どんどん伸びる待機列…その最後には 「最後尾札」
「最後尾札」 とは、行列の 最後尾 の人が、「ここが行列の一番最後ですよ」 と後から行列に並ぶ人に知らせるために、目印として手に持つ プラカード (手持ち札、立て札) のことです。
最後尾札イメージ 筆者 も経験がありますが、 雨の日と風の強い日は辛い… |
同人イベント などで イベント が開始される前、あるいは イベント会場 への入場が開始される前に参加者らによって作られる行列を 待機列 (待機行列) と呼びますが、同人 の世界では、ここで使われる 「行列の最後の目印」 の手持ち札を、通常 「最後尾札」 と呼びます。
こうした行列は通常は自然発生的に作られたりしますが、コミケ などのように入場前に長い長い行列が確実に発生するイベントや、それが事前に強く予想されるイベントの場合には、主催者 の側でスタッフや警備員などが整理して待機列を作り、こうした札を手に持って誘導します。
コミケの場合、入場待ちの待機列は数万人が並びますから、一ヶ所に集めることも、一本の行列にまとめることもできません。 行列はつづら折りに曲がりくねりますし、道路を塞がないように一定間隔で列を区切ったりします。 その際、「どこが一番最後なのか」 が、後からやってきた人に大変わかりづらくなってしまうので、こうした 「最後尾札」 が用意されるようになりました。
なおこうした札を使うのは同人の世界だけではなく、他のイベントでも昔から使われていました。 しかし同人にせよ何にせよ、おたく の行くところ行列ありのような状況もあり、現在では 同人用語 の一種のような扱いを受けているようです。 なお行列の一番最初、先頭で掲げる札は、「先頭札」 などと呼びます。
行列に参加している一般参加者がリレー形式で最後尾札をバトンタッチ
こうした最後尾札は、人気のある 同人サークル の サークルスペース の前に作られる販売待機列で使われることも多く、その場合はサークル側が事前に作って用意することになります。
壁サークル などは長大な行列ができる場合が多く、サークル側にも過去の経験から事前の準備を行うケースが通常は多いのですが、万が一忘れてしまったり、予想外に行列が続いてしまった場合などは、その場で作ってしまう場合もあります。
この場合は、同人誌 などが入っていた段ボール箱の空き箱 (空ダン) をバラして手持ち札の形にし、イラスト やサークル名と共に、「最後尾」 とか、「ここが最後尾です」 などと大きな字で案内の言葉を書き入れたりします。 大きめの スケブ (スケッチブック) を利用するのもひとつの方法です。 その際、スペースの 配置 の番号や、当日発行された 新刊 の同人誌の名称や 表紙、頒布価格なども情報としておまけにつけるとわかりやすいでしょう。
ただし客寄せや宣伝のためのプラカード持ちではないので、あまりに大きいものや、華美な飾り付けなどのやり過ぎは禁物です。 なおイベントによっては、若干数の最後尾札を主催者側で用意して、貸し出してくれる場合もあります。 事前によく確認するようにしましょう。
最後尾札を持って誘導する専門のスタッフがいる場合もありますが、そういう人間がいない場合は、列の最後尾になった人が手に持って掲げるようにします。 その後に別の人が並んだら、最後尾札をリレーのバトンのように受け渡します。 人気サークルの場合、列がどんどん伸びる=最後尾が目まぐるしく入れ替わりますから、最後尾札がバケツリレー競争のように猛スピードで受け渡しされ続け、さっきまで自分が持っていたのに、あっという間に遥か彼方に消え去り、見えなくなってしまう場合もあります。
筆者の周りではこれを、エクストリーム最後尾札リレーと呼んでいますw
「ここは最後尾ではありません札」 とは?
行列があまりに長大となった時、無理やり行列を1つに組んでまとめると列が大きくなりすぎ、場所を占拠して人が歩く動線を塞いでしまう場合があります。 その場合に列を2つ3つに区切って分割・分散する場合があります。
もちろん分割しても行列全体の最後尾は1つだけなのですが、分けた グループ それぞれの列の最後が複数作られ、後から来た人はどれが本当の最後尾なのかわからず、混乱する場合があります。 その場合は、「ここが最後尾です」 という立て札とは別に、分割された前の方のグループの末尾に、「ここは最後尾ではありません」 という誘導のためのプラカードが別途に設けられる場合もあります。 それが 「ここは最後尾ではありません札」 です(「偽最後尾札」 とも)。
間違えて並んで無駄な時間を費やすことのないよう、きちんと確認するようにしましょう。