多分若い世代でもっとも多く使われてる言葉かも 「マジ」
「マジ」 とは、本気、真剣、真面目に、本当に、真実といった意味の言葉です。 元々は江戸時代の歌舞伎役者が楽屋で使っていた言葉だとされますが、現在よく使われる若者言葉としてのそれは、1980年代から流行したものとされます。 使い方はシンプルで、「マジで?」 なら 「それは本当の話か?」 になりますし、「マジだ」 なら 「本当の話だ」 になります。
一方、単に 「本当か嘘・ガセか」 といった話の信憑性を問うだけでなく、「にわかには信じられないほどの話だ、それは本当なのか」 という驚きを相手に伝える意図が含まれる場合もあります。 さらにはその驚きは別に本気で驚くほどのものでもなく、「へえ、それで?」 程度の相づち、あるいは話し相手の言葉に価値がある、新鮮な驚きがあるとの肯定的かつ過剰表現の ニュアンス で行う場合もあります。 例えば 「今日の給食は唐揚げだよ」「マジで?」 なら、別に唐揚げがそれほど嬉しいのだというよりも、それを教えてくれてありがとうとか、大げさなリアクションで会話を盛り上げようといったほとんど無意識な気持ちが乗った表現だと云えるかもしれません。 「へえ」 とか 「ふ〜ん」 みたいな薄いリアクションでは、話がそこで終わってしまいます。
「マジ〇〇」 といった形で、何かに接頭して使う場合も多いでしょう。 例えば本気・真剣な レス なら マジレス、本気で頭がおかしいなら マジキチ、真剣な恋なら マジ恋 といった使い方です。 これは後年使われるようになった ガチ (ガチンコ) とほぼ同じような意味となります (例えば ガチ勢 とか ガチ恋)。
またマジが広がる中で、「本気と書いてマジと読む」 といった言い回しも登場。 マジを ルビ として振ったような文字表現もよく使われるようになっています。 その後 ネット の時代となると、略されて 「マ?」「マ」 といった 一文字略語 の使われ方もされます。 これも前述のように真偽を問うものというよりは、単なる相づちの過剰表現として信じられないほど衝撃的な話だ、それは本当なのかといったニュアンスで使われることの方が多いでしょう。
一方、1980年代から1990年代あたりにかけての明るく軽いが良いとされた世相や、若い世代にとって 「本気」「真剣」 が 「ダサい」「重い」「暑苦しい」 と捉えられがちな部分もあり、自分の本気を伝えたり、友人らの本気を推し量る際に、軽い言葉であるマジは照れのない使いやすい言葉だという部分もあります。
若者からある程度の年配者まで、広く使われる 「マジ」
くだけた若者言葉であり、大の大人が表立って使える言葉ではありませんが、2000年代以降も 掲示板 の 書き込み や飲み会といったプライベートな場での会話では、40代50代でも 普通 に使うフランクな話言葉としてすっかり定着しています。
これはやや早いかほぼ同時期に流行り始めて定着した ヤバイ や キモイ などと同じであり、シンプルで使い勝手が良い上に様々な意味に用いられる汎用性の高い表現だからでしょう。 逆に云うと、前後の文脈を踏まえないとなぜその言葉が出たかが分かりにくい部分はあります。 やたらとマジとかヤバイとかを使う人を 語彙力 のない人だと腐す表現もありますし、それは実際その通りなのですが、とくにネット時代は 露悪的・自虐的 に陳腐な表現をあえて使う人もいますし、なかなか奥行きの深い言葉だと云えるかもしれません。 まぁ何でもかんでもマジやヤバイで終わらせるのも、せっかく豊かな日本語がたくさんあるのに、もったいないなとは思いますが。
なお海外でも日本で創られた アニメ や ゲーム といった コンテンツ のセリフを通じて、「maji」「majide」 といった感じで、ある程度伝わる日本語由来の言葉として用いられているのは面白いです。