不用品・出来損ない…罵倒でよく使われる 「ゴミ」
「ゴミ」(ごみ) とは、不用品のこと、無価値なもの、捨てるしかない邪魔なものといった意味の言葉です。 汚いもの、目障りなものといった意味で使うこともあります。 日常生活でもよく使われる言葉であり、同様の言葉には クズ や カス があります。 クズやカスには 「良いところを取った後の残り」 といった意味がありますが、ゴミの場合はそれが不要だと思われる人や条件によっては、最初から丸ごと存在の全てがいらないものとされます。
人や 環境 に有害なゴミを有害ゴミ、焼却できない処理が面倒なゴミを不燃ゴミ、産業で生じるゴミを 産業廃棄物 (産廃) と呼びますが、これらはプレーンなゴミとともに、人や物を罵倒・侮蔑するための蔑称として使われることもあります。 他にも捨てるしかないもの、例えば汚物とか 垢 なども近い使われ方をするでしょう。
またゴミを捨てるための箱をゴミ箱、袋はゴミ袋、捨てる場所をゴミ捨て場などと呼びますが、これらも転じて、ゴミばかり集まる場所や組織を罵倒・侮蔑する言葉として使うこともあります。 下品な言葉に 「精液 のゴミ箱」(ふしだらな女性を揶揄・侮辱する表現) といったものもあります。 類似の言葉には掃き溜め (ゴミを掃き集めて捨てておく場所、塵塚) もあります。
ゴミの語源については諸説ありますが、農家の方言で 「木の葉」「落ち葉」 を表す言葉から転じたとする説がよく聞かれます。 また文字にする場合、漢字では塵や芥、あるいはひらがなのごみとカタカナのゴミとがありますが (ちょっと気の利いた風のよくわからない当て字で護美とか)、別にどれを使ってもよく、新聞社などのメディアが文章の中で埋没しがちなひらがなではなくカタカナ表記にしたのが広がってゴミ表記が一般化した経緯があるようです。
行政などではごみ表記がむしろ多いですし (燃えるごみとか不燃ごみとか)、パソコンやワープロを使って文章を書く場合に、ゴミ単体で書く時と不燃ごみといった書き方をする場合とで 予測変換 が異なって 表記ゆれ がしやすい代表選手みたいな言葉だったりもします。 厳密な使い分け定義はないので、自分の文章に合わせたものを使えばよいでしょう。
ネット・リアル問わず、悪口では安易に使われがちではあるものの
単に 「ゴミだ」 といった使い方も多いのですが、ゴミを接頭したり組み込むなどして 「ゴミ○○」 といった罵倒語が作られることもあります。 例えばゴミのような ゲーム なら ゴミゲー、マスコミを腐す表現として マスゴミ、見てくれのデザインだけで使いにくく分かりにくいものを シュっとしたゴミ と呼ぶなどは、ある種の若者言葉や ネットスラング としても広まっています。
一方で、同じように相手を罵倒しつつも、微妙に別の ニュアンス を含めた使われ方がされることもあります。 例えば 可燃性 のあるゴミは燃えるゴミとか可燃ゴミと呼びますが、これが転じて早く処分しないと トラブル や 炎上 が生じる恐れがあるもの、やたらと怒りっぽい迷惑な人を可燃ゴミと呼んだり、ゴミはゴミだけれど、まだ多少は使いどころがあるような人間を資源ゴミと呼ぶなどです。
ネット の 掲示板 や SNS では何かを批判・罵倒・煽る ために、あるいは 自虐的 に自らに対してもよく用いられますが、前述したクズやカス、あるいは 下衆 や クソ などとともにかなり救いのない口喧嘩で使うような言葉ですし、なるべくなら避けた方がよい言葉かも知れません。 便利なのでつい使ってしまいますけれど。