好きだから描きたい、伝えたい 「ファンアート」
「ファンアート」 とは、アニメ や 漫画、ゲーム といった コンテンツ や、そこに登場する キャラクター、芸能人やアイドルなどの ファン が、ファン活動の一貫としてそれらを題材に描く 絵 や イラスト のことです。 文字通りファンによるアートという意味で、おおむね真似絵や似顔絵の形を取ります。 略語として 「ファンア」 や ローマ字略語 で 「FA」 と表現されることもあります。
こうした作品は題材・元ネタ となる作品を持つ創作として パロ (パロディ) とか 版権もの、二次創作 と呼ぶこともあります。 元々こちらの言い回しもポピュラーでしたが、うち二次創作に関しては何やら四文字熟語みたいな堅苦しい印象がある上に、芸能人やタレント、ネット の有名人 (例えば ネットアイドル や 生主、YouTuber (ユーチューバー)、Vtuber など) のように、作品やキャラというよりは実在する特定個人 (ナマモノ・RPS) の似顔絵を二次創作と呼ぶことに違和感もあり (言葉としては間違ってはいませんが)、時代を下るごとにファンアートと呼ぶケースが増えている印象があります。
なおフィギュアといった立体造形物や動画作品、文章による SS や 萌え語り、担当・推し の 布教用 に作られる ステマシート といった作品も広い意味でファンアートの一種となりますが、一般的にはイラストのみを指すことがほとんどでしょう。
著作権や肖像権、あるいは18禁表現など問題もありつつ広まる
呼び方がファンアートにせよパロや二次創作にせよ、あるいは対象が架空のキャラにせよ実在人物にせよ、それぞれには様々な問題や課題があります。 代表的なのは 著作権 や肖像権、さらにナマモノに特有の様々なマナー・自主規制 があります (詳細はそれぞれの項目でお読みください)。
一方で、インターネット が普及し、SNS で広くファンによる情報や作品の 共有 が行われるようになると、ファンアートの原点でもあるファンレターや似顔絵といった応援を伴うファン活動などと同様に 公式 の側でも好意的に捉え、ガイドライン (決まり事、規約) を設けて正式に存在を認めたり、ハッシュタグ によるファンアートの 投稿 の推奨 (公式があらかじめ定めた専用タグを用いた投稿で、公式が正式に 認知 し、場合によっては紹介する) なども増えてきています。
さすがに 18禁 の エロ な作品についての取り扱いは公式とファンとの信頼関係をベースに配慮を求めるものが大半 (せいぜい 鍵付き の閉じた場で行う分には見て見ぬふりをする程度) ですが、公式のファンアートに対する姿勢によっては、従来のそれとは別次元のような寛容さが感じられる対応も増えてきています。
ネット時代となり、マーケティングにおける口コミ効果などを無視できない部分があったり、そもそも おたく や 腐女子 的な価値観がある程度広まって一般化したこともあるのでしょうが、公式とファン (ファンアートを描くファンと描かないファン) との好ましい関係や信頼を損なうことのないよう、活動したいものです。