頒布数0冊でも、なんか可愛らしい 「🥚」 の絵文字で… 「たまご」
「たまご」(卵/ 玉子) とは、「0」(ゼロ) のことです。 より具体的には 「売れた数0冊」「売り上げ0円」 といった意味で使われ、もっぱら 同人 の世界において、自分の 同人誌 などが 同人イベント でまったく売れなかった、手に取ってももらえなかった、あるいはギリギリたまご (0冊・0円) ではなかったけれど結局赤字だった、といった意味で使われることがある言葉となります。
日常よく目にする鶏のたまご (鶏卵) が楕円型であることから、そのまま似た形であるアラビア数字の0を意味する比喩として使われ、ピコ や 底辺 と呼ばれるような弱小の 同人サークル の 主催者・主 が、「全然だめだった…」「全く売れなかった…」 との自嘲や卑下、自虐 を込めた ネタ として用いることが多いでしょう。 あまり他人のサークルを悪く云うためのたまご呼ばわりはしません。
しゃべり言葉で使ったり、ネット ではそのまま文字で書くこともありますが、友人への メール やメッセージで、たまごの絵文字 「🥚」 を用いた使われ方がもっともポピュラーかも知れません。 元々は不要な衣服や日用品などを販売するフリーマーケット 界隈 に参加する人たちが使い始めたらしいとの話もありますが、同じ 「0冊」 でも、可愛らしいたまごの絵文字を使った 「🥚冊」 なら、ちょっとばかりショックが緩和されるかもしれません。 ひよこが生まれたばかりの絵文字を使った 「🐣冊」 なら、0に近いけれどほんの少しだけ売れたような感じが出せるかもしれないですね。
なお SNS の ツイッター では、作ったばかりの アカウント の初期設定・デフォルト の アイコン がたまごであり、転じてたまごアイコンを 「誰からも何ら注目されないひよっこ」「フォロワー もろくにいない モブ」「取るに足りない 捨てアカ」 といった ニュアンス で使うことがあるので、この言い回しや使い方が何らかの影響を与えたのではとの話もありますが、時期的に合わない部分もあり、詳細は不明です (携帯メールの時代から使われていたような気がしますが、絵文字由来かどうかは不明です)。
たまごには、生まれる前とか始まる前、才能が開花する前といった意味がありますから、「これから始まるのだ」 と考えれば、少しは ポジティブ に思えるかも知れません。 そもそも同人サークルのほとんどが 赤字サークル という現実もありますし、気に病んでも始まりません。 とはいえ、次の コミケ の サークル参加 を申し込む際、「前回実績」(前回の イベント で売れた数) に 「0」 を 書き込む のはちょっと辛いかも知れません (イベントを円滑に開催するための適切な 配置 に関わる項目なので、見栄を張らずに正確な数字を記入しましょう)。
「0→1」 や 「ゼロからイチへ」 といった言い回しも
「0」 がらみでは、「何もないところから新しいものを生み出す」 との意味で使われる 「0→1」 という言い回しもあります。 また アニメ 「ラブライブ!サンシャイン!!」 で使われるフレーズに 「ゼロからイチへ 「Step! ZERO to ONE」 といった言い回しもあります。
「0」 は全ての始まり、第一歩を踏み出す前といったニュアンスがありますから、自分の同人誌の 頒布数 がゼロであってもあまり気にせず、自分の好きなものを描いたり書いたりするのが良いかもしれません。 とくにネットがない時代、初めてイベントに参加するサークルが事前に自分たちの存在をアピールする場はほとんど存在せず、よほど 絵 が上手いとか目立つものでなければ、最初は誰だって0か、それに近い状態からのスタートでしたから。
一方で、わりと売れた場合にその数をあけすけに表現すると生々しいと感じられる場合は、ぼかした言い回しとして 「0が3つ」「4つ」 といった云い方をする場合もあります。 0が3つなら4桁で千、4つなら5桁で万となります。
自分のたまごを他人に託す…「托卵」 とか
売り上げといった話以外でたまごを使うこともあります。 よく耳にするのは 「托卵」(鳥が自分のたまごを無関係な別の鳥の巣に入れて育てさせる) から転じた 寝取られ (NTR) 文脈で使うものや、同人イベントで 委託 (他のサークルの スペース に自分の同人誌を並べてさせてもらい、代理で 頒布 してもらう参加方法) を露悪的に表現することもあります。