あいつと一緒だと気力が削がれる… 「デバフ」
「デバフ」 とは、ゲーム において キャラクター や ユニット、モンスター などの攻撃力や防御力、回避力、速度 (素早さ) といった能力値に低下の効果を与えること、あるいはその状態を指す言葉です。
対義語は 「バフ」(能力値上昇・強化) で、バフの 「Buffer」 に否定・打消しの 「De」 を接頭した 「Debuffer」 を略したのが 「デバフ」 という言葉となります。
ゲームにおける 「デバフ」 の役割
「デバフ」 も 「バフ」 同様、敵との戦闘を有利にするために行われます。 複数のキャラがパーティーなどを組んで冒険を行うゲームでは、もっぱら魔法使いが敵に対してデバフ効果をもたらす魔法などをかけて利用するのが代表的なケースです。 こうした役割のキャラや職業は 「デバッファー」、あるいは 「デバフ要員」 と呼びます。
効果には時間制限があるのが一般的で、効果維持のためには一定時間ごとに繰り返しデバフ魔法をかけ続ける必要があります。 ただし相手が 雑魚 でデバフがなくとも一撃や ダメージ なしで倒せるような状態なら、ことさらにデバフをかける必要はないでしょう。 一部のゲームでは魔法をかけるための MP が強く制限されるようなルールのものもあり、回復 (ヒーリング) にも使える MP を魔法をかけた敵だけにしか効果が発揮しないデバフに費やすのは無駄だとして、固い敵や ボス 以外へのデバフ乱発を嫌うプレイヤーもいます。
一方、敵ではなく自分や自分の仲間にデバフ効果が与えられる場合もあります。 例えば敵の攻撃やトラップなどにより、こちらにデバフ効果が付与されるようなケースです。 このような状態は 「デバフ攻撃」 と呼ばれます。 その場合は解除のためにバフで打ち消すか上書きする必要が生じます。
その他、デバフの効果が特定の条件下で恒常的・自然発生するような場合もあります。 例えば武器や防具と云った 装備品で、戦闘力は大きく上がるけれど防御力や素早さが大きく下がるとか、ゲーム中の特定のマップやエリアで特定の職業や種族、スキル持ちのキャラに強い制限がかかる、例えば水属性のキャラが火属性のエリアに入ると能力値が大幅ダウンするなど、トレードオフの関係になっている場合です。
またキャラが毒を受ける、毒のあるエリアに滞在するなどで、一定時間毎に継続的なダメージが入り HP が減少する状態 (スリップダメージ) が発生するなども広義のデバフ効果 (逆特効) とされることもあります。 しかし状態は変わるものの HP 以外の直接的な能力値 (パラメータ や ステータス) が下がるというわけではないので、ステータス異常 ではあっても別だとする考え方の方が多いでしょう。
何かと使える日常会話における 「デバフ」
誰でもゲームをするような時代となり、ゲーム用語が日常会話で使われることも多いでしょう。 中でもデバフはバフと同様に人の状態をあらわす言葉として便利であり、自虐 や愚痴としても使いやすい言葉です。 「俺がいるとデバフがかかる」(足手まといになっている) とか、仲間のパフォーマンスやモチベーションを落とす迷惑な存在を 「デバフ要員」 などと呼ぶことも多いでしょう。