計算上これ以上でないほどダメージが出たかも 「理論値」
「理論値」 とは、特定の条件を元にして理論上 (計算上) 求められる値のことです。 対義語は一般に実測値 (実験値) で、実際に測定して出た値となります。 それぞれは密接な関係があり、何らかの論を立てたり実証する、設計や計画を策定する場合に、その論の計算式によって導かれる理論値と実測値との差を見てあれこれ考察したり、実測値から理論値の計算式を求めたり、逆に実測方法の検討や修正をするなど、論や設計・計画の精度を高めるために用いられます。
一方 おたく や 腐女子 といった 界隈 の場合、主に ゲーム (コンピュータゲームなどの 要電源)といった ジャンル で、プレイヤー のスキルや運の良し悪し (確率) によって得られる結果の評価、とくにゲームプログラムの計算式によって得られる最大値を指す使われ方が多いでしょう。
すなわち 「理論上最高の値が出た」「戦闘でこれ以上ない ダメージ を叩き出した」 といった意味になります。 類似の言葉には クリティカル があります。 逆にあまりに低い値が出た場合に 「想定内だ」 との強弁のために 「理論値の内」 といった使われ方をする場合もあるかもしれません。
なんかちょっと頭良さそうに見える 「理論値」
理論値という言葉や 概念 自体は 普通 に学校で習うものですし、それがそのままゲーム用語としても使われるようになっていますが、これほど一般化したことについては様々な説があります。
表現自体はまだゲーム 攻略 情報が 商業 のゲーム雑誌や攻略本、検証や解析を伴う攻略に特化した 同人誌 だけの時代だった頃から見られるものですが、それら攻略情報で使われていたものを小学生や中学生くらいのプレイヤーが背伸びして頭の良さそうな言葉だとして好んで使って広まったとか、それが ネット の時代になってさらに加速したといった感じでしょうか。 一部のゲームの実況者・生主 の口癖によるという部分もあります。 また一部のプレイヤーは、ゲームをいかに効率的にクリアするかにクールさとかドライなかっこよさを感じる場合もあります。
戦闘の際のダメージの量をどう計算するかなどは 公式 に紹介されることはほぼなく、プレイヤーが理論値を知るためにはプログラムの検証や解析を行わなくてはなりません。 これはこれで効率的なゲーム攻略に便利なものではありますが、あまりに効率重視に見えてしまったり、ゲームの 世界観 や物語を重視するプレイヤーからは、「ゲームがしょせんはコンピュータのプログラムに過ぎないもの」「作業させられている感」 を必要以上に目の当たりにする行為や言葉として避けたり嫌う場合もあります。
「上振れ」「下振れ」 って?
なお理論上得られる値に上下の幅がある場合、高い値や最高値を 「上振れ」、逆に低い場合を 「下振れ」 と呼びます。 当然これくらいは出るだろうという値は「期待値」 と呼びます。 こちらの場合、ダメージ量や 回復 の量、成功率といった確率によるゲーム攻略そのものの 行為判定 を伴うものばかりでなく、キャラ や レアアイテム 狙いの ガチャ や 掘り の際のドロップ率の良し悪しの評価に用いられることも多いでしょう。