ひたすらしつこい人…「粘着」
「粘着」 とは、粘りつくこと、貼りつくことですが、人の性格の話や ネット においては、しつこくていつまでも細かいことにこだわる人、うじうじと陰湿で執念深い性格を指す言葉です。 そうした傾向や粘着の程度を粘着力と呼ぶこともあります。 またそうした 書き込み などは粘着書き込みと呼びます。
しつこいとか何かにずっとこだわり続けるというのは、必ずしも ネガティブ・負の性質と云う訳ではありません。 何かを極めようと思えばしつこいくらい食い下がらなければ成就できないでしょうし、忍耐や持久力、強いこだわりが美徳とされる ジャンル の活動もあります。 何かを調べたり研究する人は備わっていると頼もしい性格でしょう。
しかしそれが他人への執着だったり、ストーカーじみた悪意を持った付きまといの場合は、他者に迷惑をかけたり、周囲を不快にさせるだけの行為にもなってしまうでしょう。 とりわけネットの 掲示板 などでは、終わった話をいつまでも引きずったり蒸し返したりする利用者は、荒らし などと同様迷惑なだけの存在でしょう。 それはひとつの スレッド の中で一度 レス した利用者や書き込みに何度も食い下がるといったものから、年単位で粘着するような アンチ による執拗なスレ立てを含め、様々な レベル があります。
「あっさり」「こだわらない」 が美徳とされる時代
何か一つのことにこだわって打ち込む姿は、時として 「暗い」「根暗 だ」「陰キャ だ」 などと批判的に見られがちな傾向はあります。 人の好ましい性格を上げる中では、適度な 「あっさりした性格」「小さいことにこだわらない」「大雑把」 は、美徳とされることが多いでしょう。 単純に付き合いやすいイメージがありますし、いつも笑っているような明るさも感じられます。 これは外ならぬ本人自体も、「そうでありたい」 と思うような性質でもあります。 過去の失敗をいつまでも引きずったり、小さな怒りがずっと胸のつかえになるのは、何より本人が一番辛いでしょう。
こうした性格や性質・資質は本人が変えようと思っても変えられるものでもなく、人間なら誰でも多かれ少なかれこうした悩みは持っているものです。 さっぱりした性格の人だと思ったら、実は内面にドロドロとした粘着性の何かを隠し持っている、本人もそれで苦しんでいるなどはよくある話です。 それぞれの心の持ちようは持ちようとして、少なくともそれを表に出さないようにするだけでも、少しずつ心の持ちようは変化するかも知れません。 逆に昔に受けた親切をずっと忘れずに後年恩返しするなどは、しつこいとか粘着などと呼ばれることもないでしょう。
なおネット掲示板では、一般に粘着質が批判されがちなこともあり、ことさらに露悪的な病的・偏執的な粘着具合を誇示し合うような 雰囲気 を持つ板などもあります。 一方で粘着質な相手を 煽った り 釣る ような ニュアンス で、あえて誤字となる 「接着」 などと呼ぶこともありますが一般的ではないかも知れません。