大切なものを汚されることに興奮する独特な感覚、鬱勃起 を誘う 「NTR」
「寝取られ」(NTR) とは、恋人や配偶者、愛人、時には親や姉妹 (兄弟)、幼馴染 などの 「大切な人」(女性、男性問わず、また異性同性問わず) に対し他人が性行為を行うこと、文字通り 「寝取られる」 ことを表す言葉です。 ローマ字略語 で 「NTR」(Ne To Rare) とも呼びます。 セックスなどの性行為にまで行かなくても、広義で寝取られとされる場合もあります。
一般的に大切な恋人などが寝取られる、例えば浮気された、無理やり犯された…なんてことはあって欲しくないと考えるのが普通でしょうが (本来の意味の 「寝取られ」 の場合、無理やりは除外です)、こうした状況に背徳的で 自虐的 な興奮 (大切なものが汚されることによる、ある種のカタルシス、独占欲をつつかれプライドを砕かれるマゾヒスティックな愉悦、鬱勃起) を覚える人も少なくないようで、こうした傾向を持つ作品などは、結構な人気や 需要 を持っているようです。 対義語は 純愛 や一途です。
創作物のパターンとしては、善人で彼女のことが本当に大好きで大事にしている 主人公 の男の真意がわからず、どうでも良い薄っぺらい通りすがりのアホ男の甘言に乗せられ喜んで 処女 を捧げてしまう純真だったはずの淫乱じみた彼女…その姿を見て主人公呆然…とか、夫婦生活に物足りなさを感じる妻が、自宅に侵入してきた強姦魔に襲われ夫の目の前で犯される…しかし妻はそこに夫との夫婦生活では得られない快感を覚え喜びに咽び泣き、それを見せつけらた夫が自分のあまりの無力さに呆然…なんてのが お約束 パターンです。 とりわけ女性が 「堕ちてゆく」 行程の描写に、魅了されているケースが多いものです。
なお男の恋人が女性だったとして、同じ女性に寝取られるのは 「レズ寝取られ」、相手が 触手 だったり動物だったりした場合には 「動物寝取られ」「モンスター 寝取られ」 なんて個別に呼ぶ場合もあります。 いきなり男に寝取られるものと違い、レズ の場合はソフトな描写となっているものも多く、ある意味で初心者向けの寝取られともいえるかも知れません。
また更に発展したものでは、寝取られる側と女性とにさほど関係がない、あるいはほとんど無関係の場合もあります。 例えば男性側からの一方的な片思いだっただけとか、極端な場合は 「BSS」(僕の方が先に好きだったのに) といった、対象を横取りされたと被害妄想気味に思い込んでいるだけの描写もあります。 より極端なものでは、痴漢 がいつもターゲットにしている女性 (被害者) を別の痴漢に取られるといったケースも寝取られと 解釈 されたり、寝取られた後にまた寝取られそれが延々続くなどなど、ほとんど何でもありな感じにもなりつつあります。
理解し難いと思いつつ、見渡すと結構この趣味の人がいそうな気配
現実の世界でも、「スワッピング」(恋人を交換するプレイ) などでは、「自分が違う異性とやりたい」 という欲求も当然あるのでしょうが、中には自分の恋人が目の前で犯されることに興奮を覚えるタイプも少なくないようで、「寝取られ」 や 「NTR」 は、言葉としても比較的ポピュラーな表現となっていますね。
例えば自分の性器が役に立たない (勃起しない) などの男性が、自分の妻などを他の男性に任せ、妻が他人の腕の中で悦楽にふけるさま、アクメ顔 となるさまを見て満足したり (自らの卑屈さを際立たせて自虐的な満足となる描写も多い)、好きな キャラ がどこの誰かも分からない男に 陵辱 され、茫然自失、レイプ目 となっているのを悦ぶパターンもあります。 現実の世界では犯罪行為になるような性の営みでも、創作物の世界は自由ですから、背徳、禁断の刺激、喜びを、こうした作品で味わう ファン も結構いるようです。
またここまで極端でなくとも、現実の人生の中で自分の元彼女が自分よりかっこいい男性と楽しげに歩いているのを偶然見かけ、悲しく怒りも感じるけれど、でも妙な性的好奇心、卑屈な喜びを覚えてしまうなんてケースも、人によってはあるでしょう。 また現実は嫌だけど、創作物の世界、擬似の話ならなんとか…という、ある種の 「怖いもの見たさ」 の欲求を適えるものでもあるのでしょう。
いろいろな意味で屈折した感情ではあり、わからない人にはまったくわからない 性癖 や考え方だったりもしますが、言葉として広まっている以上、それなりの需要やファンはいるのでしょうね。 ちなみに 筆者 はいまいちその魅力がピンとこない方ではあるのですが (わりと純愛指向が強いです)、シチュエーション やその時の体調によってはピンと来ることもないではないです。
NTR に近い言葉で、カンダウリズム なども
なお恋人や愛人、妻の裸体などを他人に見せたり、時には性行為などを行わせたりすることは、カンダウリズム などと呼ぶ場合もあります。