夏のイベントは危険がいっぱい? 「暑さ対策」
「暑さ対策」 とは、夏に開催される 同人誌即売会 や各種 おたく・腐女子 向けの イベント に 参加 する際に、主に体調面で気を付けたい対策あれこれのことです。 日常における暑さ・酷暑対策などと内容は同じですが、とりわけ大勢の人が真夏に集まる夏の コミケ を中心に、ネタ として揶揄されることもある過酷な 修羅場 を乗り越え、日射病や脱水症、熱中症など命に係わる体調不良や健康被害を避けて、少しでも快適に過ごせるようにとの工夫などとなります。
なおこれは夏冬問わずですが、大前提の話として、事前に睡眠はしっかり取り、朝の 食事 もきちんと摂るようにしましょう。 睡眠不足で空腹では、自らに デバフ をかけて敵地に乗り込むのと同じです。 睡眠朝食はイベントに参加するためには必須で最低限の条件だと思うようにしましょう。 まぁギリギリまで コピー誌 とか創ってると、ついつい無理をしがちだったりもしますが…。
体調にいささかでも不安があるなら参加を見合わせること (勇気ある決断) も大切です。 また参加した後に何らかの不調を感じたら我慢したり遠慮などもせず、早め早めに周囲もしくはスタッフに助けを求めましょう。 周囲の 一般の参加者 も、そうした人がいたら無理のない範囲で積極的に声を掛けたり手を貸すようにしましょう。
直射日光に極力当たらない、とにかく水分補給をするが、最低限
夏場の体力温存にもっとも効果があるのは、とにかく直射日光に当たらないことです。 熱気も辛いですが、直射日光の肌に突き刺すような光線は体力と気力をどんどん奪っていきます。 一般にコミケや人が大勢いて混雑する場所では、危ないので日傘などは使えないことが多いですし、出来る限り屋根のある場所を使って移動するのは大切です。
待機列 の位置や コスプレ のための広場といった場所では日光を遮るものがないこともあります。 その場合は、可能な限り小まめに休憩をはさんで、長時間そこに滞在して日光を浴び続けるような状態は避けるべきでしょう。 飲食店などに入って休憩するのも良い方法です。 ただし酷暑の外からエアコンの効いた涼しい室内に入るとめちゃくちゃ気持ちよく生き返った気分がする一方、急激な温度・体温変化で体に負担もかかります。 5分10分程度の休憩ではむしろ外に出た際に一気に体調を崩す場合もあるので、ある程度まとまった時間の休憩とするか、休憩後しばらくは無理をしない配慮も必要です (スポーツ大会などでも、短時間のクーリングタイム後に選手が倒れるみたいな事故が良く起こってます)。
それでもやむを得ず日光が当たる場所でそれなりに行動する必要がある場合は、トップスは半袖ではなく長袖を着て日光が当たる肌の面積を減らしたり日焼け止めを塗るなど 日焼け を防ぐ工夫をしましょう。 また頭部に直射日光が当たり続けるのはもっとも危険なので、真っ白な手ぬぐいやタオルなどを持参して、頭に巻くようにしましょう。 とくに白や明るい色のものは便利なので、できれば何枚か持ち歩きましょう。 何枚か持ち歩くなら手ぬぐいとタオル両方、速乾性でかさばらない手ぬぐいを多めに持つのがお薦めです。
水分補給に関しては、コミケを 主催 している準備会でも 「こまめな水分補給を」 と繰り返しアナウンスしていますし、熱中症を防ぐためのもっとも効果的な対策の一つです。 必ずペットボトル飲料などを複数持参し、喉が渇いたタイミングというより、時間を決めて定期的に水分補給するようにしましょう。 症状が出てからでは遅すぎます。
水分補給は、暑さの中にいて我慢しているとついつい忘れがちですし、あまり水分補給しすぎてトイレが近くなると困ると云った考え方をしてしまいがちです。 しかしいったん体に無理が来てるなと自覚すると、その後自分でもびっくりするくらい一気に体力が奪われ体調が悪化し身動きが取れなくなったりします。 わずかなトイレの時間を惜しんで救護室でずっとグッタリでは本末転倒な上に大勢の人に迷惑も掛かります。 「水分補給はこまめにする」「携帯できる食べ物や飲料水を持ち歩く」 ことを肝に銘じるようにしましょう。
