使い捨て前提のアカウント 「捨てアカ」
「捨てアカ」 とは、使い捨てを前提とした、あるいはいつ捨てても (BAN (利用停止処分) されるなどして失効しても) 構わないような、どうでも良い アカウント のことです。 誤変換当て字 でアカを 垢 とした 「捨て垢」 と書くこともあります。 もっぱら ネット で利用する登録制サービスで用いられる考え方で、同様に使い捨てを前提とした メール のアカウント (メールアドレス) の場合はとくに 「捨てメアド」 と呼ぶこともあります。
コミュニティサービスにしろ ゲーム にしろ、利用者を同定・限定するために多くのサービスではアカウント取得による会員情報の提供を利用者に求めます。 捨てアカの場合、この情報もデタラメか、それに近いものになります。
試しに使ってみたり、何らかの悪用を企てていたり
捨てアカを取得する理由は様々です。 例えば新しく始まったサービスで興味はあるけれど本格的に利用するかどうかわからない場合に、とりあえず登録してみるといった感じで作られるケースも多いでしょう。 この場合、結果的に捨てアカになることもあれば、その後そのアカで本格的な利用が始まり、本アカ として活用される場合もあります。
一方で、捨てアカは匿名性がありますし、自作自演 や他利用者への嫌がらせといった何らかの悪さをしても、そのサービスの 運営側 で科せられるペナルティはせいぜいそのアカの凍結や BAN 程度にとどまるため、捨てアカなら痛くも痒くもなくやり放題にできるといった意図のものもあります (名誉棄損の 書き込み とか ネトゲ で チート を行うためのツールを配布するなどの場合は、身元を突き止められて別途法律で処罰されることもあります)。 アカウントがなければコメントができないサービスで、何らかの事情でどうしてもコメントしたい場合などに、そのためだけに取得するといった使い方も多いでしょう。
ツイッター といった SNS の場合、仮に匿名の利用者としてアカウントを管理していても、前後の コメント の内容などからしばしば利用者のリアルな情報と紐づく結果となりがちです (特定)。 他利用者を攻撃したい、身元が知られると 炎上 した際に困ると云ったコメントを 投稿 する場合には、そのためだけに 新規 に作った捨てアカが利用されることが多いでしょう。
なおそのアカウントが捨てアカかそうでないかは、一見して分かるケースが多いでしょう。 作ったばかりの 新規アカウント だったり、書き込み内容が少なすぎたり、アカウント名 やユーザー名、ハンドル (スクリーンネーム) が投げやりなもの、プロフィール や アイコン などがないか、いかにも適当なものだったりが代表的です。
一般に捨てアカによる書き込みは、「捨てアカでしか主張できない卑怯な人の意見」 として スルー されたり軽視されがちなので、前述した名前やアイコンなどをしっかり 設定 したり、書き込みなどを増やして 「捨てアカをある程度育てて」 から使うような人もいます。
捨てアカの再利用で身元バレ? 悪いことはできないもの
捨てアカに限らずメインとは異なる サブアカや副アカ、裏アカ などでも生じることですが、何らかの事情により本アカが使えなくなった際に、日ごろは使っていなかった休眠中の捨てアカなどを焦って再利用して、その捨てアカから過去に行った悪さが本アカと結びついて露見・特定や 身バレ を招くことがあります。
ある意味で自業自得ではありますが、いくら焦っているとは云え、わざわざ捨てアカを再利用することはないだろうという状況は、わりと目にします。 人間誰しも、過去に行った自分の悪行は忘れたり軽く見てしまいがちなので、焦りの中でこうした行動になってしまうこともあるのでしょう。 また逆に、後になって捨てアカで行った悪さを 「なかったこと」 にしたくてコメントの削除やアカウントの停止を行おうとして、本アカとの使い分けを誤って自爆するようなケースもあります。
天に唾するとはまさにこういうことかって感じもしますが、反省して過去の捨てアカを消そうとしたら ログイン できなくなっていて消せなくなったといった状況もあり (たいてい捨てアカを取る時には別の捨てメアドを認証用に利用してたりして、ログインポリシーが変わった後で パスワード の再発行や本人確認の方法がなくなってしまったみたいなパターンが多い)、やっぱり匿名であれこれできるとは云っても悪さはしないにこしたことがないよなとか思ったりもします。