画像の一部のみちょっと違う的な… 「差分」
「差分」(さぶん) とは、複数の情報やデータなどを見比べた時に、異なる部分、違いを指す言葉です。 数学の世界でも使われる言葉ですが、おたく や 腐女子 の世界では、もっぱらコンピュータプログラムやシステムのデータを新旧で比べた時に生じる一部の違い、差を指すことが多いでしょう。
もっともよく使われるのは、Windows などの OS のバージョンをアップグレードした際に、アップ前とアップ後の違いを示す場合があります。 この場合、システム全体はほとんど同じで、ごく一部だけが新しいものに差し替わることになります。 逆にバージョンアップするための新しいデータは 「差分データ」 と呼びます。
またデータのバックアップを取る際、保存しているファイル全てを保存し直すのでは時間や手間がかかるので、前回作成したバックアップデータと現在のデータの同じ部分は無視し、違いだけを追加・上書きする場合にも使われます。 この場合は 「差分バックアップ」 と呼びます。 文章や イラスト を描いて発表した後に、誤りに気づいて修正を施す場合には、そのためのデータは 「修正差分」 と呼びます。
ゲームキャラの目や口だけを差し替える使い方も
一方、コンピュータを使ったプログラムや制作データ、あるいは ゲーム などのバージョン違いでも同じように差分という言葉が使われます。 とりわけゲームにおいては、キャラクター の CG の顔や体を細かくパーツで分けて、それだけを小さく差し替えることで様々な表情やポーズ、衣装を描写することから、キャラの小さな変化それ自体を差分だと表現する場合もあります。 これらは表情違いのものなら 「表情差分」、ポーズ違いや色違いなら 「ポーズ差分」「色差分」 などと呼ぶこともあります。
さらに 主人公 といった作品中で重要な役割を担うキャラとは別に、固有のグラフィックを持たない 脇役 キャラや モブ・NPC が、髪の毛 や目鼻といったパーツの変更や組み合わせだけで何パターンもの別キャラにして保存容量を節約したりコストを下げることがあったので、「どうでもいい 雑魚 キャラ」 を差分キャラなどと呼ぶ場合もあります。 中でも髪型の差分は1パーツでキャラの見た目を大きく変えられることから、髪型だけが違うような別キャラが出てくる作り方を ヅラチェンジシステム と揶揄して呼ぶこともあります。 この場合の対義語は専用グラフィックキャラとか独自グラフィックキャラなどになります。
これら差分を使った手法は表情やポーズ、キャラごとに全く異なる 画像 を制作したり保存するのが難しい場合に使われるものですが、「手抜き」 にも見るため、差分それ自体に 「手抜き」「誤差」「大した違いがない」 との揶揄の ニュアンス がついている場合もあります。