筆者 の周りでは、凍らせた500mlのペットボトルとそのままのもの合わせて2〜3本を携行しつつ、必要に応じて自販機などで買い足す (ただし冷えてなくてぬるい) ような人が多いです。 筆者は常温でも問題なく飲めるし冷たすぎるとむしろ体力が落ちるので、凍らせないペット水を2本1リットル+αくらいは持ち歩いてます。 飲み物は水が優れていますが、ジュースやお茶やコーヒーでも問題はありません。 ちなみにお茶やコーヒーにはカフェインが含まれ、一般に利尿効果があると云われますが、おしっこが近くなるほどの量はかなり膨大であり、例えばドリップコーヒー (1杯に約90mgのカフェイン) を何杯か飲んだところで、利尿効果はでないとされています。 飲み物の種類やカフェイン量ではなく、単に水分を摂りすぎたら出るだけの話です。
なおもし体調が悪くなってしまったら、遠慮せずに救護室へ行くか、友人や周囲のスタッフにそのことを告げて助けてもらいましょう。 友人やスタッフがいなければ、そばにいる通りすがりの一般の参加者でも構いません。 迷惑がかかるかも…と躊躇して事態が悪化し何らかの事故につながったら、結果的により多くの人に心配や迷惑をかけることになります。 コミケをはじめ多くの同人イベントでは体調不良者の救護体制に力を入れていますし、そうした状況に手慣れた参加者も大勢います。 とにかく無理をしないことが何より大切です。
日射病と熱中症
ちなみに現在では何かと熱中症が夏場の事故として話題になっていますが、以前は日射病と呼ばれることが多かったものです。 しかし日の当たらない室内での熱中症による事故も多発していたことから、その後 「日射病では日射に当たりさえしなければ熱さによる体調不良が防げるといった誤解を与える」 として、熱中症に言い改められた経緯があります。 とはいえこれはこれで 「日射に当たっても休憩や水分補給をしていればさほど問題はない」 みたいな誤解を与えることにもなっています。
前述したとおり、直射日光になるべく当たらないというのは熱中症予防の観点で大前提のひとつです。 熱中症も脱水症も日射病もそれぞれが密接に関連していますので、「日射に当たってないから大丈夫」「水分をしっかりとってるから大丈夫」 などと思わず、休憩を含めすべての対策をしっかりとるようにしたいものです。
水分補給とともに必要となる塩分補給
大量の汗をかくと水分だけでなく塩分も同時に身体から失われ、熱中症対策としては水分だけでなく塩分補給も必要となります。 一般的に日本人 (とくに若い男性など) は日頃から塩分摂りすぎな傾向があるので、よほど大量の水をがぶ飲みするような状況でないなら、必死に塩を舐めて補給するほどの必要性はないかも知れません。 とはいえ参加の仕方によっては強烈に汗をかき塩分も抜けますから、塩分補給をうたった飴などを購入しておき、糖分補給も兼ねて持ち歩いてなめるといいかも知れません。
水だけを大量に飲むと、血液の塩分濃度が下がり、いわゆる 「低Na血症」「水中毒」 と呼ばれる状況になる場合もあります。 個人差はありますが、成人男性で1時間に1リットル程度が目安とされますから、この状況になったら塩分補給を強く意識するべきでしょう。 もっとも1時間に1リットルが数時間続くような状況は異常事態ですので、このような水分補給が必要になるような状況に身を置くのはやめましょう。 成人男性で1日10リットルだのに達するような水分補給を要するような状況は避けるべきです (状況にもよりますが、一般的には5リットル程度でも医者に注意されますw)。
塩分補給と同時に、糖分補給のためにカフェオレなどの甘い飲み物を持ち歩いて意識的に口にするのも有効です。
夏でも冬でも、万全の体調と対策で
コミケ飯 や 防寒対策 でも、様々な体調維持・快適な参加のための情報を紹介しています。 一部重複する部分もありますが、合わせてお読みいただけたら幸いです。