同人用語の基礎知識

同人三大タブー

トップ 同人用語 項目一覧 同人三大タブー

数多くの問題を内包した危うい文化、「同人」

著作権・わいせつ問題・そして税金…同人の世界は悩みもいろいろ (同人する子)
著作権・わいせつ問題・そして税金…同人の世界は悩みもいろいろ
同人する子

 「三大タブー」 とは、同人 の世界における触れにくい問題、解決しにくいグレーゾーンな問題のうち、とりわけ影響とグレー具合の大きな 「著作権」「わいせつ」「税金」 の3つを称して俗に呼ばれる言葉です。

 もちろんこれらのタブーに触れない、あるいは全く無関係な同人も多く、3つ全てが当てはまる 同人サークル同人誌 の方がむしろ少数派となっているのですが、一部の突出した部分ではダイレクトにこの3つの禁忌を踏んでいますし、しばしばそれが同人の世界を代表するようなメジャーどころだったりして、問題を複雑化させています。 また一見無関係に見えても、厳密に見ると大なり小なり関わっているサークルや同人誌も多いものです。

 同じ同人の世界にいる以上、「あいつらは、俺たちとは無関係だ」「わたしは関係ない」 と云い切れない部分があり (少なくとも外部の人は、そうは見てくれないです…残念ですが…)、かといって大人数が参加し、また膨張し世代交代も激しい同人の世界で一枚岩のような意思統一が図れるはずもなく (そもそも自由な表現の場で、それは無理でしょう)、解決策の見えない、難しい問題と云えます。

 またこうした状況が、ネット の世界などを通じて外部に広まって様々な摩擦を起こしている点も、頭の痛い問題とも云えるでしょう。

膨張する同人の世界…対応はいきおい、後手後手に

儲けがでたらしっかり確定申告を
儲けがでたらしっかり確定申告を

 オリジナル な作品はともかく、二次創作ファンアート における著作権の問題については、同人サークルや 同人誌即売会 の側だけでなく、アニメ制作会社や出版社などの版元、権利者団体などが中心となり対策を検討しています。 例えばフィギュアの祭典である 「ワンフェス」 でのいわゆる 「1日版権」 のような仕組みや制度、適切なガイドラインの設置などができないかと研究しているところもあります。

 わいせつ問題については局部の描写をしない、描く場合は見えないように消したりモザイクをかけるなどの修正をするといった方法になりますが、本来は別の問題である 青少年健全育成条例有害図書 と未成年との問題は切っても切れない複雑な関係にあります。 一定周期で社会的問題として盛り上がる時期があり、その都度様々な トラブル も生じています。

 いくつかの同人イベントでは、局部描写がないか事前にチェックしたり、未成年者対応では成年のみ入場として受付で年齢確認を行ったり、未成年者と大人との区分け、ゾーニング を徹底したり、積極的に新しい取り組みをしているケースもあります。 また実際に頒布される 同人誌 を作る 印刷所 が、それぞれのガイドラインを設けて 作者 に協力をお願いしている場合もあります。

 さらに税金に関しては、大半のサークルが 赤字サークル であることもあり、一部の飛びぬけて 頒布数 (実質は販売による売り上げ) のあるサークルへの尊法意識の向上を図ることで打開するという取り組み (同人誌を扱う 委託書店 などが音頭を取った取り組みや、著名な 同人作家 による呼びかけなど) もあります。

 しかし自主的な取り組みを無視して規制強化がされるばかりのわいせつ問題もあり、3つ全てがタブーの から外れることは、当分はなさそうな感じです。 最終的には参加している人たちが、「この場を守るためにどうしたら良いか」 を考え、自分の立場でコミットできる範囲で、頑張ってゆくしかないと思われますが…。

Twitterこのエントリーをはてなブックマークに追加FacebookLINEGoogle+

関連する同人用語・オタ用語・ネット用語をチェック

(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 1999年12月18日)
破線
トップページへページの先頭へ

トップ
 旧同人用語メイン
 同人用語辞典 収録語 項目一覧表
 同人おたく年表
 同人関連リンク
 付録・資料
サイトについて
書籍版について
リンク・引用・転載について
閲覧環境
サイトマップ
のんびりやってます
フッター