多摩地区のシンボル? 2012年に46年の歴史に幕 「第一デパート」
「第一デパート」 とは、東京多摩の中核都市・立川市 にかつて存在した、小規模な専門店を中心としたテナント入居型の複合商業施設、デパートです。
歴史を刻む、立川 第一デパートの外観 手前は多摩都市モノレールの高架 |
JR立川駅南口から第一デパートを望む |
所在地・住所は 〒190-0012 東京都立川市曙町2丁目2-25、交通アクセスとしては、JR中央線・南武線・青梅線の立川駅を下車、北口を出て左に向かってすぐとなります。
開業は1966年7月。 元々は小さな建物が並ぶ商店街があったのですが、1964年1月4日に国鉄立川駅 (現 JR立川駅) の青梅線ホームで大規模な火災事故 (普通電車に横田のアメリカ軍用のガソリンタンク車が衝突し炎上した事故、乗客2名が怪我) が発生し、駅の一部や近隣の商店街が焼失。
その 跡地 に、商店主らが中心となって、当時この地域としては極めて近代的な地下1階地上6階建ての大規模商業施設として建設されたのが、この 「第一デパート」 でした。
以来46年間、立川のランドマーク、発展する多摩地区の中心の一つとして営業を続け、飲食店や衣料品店、薬局、書店、雑貨や アクセサリー のお店、生活に必要なサービス店など、地元の生活とその時々に時代が要請するテナントの入退出を繰り返しながら、営業を続けていました。
最盛期には80あまりのテナントが入居していました (閉店時、最後まで残ったのはおよそ20店舗)。
2012年5月15日、建物の老朽化やそれに伴う耐震性への危惧などを理由として閉店。 歴史ある建物も解体され、立川駅の一部を加えた再開発の一貫として、店舗・オフィス・住宅などが複合した駅直結・地上32階の超高層ビルに建て替わる予定となっています (完成は2015年)。
おたくの世界では、「コトブキヤ」 の本拠地としても知られる第一デパート
JR 立川駅北口 |
この多摩地区ローカルな商業施設が、地元以外の おたく の世界でそれなりに知られているのは、1947年6月創業で1967年6月から同施設で営業していた老舗フィギュア・玩具店 「コトブキヤ」(壽屋) の存在があるからでしょう。
また同じ立川駅の北口にある 「フロム中武」(アニメイトやボークスはじめ、おたくや 腐女子 向けのお店がたくさん入っている) や、今はなくなりましたが、南口にはブロッコリーの大規模店が 「デ・ジ・キャラットの巨大看板」 と一緒にありましたし、立川が2000年代になり、急速に オタク街 として 認知 されていたからと云うのもあります。
ちなみに1980年代、いわゆる 「つっぱり」 や 「ヤンキー」 が若者の間でトレンドだった時代には、改造制服やつっぱりファッション・アイテム の専門店なども入っていました。 その時代その時代で、地元消費者だけでなく、地域の若者に寄り添う古くて新しい商業施設だったのですね。 また多摩地区で地元自慢、非立川市民が立川市民をからかう時に、決まって使われるのもこの第一デパートでした。
立川駅が大規模な駅ビルとなり、多摩都市モノレールが通り、駅の北も南も再開発で激変する中、いかにも昭和チックな第一デパートは 「遅かれ早かれ閉店」 と噂され、あまり長くはないだろうとは思っていましたが、いよいよとなると寂しいものがありますね。
このページでは、そんな立川 第一デパートの在りし日の姿と、2012年5月の閉店の瞬間などを、ミニ写真集としてまとめたいと思います。 外観・館内写真などは、閉店日を中心に、2005年頃から折々に撮影したものを混ぜて掲載しています。 館内や店内写真などは、許可を得て撮影しています。
立川 第一デパート 外観
入り口、エレベーター、エスカレーターなどの館内設備
第一デパートのオタショップと、2012年5月のグランドフィナーレ
次のページでは、第一デパートに入居していた模型・玩具ショップやカード専門店、書店、飲食店などのテナントの写真と、2012年5月の完全閉店の様子をご紹介します。 当日は地元民だけでなく、おたくショップの常連などもあちこちから駆けつけ、別れを惜しむ姿が見られました。
という訳で、その2に続きます。
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