長い友と書いて髪!… 「髪の毛」
「髪」「髪の毛」 とは、人間 (ヒト) の頭部分に生えている毛、頭髪のことです。 実在人物・創作上の キャラクター ともにその人物の特徴や個性をあらわすもっとも大切な外見上のパーツのひとつであり、色 (髪色)・長さ・形 (髪型) の組み合わせで頭髪としての膨大なバリエーションが存在するのも大きな要素のひとつです。 それぞれの特定の組み合わせは類型化もされており、創作物のキャラにおいて重要な 萌え要素 ともなっています。
人間の場合、手の平や足の裏などの感覚細胞が密集している部分以外のほとんど全ての部位に体毛を持っていますが、進化の過程で一部を除きその多くが退化し、他の哺乳類などのように全身毛むくじゃらといった生え方はしていません。 残った体毛の内でも頭部分と目や鼻や口、脇や足、耳の周辺、および性器付近はかなり多くの体毛が残っており、それぞれの部位によって役割は異なりますが、原則的には毛が生えている部位の器官を衝撃や乾燥、温度変化などから保護するために残ったものとされます。 個人差はあるものの、胸やおへその周辺、お尻などに濃い体毛を持つ人もいます。
一方、手足の指にある爪などと同様に伸びて切ったり脱落したりを繰り返すものであり、体内の老廃物の排出も目的にもっています。 これは皮膚も同様であり、いずれもタンパク質の一種であるケラチンによって作られます。 爪や古い皮膚 (垢) と異なり髪の毛は毎日それなりの量が抜け落ちる上にかなりしっかりした形も保つため、毛髪 (の中の老廃物) を調べることで体の調子や毒や違法薬物の検査を行うこともあります。 ちなみに健康な成人で頭髪の総本数は約10万本程度、1日あたり約50本から100本程度が抜けて生え変わるとされます。
なお頭髪をはじめ体毛の全ては皮膚から飛び出ていて外から見える毛幹、その直下で皮膚の下にある 毛根、その毛根の根元にある毛球の3つの部位に分かれています。 毛根と毛球は毛幹を作り支える部分となりますが、直接的には毛球内にある毛母細胞が分裂することで毛幹が成長します。 また一般に毛髪と 認知 される毛幹はメデュラ・コルテックス・キューティクルの3層構造となっており、コルテックス (皮質細胞) 部分に含まれるメラニン色素の種類と量によって毛の 色 が、全体の性質から毛の性質や癖 (細いか太いか、真っすぐか癖毛か) が決まります。 一番外側のうろこ状のキューティクルの量や整い方で髪の保湿力や痛みやすさ、見た目の美しさ・輝きなどが左右されます。
創作物における人物キャラクター髪の毛
頭髪は実在人物でもその人の印象を大きく左右する外見上の特徴となり、それは マンガ や アニメ といった創作物に登場するキャラクターの造形においても同様です。 キャラクターデザイン におけるもっとも重要なもののひとつといって良く、顔が多少同じでも髪型さえ違えば別キャラとして認識されるほどの外見上の個性や特徴となっています。 これはしばしば ヅラチェンジシステム と揶揄されるほど強力なものです (低容量 ゲーム において、違うのは 差分 の髪型だけといった意味から転じて 判子絵 (ハンコ絵) を揶揄するもの)。
頭髪が重要視されるのは、バリエーションが豊富な上にそれぞれのパターンにある程度の 属性 や固定的なイメージがあって、それを利用できることがあります。 例えば 黒髪 でロングなら清楚でおしとやかなイメージが自然とわきますし、金髪 の ツインテール なら活動的でちょっと生意気、あるいは ツンデレ といったイメージを喚起します。 赤毛 なら情熱的な ヒーロー や ヒロイン、反対に 青髪 は冷静沈着で赤髪ヒーローのライバルにも見えるでしょう。
そのキャラの内面的な個性とも強く結びつくため、作品の途中で髪型を変えることはほとんどなく、最初から最後まで原則同じ髪型で過ごすことになります。 逆に云えば、作中で物語の都合上、仕事やスポーツでちょっと髪型をアレンジする、寝起きや風呂上がりなどで髪が乱れる、あるいは何らかのきっかけで髪をバッサリ切るなどは、それだけでそのキャラの別の魅力を発揮したり、物語の極めて重要なポイントやアクセントとすることもできます。
髪飾りやアクセサリーも重要なアクセントに
髪型やヘアスタイルと呼ぶ場合、髪の色や長さ、髪型のあれこれの他、リボン や カチューシャ といった髪飾りや アクセサリー も構成要素として用いられ、全体で一体化したイメージでくくられます。 また毛髪が全て抜け落ちるか剃り上げて無毛となったツルツル坊主頭 (スキンヘッド) も、便宜上ヘアスタイルとして認知されることが多いでしょう。