「スイーツ(笑)」 が流行する中で登場、「スイーツ脳」
「スイーツ脳」 とは、男性側から見て迷惑だ、厄介だと感じられる女性の思考傾向のこと、あるいはそうした思考やその結果現れる迷惑行為、それを行う女性などを罵倒し侮蔑する意味の言葉、ネットスラング の一種です。
「スイーツ」 とは、直接的には雑誌やテレビ番組などで触れられるグルメ、ファッション、芸能、流行情報などに影響され振り回される一部の 「薄っぺらくて中身のない女性」 を罵倒する表現、スイーツ(笑) のことです。 また 「脳」 は、俗語で広く使われる 「特定思考を行う性格、思考回路」 をレッテル的に表わす言葉・表現を接尾したもの (○○脳) ですが、直接的には2002年に話題となった 「ゲーム脳」(ゲーム ばかりしていると脳や精神が破壊され思考能力がおかしくなる」 との非科学的な差別的レッテル) の言い回しの転用でしょう。
男女の物の考え方の違いなどは、日常生活でもしばしば実感する場合が少なくありませんし、自分には理解できない異性の思考方法などを、その人個人の個性とせず、自分とは違う性を理由とする考え方は、レッテルを貼る行為としてお馴染みです。 性別に限らず、出身地や社会的地位、文化的立場の違いなどもそうですが、「自分とは異質な存在」 とすることで 「理解不能」「反論する必要も、反論される理由もない」 として結論が簡単に出せますから、やはり便利なのでしょうね。 時代錯誤の男尊女卑的な差別意識は論外としても、相手を理解不能なのだと思えば 「我慢できる」「腹も立たない」 という、ある意味で ポジティブ な考え方でもあるのでしょう。
そうしたものを 「女脳」「女的発想」 と呼んだり、「だから女はダメなんだ」「これだから始末におえない」 なんて考えて批判することは、それこそ太古の昔から男女問わずお互いに良くあることですが、その男性側からの言い換え、新しい表現が 「スイーツ脳」 なのでしょう。
どっちが悪いわけではなく、異性はいつだって理解不能…
スイーツ脳って本当にあるの…? |
実際は、こうした言葉を使い相手を批判をしている側こそが、マスコミや一部の胡散臭いライターなどの書いた稚拙な女論や、男尊女卑に基づいた女性罵倒記事に影響を受けているだけのケースもあります。
また 「血液型性格診断」 などと同等の、非科学的な情報の刷りこみにより持っている固定観念を突っつかれ、分かった気になって意味のないレッテルを再生産しているだけだったりするケースも少なくありません (さらに、自分はそうした考え方を持っている女性差別者なのだと ネット の世界でことさらに装って、露悪的 に遊んだり)。
とはいえ 「男は男らしく、女は女らしく」 などという文化的な価値観は社会に強く存在しますし、それに知らず知らずに影響されて身についた考え方や感じ方が、程度の差こそあれ男女ともに定まって、ある段階で 「異性はわからん」 なんて結論に容易に結びついてはいるのでしょう。 性の違い (身体の差) などから生じる生理現象、生活 環境 の違い、そこから生じる物の考え方の違いはやっぱりあるのでしょうし、一般的には同性と違い恋愛関係に発展する可能性のある異性との衝突は、自分を正当化し傷つかないために相手を一方的に悪く考えないとやりきれない場合もあります。
「女性は男性に比べ、理屈じゃなく感情を優先する」「妥協や協調ができず、何事も自分を中心に考えたがる」 などと云うのが男性側から批判される女性の特徴の代表ですが、女性側にだって男性側と質量ともに同じだけの言い分はありますし、一般的に女性的だとされる性格を持つ男性だって大勢います (もちろん、その逆も)。
しかし2007年頃から 「スイーツ(笑)」 という言葉が 2ちゃんねる はじめ 掲示板 で広く流行する中、「使い勝手の良い罵倒のための目新しいレッテル」 として、便利に使われて広まっているのでしょう。
私はスイーツじゃない、「逆スイーツ脳」 も
なお 「スイーツ脳」 という言葉が ネガティブ な言葉として広がる中で、そこで触れられている女性っぽい思考や物の捉え方を、同じ女性でありながらあえて避ける、あるいはいかにも女性的な考え方に 「私は違う」 と強い嫌悪を持つ女性も現れています。 そのような場合、「逆スイーツ脳」 などと呼ぶ場合もあります。
また同じ 「逆スーツ脳」 を、「女性が全部スイーツ(笑)」 に見える被害妄想気味な状態の男性を指して使う場合もあります。