混み合うサークル、混雑ポイントを的確にフォロー 「混雑対応」
「混雑対応」 なしには考えられないコミケの開催 |
「混雑対応」 とは、同人イベント において長い行列 (待機列) や人だかりが発生する サークルスペース や、人が行き交い混み合う 会場 のポイント・要所で、混雑を緩和したり混乱しないよう誘導を行うなど、様々な対策・対応を行うことです。
略して 「混対」 と呼び、そうした対応が必要な 同人サークル を 「混対サークル」 と呼んだり、現地で大勢の人を整理・誘導する役割を担う スタッフ参加 の人たちを、「混対スタッフ」 などと呼びます。
こうした対策・対応はイベント当日の交通誘導だけではなく、同人誌 の 頒布数 が飛び抜けて多いサークル (大手サークル) を行列を逃がしやすい会場位置に 配置 したり、そのための 告知、スタッフのリハーサルを十分に行うなど、事前の準備から始まっています。
また同人イベントの 主催者 や 運営 だけではなく、サークル側が協力して実施する対策もあります。 例えば人が殺到しかねない 限定本 などを 頒布 しない、通販 や 書店委託 などを使って、イベント以外でも同人誌を入手できる手立てを講じる、購入待機列を整理するための人を出す (誘導員や 最後尾札 の設置) などです。
さらにこれは、一般参加者 に対して求められる 「通路で走らない」「通路で立ち止まらない」 などの、マナーとしての利用の心得なども含まれます。 混雑緩和をすると同時に トラブル や事故を防ぐための コスプレ における カウント なども、そのひとつでしょう。
多くのルールやマナーなどが、コミックマーケット により考えられたり発展したこともあり、総合的な混雑緩和・誘導のための手立ての一部は、コミケルールなどと呼ぶ場合もあります。
単に混雑による不便・事故を防ぐだけでなく、「潤い」 のあるイベント進行も
ルールとして設けられた混雑対応の他にも、様々な対策や対応があります。 中でもコミケ名物とされているのは、混雑し時として殺気立つこともある会場で、場を和ませる 「掛け声」「ネタ 発言」 でしょう。
「押さないでください」「走らないでください」「列を詰めてください」 などの掛け声は、混雑する場では注意喚起のために大切なものです。 コミケではそこに一工夫加え、「(押さずに) 三次元の女の子も大切にしてあげてください」「皆さんはぷよぷよのぷよです! 前の人とぴったりくっついてください! 大丈夫、色 が違うから消えたりしません!」 などと、おたく や 腐女子 などコミケ参加者ならクスっとできるアレンジを加えたものは、「コミケスタッフ名言集」 のような形で折々にまとめられるほど愛されているものもあります。
3日間にのべ50万人以上もの人が集まるコミケですが、過去に深刻な事故もなく無事に開催がされているのは、参加者のマナーを守ろうとの意識と、スタッフの涙ぐましいまでの努力の結果です。 自治体などのお祭りやイベントの関係者が、事故のない円滑な大規模イベントのヒントにと、コミケを視察するのも珍しいことではありません。 そうした長年の実績が、多くの人たちの力によっているのは、参加者として肝に銘じたいものです。