燃えやすいとやっぱり燃える 「可燃性」
「可燃性」 とは、燃えやすいかどうかといった意味の言葉です。 ネット においては 炎上 しやすいかどうか、ネットで 拡散 され バッシング の対象になりそうかどうかといった意味で用いられます。 例えば 「可燃性の高い話題」 といった使い方をして、それが炎上しやすいかどうかを表現したりします。 似た使い方をするものには 「カロリー」 もあります。 また燃えやすいものとの意味で 可燃物 や 燃料、炎上の発端となるものの意味で着火剤と呼ぶこともあります (それぞれで微妙に ニュアンス は異なりますが)。
どんな話題や ネタ が可燃性の高いものかはその時々のネットや世の中の空気や 雰囲気、その話題やネタに関わる人や組織が何であるかによって異なります。 また同じように炎上した場合でも、その炎上に参加し、とくに激しく反応する人たちがどんな人なのかによっても変わってきます。 とくに特徴のない一般大衆が炎上の参加者であるならば、そう遠くないうちに飽きられ次の話題へと興味関心が向かい忘れ去られるかもしれません。
しかし一方で、特定の主義主張を強く持つ人、党派性 に囚われている人、粘着的 な気質を持つ人、偏った思想や 陰謀論 などを信じていて 病的 なほどに 他責・他罰的 な人が食いつくような話題やネタなら、炎上もより激しくまた長く続くことにもなるでしょう。
政治や外交、歴史問題、男女問題…ネットには可燃性の高いネタだらけ
可燃性の高い話題の代表としては、政治や外交問題、あるいは思想や主義主張の分野では、中国・韓国・北朝鮮といったいわゆる 特定アジア と呼ばれる国々にまつわる話題や、それに関連した日本の歴史問題が代表的でしょう。 また 児童ポルノ法 に関わる表現規制問題、女性差別問題やフェミニズム・ジェンダー・ポリコレ的な話題も、時代を下るにつれ可燃性の高い話題・ネタになってきています。この他、不倫とか いじめ、パワハラ、ブラック企業に関する話題、未成年者の喫煙・飲酒など、社会通念上不道徳だったり倫理的に問題があるとされる話題やネタも、よく燃える テーマ の代表格です。 これらは週刊誌ネタともおおむね一致し、ある意味で一般庶民の 下衆 な 好奇心 を満たす話題でもあります。
他方で、こうした話題やネタは可燃性が高いというのは誰でも分かることなので、それを悪用して炎上をしかけるような人もいます。 炎上やそれに伴う バズり によって知名度を上げたり自分のネットメディアなどへの閲覧者流入を狙う 炎上商法 をするような人とか、単に目立ちたいという 自己顕示欲 や 承認欲求 を満たすのが目的の人たちです。 自分が燃えるのではなく、他人を燃やそうとする ネット放火魔 もいます。
あからさまな炎上目当ての言説も見ていて疲れますが、炎上に反応する人も別にそれで社会を良くしようとか理想主義に燃えている人ばかりではなく、単なる憂さ晴らしや正義中毒者の暴走といった部分もあるので、それはそれでネット上の娯楽としてはありかもしれません。 もっともそれが 人権 とか自由平等といった大きくかつ大切なテーマに関わる場合、炎上によって対立が鋭くなり、問題解決のために活動している人たちの努力を台無しにしてしまう可能性もあります。