もう100社からお祈りされた…心折れる 「お祈りメール」
「お祈りメール」 とは、就職活動などにおいて、求職者に対して企業側から送信される不採用通知の メール、すなわち 「採用お断りメール」 のことです。 こうしたメールの末尾にしばしば 「〇〇様のますますのご活躍を お祈り 申し上げます」 といった テンプレート 的な定型文がついていることから、揶揄・俗称として ネット などで使われています。またこれが転じて、不採用にされそうだとか採用の見込みが薄いといった状態を 「お祈り待ち」 とか「お祈りされそう」 と表現したり、落とされたことを 「お祈りされた」 と言い表したりします。 就活における仲間内のある種の隠語、会話の中でお互いに心理的な ダメージ の少ない言い換えとして定着した言葉だといって良いでしょう。
基本的にこうしたメールは文面こそ丁寧なものの、宛先名を書き換えただけの対象を選ばないぶっきらぼうな定型文であり、不採用の理由を書くこともなければ、個々の求職者に寄り添う内容でもありません。 もちろんこれは、大人数を相手にする企業の人事対応としてやむを得ない部分もあるのでしょうが、厳しい採用状況が続く中、同じようなお祈りメールを何度も何度も貰う求職者が受けるストレスは、かなり大きなものがあるのかも知れません。
こうした言葉はネット 掲示板 の 2ちゃんねる で、就活を行う利用者らが企業から送られてきた不採用通知メールを公開しあう中で発生、2006年頃には一定の広まりを見せていて、2ちゃんねる用語 が 元ネタ となる ネットスラング・就活用語だと云って良いでしょう。
「逆お祈りメール」「サイレントお祈り」、様々な派生語も登場
その後は一般にも広まり、派生語なども登場。 景気が徐々に良くなり、人手不足から求職者側の売り手市場となると、内定を辞退するメールを 「逆お祈りメール」「お祈り返し」 と呼んだり、採用者にのみ連絡をして不採用通知それ自体がないことを 「サイレントお祈り」(単にサイレントとも) と呼ぶようにもなっています。