売り手と買い手で天国と地獄… 「完売」
「完売」(かんばい) とは、販売する物品が全て売り切れてしまうこと、販売を完了したことです。
同人 の世界でも意味は同じです。 すなわち、同人イベント などで 頒布 されている 同人誌 や 同人グッズ などが売り切れた、イベント に向けて 同人サークル や企業が 会場 の スペース や ブース で対面頒布 (販売) のために用意した物品がなくなりゼロになった、もう買えないとの意味になります。
目の前で完売ッ!? ショックのあまり茫然自失に… |
ただし会場で頒布する予定の在庫とは別に、書店委託 や 通販、他のイベントで頒布する予定の在庫を持っている場合もあります。
また会場に持ち込んでいない別の在庫を保存用として持っている場合もあるので、「完売」 のアナウンスがされたとしても、必ずしも 「完全に頒布用の在庫が一掃された」 という意味ではありません。
こうした場合に区別をつけるため、例えば コミケ であれば、「コミケ頒布分完売」(書店頒布分は別にある) といった言い回しをする場合もあります。
一方、完全に在庫がなくなってしまった場合でも、同人誌や同人グッズの現品の全てがなくなった訳ではなく、あくまで頒布予定の在庫だけがなくなったとの意味で厳密に使う場合もあります。 その場合、自分用や友人に献本する用の在庫を少しだけ、予備として残している場合もあります。 こうしたケースの場合、そのサークルや 作家 とのお付き合い次第では、完売後も手に入れることができるでしょう。
なお 電子メディア同人作品 (コンピュータで楽しむもの、CG や ゲーム、アクセサリや音楽、電子書籍類) の場合、データそのものは原則として完売がありませんが、手渡し頒布用にパッケージしたものが売り切れた時点で完売としたり、ダウンロード による販売などをしている場合でも 作者 が予定数を決めていてそれに達したら頒布をやめるという前提で、完売を 設定 している場合もあります。
サークル側など頒布する方からすると完売は嬉しいものですが、買う方からすると通常の方法では手に入らなくなるので悔しく感じ、同じ言葉でも立場によって正反対になる独特の 同人用語 のひとつと云えるでしょう。
長い長い待機列で待ち続けて、やっと自分の番が来たら…
同人イベントでは、人気のある 壁サークル などには長蛇の列、販売待機列 が生じますが、苦労して行列の 最後尾 からずっと並んでいても、自分の番が来る前に予定数に達して完売となり、手に入らない場合もあります。
コミケなどに大勢の 一般参加者 が集うようになり、大手サークル の中には 転売屋 対策として、ある種の販売規制 (例えば1人1冊のみの 一限 など) を設けたり、あらかじめ買いたい冊数を予約の形で事前受付するケースも増えていますので、「自分の番が来たら売り切れ完売」 といった 不幸 は少なくなっていますが、それでも運が悪いとそれに近い状況に陥ったりもします。
大好きなサークルの期待していた 新刊 の購入前完売は落胆もひとしおですが、サークル・一般入場者ともに意識して、なるべく無駄な待ち時間や行列を作らないで済むよう協力し合えるといいですね。
もっとも ジャンル やサークルによっては、マナー違反の 徹夜組 や フライング などが暗闘し、行列に並ぶどころか、イベントが開始される前からほぼ完売になっていたりして、なかなか辛いものがありますが。