状況や設定をあらわす便利ワード 「シチュエーション」
「シチュエーション」 とは、物語 の状況に対する 設定 や、自分や自分以外の誰かが置かれている 環境 や立場、境遇、あるいは場面などのことです。 略して 「シチュ」 とも呼びます。 英語の Situation と同じ意味で、一般的なカタカナ英語と同じ言葉として 同人 の世界でも使われますが、独自の ニュアンス、同人用語 的な意味や使い方もあります。
なお マンガ や アニメ、ライトノベル、ゲーム などで、魅力的な キャラクター の特徴などをリストアップしたものを、萌え る要素、すなわち 萌え要素 などと呼びますが、同じように設定や状況そのものに強い魅力を感じることを、とくに シチュエーション萌え (シチュ萌え) と呼びます。 この2つは別々の 概念 でありながら、極めて密接な関係を持っています。
状況があって初めて、キャラの魅力が際立つ
アニメやマンガなどの創作物、物語におけるシチュエーションは、ストーリーを進める前提となるものですし、そこに登場するキャラクターの魅力 (性格や仕草など) を引き出す根幹部分、作品 全ての出発点です (極論すると、設定とシチュエーションさえあればそれが物語になります)。
妹 (いもうと) や 幼馴染、許婚 (いいなずけ) などが、キャラを取り巻く環境、すなわちシチュエーションに強く依存する要素であるのは当然ですが (こうした立場自体もシチュエーションと呼ばれます)、学校 に通う生徒という設定が セーラー服 などの 制服 とセットになるケースが多いように、物語の魅力やキャラの魅力そのものとは、切っても切れない鶏と 卵 のような関係 (不可分のもので、どちらが先か後かはあまり関係がない) とも云えます。 またもっと些細なこと、例えばお腹がすいいた時に何を言うか、風が吹いて スカート が捲れて パンツ が見えてしまった時にどうするかなどの 「行動」 とセットになって、シチュエーションとされる場合もあります。
18禁 の エロティック な部分では、痴漢 とか多人数による 陵辱 なども、シチュエーションとしてくくられています。 エロにおけるシチュエーションは極めて重要で、例えば風俗の世界では コスプレ とセットになったイメクラ (イメージクラブ/ 擬似的な設定で性行為を行う) などもありますが、状況さえ自分の 属性 にしっかり合致していれば、極論すれば相手は誰でもいい…といった極端な場合すらあります。
これは創作物の世界などでも特に顕著で、「弱みを握られて脅され、されるがままになっている」 とか、「媚薬 によって体の自由を奪われて…」 などなど、シチュエーションをメインに作品を描いたり、そうした作品を好んで選ぶ ファン なども大変多くなっています。 エロ作品などは読み切り作品や短編が多いこともあり、登場人物の心理描写や物語内の事件や出来事をじっくり重ねて物語に引き込むことが困難ですから、最初の設定、すなわちシチュエーションさえしっかり立っていれば、もうそれで十分との作品も多くなっています。 これはギャグやコメディー、ショートストーリー (SS) などでもほぼ同様です。
こうしたことから、ある程度の普遍性を持つ魅力的な新しいシチュエーションやら設定やらを考案した場合は、同好の士から惜しみない賛辞が寄せられることが多いでしょう。 まぁ実際のところありとあらゆるシチュエーションや設定、あるいは物語の形などはすでに民間伝承やら神話やら古典的名作やらで散々作られ語られ尽くされていますし、一見新しいシチュや設定に見えてもその原型は過去の作品に見ることができるケースがほとんどではあります (ほとんどというか全てかも知れませんが)。 もちろん、例えば車や飛行機や ネット や携帯電話のない時代にそれらを活かした物語は存在しませんが、それに代わる別の移動や連絡の手段や道具を用いた話やシチュエーションの 「型」 そのものはいくらでもあるでしょう。
それでも 「今このタイミング」 で人々の共感や好奇を集められるくらい目新しい装いで再発明されるシチュには大きな価値があります。 いったんその新しいシチュが人気となれば模倣作が溢れることになりそれ以前の神話や古典同様に埋もれてもしまうのでしょうが (先駆者のジレンマ)、仮に運悪く ビジネス 的な成功がおぼつかなかったとしても世俗的・文化的あるいは歴史的な意義を失うことはないでしょう。
受けと攻めの設定こそ、同人の最大シチュエーション?
同人の世界では、カップリング による 受け と 攻め の設定が、ある意味で最大のシチュエーションとも云えるでしょう。 どのキャラとどのキャラを組み合わせ、どちらが受けでどちらが攻めかを決めるのは、その後のキャラの行動や魅力の提示、物語の進行・発展のキモとも言える部分となります。







