物欲が強すぎて欲しいアイテムが全く出ません! 「物欲センサー」
「物欲センサー」 とは、ゲーム において一定の確率の元で排出される キャラ や アイテム を手に入れようとしてダメな時に、しばしば ネタ として実装されていると噂する 「謎のセンサー」 のことです。
「欲しい欲しいと思っている時には入手できない」 しかし 「諦めた頃にぽろっと出てくる」 ような状況に対し、まるでゲームのシステムやプログラムが、プレイヤー の欲しいと思う気持ち (=物欲) をセンサーで感知してドロップや排出をしないよう制限しているように見えることから、揶揄や愚痴として使われるようになりました。 レアアイテム のドロップを狙って何度も同じマップやフィールドを 周回 したり、欲しいアイテムやキャラの排出確率が低い ガチャ の仕組みを持つゲームのプレイヤーの間でよく使われます。
ありがちな使用例としては、「また今日も出なかった…物欲センサー強すぎ!」「虚無 の気持ちで周回してたら出た…これが物欲センサーか」 といった感じです。 ハンターが狩りの際に自らの殺気が強すぎて 得物 に気づかれて逃げられてしまう状況になぞらえ、ゲーム側に対して欲しいという気配を消して油断させなくては、みたいな ニュアンス を込める人もいます。 類似の表現に 「思考盗聴」 もあります。
物欲が強いと出なかった時のショックが大きい…
この言葉自体は前述した通り完全にネタやシャレではありますが、現実問題として欲しい時には手に入らず、諦めた頃に手に入るといった状況はゲームだけに限らず、生きている間に何度もあるものです。
これが試験やスポーツの良い結果への望みなどなら、過度の欲望から緊張しすぎて失敗したり、逆に諦めて虚心坦懐、リラックスした状態へのメンタル変化が結果に良い影響を与えることもあるのでしょう。 しかしゲームの場合はドロップ目当ての 堀り にしろガチャにしろ、乱数 (疑似乱数) による確率・ランダム要素で出る出ないが決まるだけなので、本人の心の持ちようや物欲が、結果に作用することはありません (もちろん乱数発生の前提条件に技術介入余地のある成功失敗の 行為判定 がある場合、リラックスしている方が成功しやすいといった部分はあるかもしれませんが)。
ただまぁ、ゲームにしろ何にしろ、一定確率で出る出ないが決まる仕組みの中では、運に見放され出ない時は本当に出ないので、ついメンタルが耗弱し、最初はネタだとしても、そのうち半分くらいは物欲センサーだのオカルト的なゲン担ぎなどに心が動いてしまうのも分かります。 結果の過程にプレイヤーが干渉できないなら、もはや お祈り するしかないからです。 そして 「欲しくて欲しくてずーっと周回しているのにまた出ない」「今度もダメだった」 が延々と続き、半ばあきらめた時に出るとその印象は極めて鮮烈で、そこに人は無意識の物語や隠された意味、何か運命的なものを感じてしまうものなのでしょう。
よくある笑い話に 「デジタル時計をみたら数字の並びが誕生日と一緒になりがち」 があります。 意味や興味のない数字の並びは記憶に残らず、意味のある数字だけは強く記憶に残るので頻度が高いように錯覚し、それが偶然を超えた何かを感じさせて印象に残ってしまいがちになるという話です。 物欲センサーもこれと同様で、偶然と思い込みによって、何もないところに何か意味を感じたりすがってしまうものなのでしょう。
「描けば出る」 あまりに出ないと、物欲センサーどころかオカルトに走ることも
なおオカルトの類では、「○○すればレアが出る」 といった言い回しで、ゲームごとに様々な面白い説が出回っています。 物欲センサー同様に完全なネタや冗談なものもあれば、ゲームシステム中の乱数生成に関わるあれこれとか、ゲームの制作者の個人的な傾向とか作品の テーマ なども絡め、何となくプログラムやゲームの 設定 に根拠がありそうなものまで様々です。
中には 「欲しいキャラやアイテムを描くと出る」 などとして、絵 を描くこともあります。 これらは 祈念絵 などと呼ばれ、それがきっかけで 二次創作 や ファンアート として盛り上がることもあります。 より極端な場合は、「出ろ出ろ出ろ」 と叫び続けていると出るとの 音声入力 というシャレもあります。
またプレイヤーが欲しいアイテムのドロップ狙いで何度も同じ場所を周回させられるとの意味で、こうしたプレイ傾向を持つゲームを周回ゲーと呼んだり、神頼みのお祈りしかできないとして お祈りゲー と呼ぶこともあります。