たいして影響はないけどうっとうしい、地味なダメージ… 「スリップダメージ」
「スリップダメージ」(Slip damage) とは、ゲーム において時間経過とともに少しずつ 地味 に キャラクター や ユニット の HP が減少すること、継続的に小さな ダメージ (微ダメ・カスダメ) が入り続けているような状態を指す言葉です。 状態異常 の一種であり、「毒状態」 などで良く使われる効果となります。
英語では 「DOT」(Damage on times) と呼ばれることもありますが、日本においては RPG 「ファイナルファンタジーシリーズ」(FF) において同様の状態異常がスリップという名称で登場しており (FF5/ 1992年12月6日発売)、この言葉が広く使われるきっかけとなったようです。 言葉から受けるイメージとしては、坂道を滑り落ちて HP が徐々に削られ続けると云った感じでしょうか。
一般に減少する HP (受けるダメージ量) はごくわずかで、数秒ごとに総HPの 0.1%だの1%だのが減るだけなのでたいした影響はありません。 しかしその都度キャラがダメージを受けた時と同じ状態で表示 (ヒットマーク) されますし、状態異常の中でもうっとうしい部類には入るかもしれません。 一方で、キャラのHPが一定以下になると特別な攻撃が発動可能になるとか クリティカル の発生率が大きく上昇するようなゲームでは、残り HP 量の微調整用として役立つこともあります。
なお対の 概念 に、体力や HP が回復する 「自動回復・再生」 や 「自動復活」 がありますが、効果の現れ方は様々で、完全な対概念になるわけではありません。
スリップダメージやそれに近い効果を発揮する状態の発動条件は様々
こうした状態が発動する条件はゲームによって様々ですが、敵や モンスター から特殊な攻撃を受ける、毒や酸欠といった状態が 地形効果 として発生しているエリアにキャラがいるとか、何らかのトラップ・罠を食らうことで発動することもあります。
また発動した後の挙動も様々で、戦闘画面やフィールドにいる時だけ発生するもの、町や村に帰ってきても続くもの、あるいは減少し続けても HP がゼロにはならない (ギリギリ HP1で踏みとどまる) ものもあれば、そのまま HP がゼロになってキャラが死んだり戦闘不能になるものまであります。
解除の仕方もいろいろで、この状態異常に対応した解除方法でなければ解除できないもの、あらゆる状態異常を解除する方法で解除したり、複数の状態異常が重ならない場合、より軽微な状態異常にわざとなって上書きする方法などもあります。 とはいえうっとうしいだけでさほど深刻な状態異常でもないので、放置する人も少なくないかもしれません。
スリップダメージと引き換えに高性能を持つ装備品なども
なおスリップダメージの発生と引き換えに強力な能力を発揮する 装備品などもあります。 例えば 呪い がかかっていて 装備 すると HP が減るけれど超強力な武器とか防具とかです。
一例として SEGA の 「PSO」 シリーズの寄生防具や細菌防具、ルミナスフィールドなどは、装備することでキャラに何らかの生命体を寄生・感染させたり生命力 (HP) を変換することで防御力を大幅に上昇させることができる鎧となっていて、筆者 はこのあたりの防具が大好きでした。 「好きなキャラに変なもの寄生させるのイヤン」 みたいな プレイヤー が仲間に多くて、ドロップすると結構もらえたりして嬉しかったです (隙自語)。
ここにいると常にダメージを受ける気がする…日常会話でも
このスリップダメージ、徐々に体力が失われる、精神が削られモチベーションが大きく下がると云った状態をとてもわかりやすく表現する言葉でもあるので、数ある状態異常の中でも日常生活における会話で使われやすい言葉かも知れません。 空気の悪いところ、雰囲気 の暗い場所、夏の酷暑等は、その場にいるだけでどんどん自分の HP が削がれる感じがしますが、ゲーム中のキャラもこんな気分なんでしょうかw