関係がありそうでなさそうな話題で名前を出して叩く…「〇〇の悪口はやめろ」
「〇〇の悪口はやめろ」 とは、掲示板 や SNS などで参加者が 書き込み による掛け合いの形で特定人物や企業、あるいは創作物の キャラ を当て擦って批判したり、ネタ として行う レス や リプ (返信) の定型句です。 「おっと、〇〇の悪口はそこまでだ」「〇〇の悪口はやめて差し上げろ」 といった言い回しになったり、もっとシンプルに 「また〇〇の話か」 になったり、「悪口」 部分が 「批判」 や 「誹謗中傷」 になることもあります。
実際の使われ方としては、例えば不倫スキャンダルを起こしたタレントAがいたとして、そのタレントとは何の関係もない不倫や浮気の話が出た時に、Aの話など誰もしていないにもかかわらず 「Aの悪口はやめろ」「そこまでだ」 とレスしたりします。 これは 「不倫 = A」 というのが自明であるとの前提の下、不倫の話をしていたらAの話をしているに違いないと決めつけ、それをたしなめるような形を取ってAを批判するという使い方となります。
ターゲットとなるのは芸能人や著名な文化人、政治家、大手企業や過去に 炎上 を起こしたような個人・企業が多いのですが、特定の国や国籍、民族、性別など、対象となる範囲が広い場合もあります。 当然ながら差別に直結するような言い回しも多く、またこうした書き込みが長期にわたって繰り返されることにより、すでに過去の話となったスキャンダルや不祥事が何度も蒸し返され、「〇〇 = □□」 というステレオタイプや偏見も強化され、新たな差別や ヘイト を生み出すことにもつながります。
さらにそれが ネット で長期・広範に行われることで 検索結果が汚染 されたり、サジェスト汚染 (関連するキーワードにこれらの名前や行為がでてくる) につながることもあります。
なおこうした言い回しの発端というか流行した 元ネタ は、2ちゃんねる の 「ミュージカルテニスの王子様」(テニミュ) について雑談する スレッド からでしょう。 同作品は原作自体も人気があるだけでなく色々と ツッコミ たくなる個性的な作品ですが、ミュージカル版も ツッコミどころ満載 であり、面白みのある演出やセリフ、やや 残念 なあれこれごとにツッコミが入れられ、話題はニコ動などその他の場所でも沸騰。 ただしあくまで ファン やスレ参加者同士の ネタ、合いの手の 馴れ合い で使われる好意的・ポジティブ なものでした。
対象が架空の存在であればネタとなる場合も
対象が アニメ や マンガ のキャラなどであれば、「おっと、〇〇の悪口はそこまでだ」 も分かる人だけが分かってクスリと笑えるネタとなることもあります。 例えばあるものを好む人には ネガティブ な傾向があるみたいな話題になった時、それが好きだという 設定 を持つキャラ名を出して 「〇〇の悪口はやめろ」 という程度なら、当然ギャグの範囲です。 頻出し 定番 となっているようなキャラもいます (例えば赤色が好きならガンダムのシャアとか)。
一方で実在の人物や特定国籍・民族などが対象の場合、誹謗中傷や名誉棄損、あるいは ヘイトスピーチ の一種として深刻な問題が生じることもありますので、話題の テーマ が悪いものであればあるほど、安易に使うべきではないでしょう。