーバ等を悪意や何らかの目的を持って攻撃、破壊する手法の1つです。 「サービス不能化攻撃」「サービス妨害攻撃」 とも呼ばれます。 Web サーバや メール サーバ、FTP サーバ等に対し無意味で大量のサービス接続要求を送信し続け負荷を高めてシステムダウンさせたり、あるいは回線速度を極度に低下させるなどで他の正当なユーザへのサービスを妨害するなどがその代表です。
多くの場合はスクリプトによる相手サーバへの連続再読み込み・投票要求や、大人数による 同時F5キー (ファンクション5キー) 連打 による大量の再読み込み要求、あるいは巨大なメールや大量のメールの送信などがそれにあたり、掲示板 2ちゃんねる における 田代砲 の発射や、一部の市民団体などによる、大人数同時多発のF5キー連打活動 (サイバーデモと呼ぶらしい…) などが一般にも知られています。 もちろん立派な犯罪行為で、場合によっては刑法第234条-2、電子計算機損壊等威力業務妨害罪 (5年以下の懲役または 100万円以下の罰金) に問われることになります。
個人的な所見では、多くの 「田代砲」 発射活動は、サーバへの攻撃ではなく投票アンケートサイトへの組織投票が目的なので、場合によっては判断は微妙だと思いますが (実害が生じなければ、あくまでモラルの問題で留まる)、「サイバーデモ」 の方は相手サーバの麻痺や破壊 (サービスの妨害・中断) を主目的として最初から狙ってやっているので、より悪質で明確に違法だと考えています。
複数のパソコンに分散して 「DoS攻撃」 を実行させることは 「DDoS攻撃」
なお厳密に云えば、単体ではなくしばしば複数 (数十から数百、数千) のサーバから同時攻撃するこれらの 「DoS攻撃」 は、DDoS攻撃 (Distributed Denial of Service Attack) と呼ぶ場合もあります。 ボットネット と呼ばれる、ワームやウィルスによる他人のパソコンの支配による同時攻撃がよく知られています。 また個人が行っているものでも、ワームを利用したもの (後述) では複数のパソコンにモジュールが送り込まれて同じ状態になり (本来はこれの意)、同じく「DDoS攻撃」 と呼ばれます。
これらの力攻め、物量的な攻撃のほか、純粋にサーバ側の不備をつくような攻撃もあります。 例えば相手サーバのアプリケーションの処理をループさせるコマンドを送信して処理能力を極端に落としたり、あるいは相手OSの バグ をつくような不正パケットを送りつけてサーバを落としたりなどが代表的です。
こちらの方も違法でネットクラッカーには違いないのですが、それでもまだ少しはハッカー的と云うか、OSやサーバ管理者の不備・怠惰を衝く愉快犯的な方法だと云えますね。 結果的に正当なサービスを妨害するのであれば、まぎれもなく 「DoS攻撃」 な訳ですが、少し前まではどちらかと云うと、こちらの方法の方がポピュラーな 「DoS攻撃」 の手法でした。
その気がなくてもパソコンを持ってなくても…
一方、直接 Web サーバなどを攻撃するのではなく、ネット と Web サーバを利用して、特定の個人への実生活への物理的、アナログ的な 「DoS攻撃」 を行うなんてケースもたまにあります。
代表的なのは、簡単な住所・氏名などの入力で郵便による資料送付を行っている通販サイトなどに対し、スクリプト類を用いて攻撃対象のデータを連続 投稿 し、攻撃対象者の自宅に大量の郵便物を送付させて日常生活を麻痺させようとするものなどがあります。 なんともまた、すごい攻撃方法ですよね (嫌がらせで無言電話 10万回とか特上にぎり寿司 50人前出前注文とかと同じ種類の恐ろしさですね…。
こうしたものは、とくに 「ソーシャルアタック」 などと呼ぶ場合もあります。