あばばばば…おチンチンびろーん! 芥川龍之介もこれには激怒
「あばばばば」 とは、2ちゃんねる などで一世を風靡した人気 アスキーアート/ AA、「クマー!!」(熊のAA) が、見ている人をおちょくり罵倒するときに叫ぶセリフです。
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「あばばばば」 と来て、「あばばっあびゃばびゃばば」 とか、「おチンチンびろーん」 などにつながります。
元々は、携帯電話の 「au」(エーユー/ あう) ユーザを小バカにする 煽り のための 「AA」 だったようで、その後改変バージョンも登場しました。 クマー関係はガイドライン板に専用の スレッド が立ち、一大メジャー キャラ ですから、バリエーションは膨大な数となっていますが、「あばばばば」 系の基本形はこの形のようです。
語源ですが、本来は、「おちんちんビローン」 などにつながることから、赤ん坊などをあやす時の 「いないいないバア」 のような ノリ の、「あばばばばぁ〜」 がこの使われ方での意味なんだと思います。 舐めきった語感と共に、相手を赤ん坊なみの幼稚な人間だと決め付けて煽るような感じでしょうか。 しかしあまりに見る人の神経を逆なでするおちょくり具合に、「これは使える」 とばかりに、あちこちに貼られるようになりました。
後に、いわゆる 「ネット右翼」(ネトウヨ) を罵倒する 「ウヨ脂肪」(ウヨ死亡) の 「AA」 にも 「あばばばば」 が使われるようになり、例えば保守政党や保守政治家が左よりっぽい発言や政策を打ち出した時に、「プギャー」「いい話ダナー」 などと一緒に、(残念でした)「あばばばば…ウヨ脂肪」 なんて罵倒するセリフともなっています。
アニメ化した人気漫画 「ぼのぼの」 のシマリスくん
なお ネット の 掲示板 などで 「あばばばば」 が流行した直接の 元ネタ としては、ほのぼの不条理ギャグマンガとして人気の 「ぼのぼの」(1986年〜/ いがらしみきお/ 竹書房/ アニメ 版は1995年4月20日〜1996年3月28日/ テレビ東京系) に登場する 「シマリスくん」 にあるようです。
ラッコの 「ぼのぼの」 やシマリスくん、アライグマくんなどの動物が織り成す4コマもしくは8コマのギャグマンガですが、これがどういう経緯で 「au」 ユーザを煽るために 「クマー」 で改変されて使われるようになったのかは不明です。
踊る赤ちゃん人間が放送で流れた時には…
ところで 「あばば」 と云えば、ウェブサイト 「Boiled Eggs Online」 に2001年1月29日〜4月16日まで掲載された、引きこもり を テーマ とした小説 「NHKにようこそ!」 のアニメ版 「N・H・Kにようこそ!」(滝本竜彦/ 安倍吉俊/ 角川書店/ 月刊少年エース/ 2006年7月〜12月) のエンディングテーマ曲として登場した 「踊る赤ちゃん人間」(作詞/ 大槻ケンヂ/ 作曲/ 橘高文彦/ 編曲/ 橘高文彦/ 歌/ 大槻ケンヂ) の歌詞に 「あばば あばば あばば」 が登場しています。
それぞれに関連性はないと思いますが、これらはその場で渾然一体となり (当時掲示板の 実況 板などは、あばばばばAAだらけになってました…)、広くその他の場所でも使われるようになり、罵倒やおちょくりの ニュアンス と同時に、時には極度の錯乱状態とか、無意味な歓喜、自分自身が取り乱して訳の分からないことを喋ってる…なんて意味にも使われるようになっているようです。
芥川龍之介も 「あばばばば」
なお芥川龍之介の 1923年 (大正12年) 11月に執筆された短編小説に 「あばばばば」 という作品があり、その作品中に、赤ん坊をあやすセリフ 「あばばばばばば、ばあ!」 というものが出てきます。
生娘が最強生物母親になった…それを見守るキザな若者のほろ苦い…でもやはり惹かれる印象…みたいな内容の短編ですが、直接の因果関係はともかく、赤ちゃん、すなわちネットでは 「幼稚な人間」(だと罵倒する側がレッテルを貼る) に対する罵倒ってのが、キーワードみたいですね。 まぁ auユーザ や 保守系 がそうであるかはともかく、罵倒する人には、相手を幼稚だと決め付けレッテルを貼る意図があるんでしょう。