同人用語の基礎知識

ぎなた読み

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この先生、きのこるには… 「ぎなた読み」

 「ぎなた読み」(ぎなたよみ) とは、文章や言葉の区切りを間違えて読むこと、あるいはあえて誤ったところで区切って面白みのある読み方をする言葉遊びの一種です。 「弁慶がなぎなた (薙刀) を持って」 という文章で区切りを間違え、「弁慶がな、ぎなたを持って」などとなることから、武蔵坊弁慶にならって弁慶読みと呼ばれることもあります。

 ネット などにおいても頻繁に見かけられ、掲示板 2ちゃんねる などで有名なものでは、「この先生きのこるには」 があります。 2002年頃に流行した言い回しで、本来は 「この先、生きのこるには」 という意味だったにもかかわらず、「この先生、きのこるには」 との 誤読 が発生。 キノコの着ぐるみを身に着けたギコの AA も登場し、ネットスラングミーム の 「きのこる先生」 として流行することとなりました。

 またアフガニスタンの航空大臣が外遊先の空港で、欠航に怒り暴徒化したメッカ巡礼者に撲殺されたとのニュース、「アフガン航空相撲殺される」 を誤読した 「アフガン航空相撲」 も代表的なネット発のぎなた読みでしょう。 2ちゃんねるではすぐに、アフガンにあるという謎の競技 「航空相撲」 という ネタ に発展し、民明書房 を出典とする解説や、力士が飛行機のように大空を舞いながら相撲を取る イラスト なども登場。 大きな話題となりました。

 一方、ぎなた読みと文字の誤読が複合したものもあります。 とくに流行したものには 「暴カニ男」 があります。 本来は二男 (次男) が暴力をふるったと云う意味の 「暴力二男」 だったのですが、漢字の力 (ちから) をカタカナのカ、同じく二 (に) をニと読み違え、かつ 「暴力、二男」 をひとまとめの 「暴カニ男」 としたもので、まるで 「狂暴な怪人カニ男」 みたいなことになってしまいました。 2002年に2ちゃんねるのニュース速報+板で、「“暴力二男”殺害の母親らに実刑判決」 というニュースに対する スレッド の中で作られ、こちらもハサミを振り上げて暴れるカニ (蟹) のAAや FLASH 動画 などがネタとして多数作られなど、大ブームとなっています。

つい間違えたり、わざと間違えたり

 ぎなた読みが発生しやすいのは、文章に適切な句読点が打たれていないとか、普段あまり見かけない名詞や言い回しの中に、普段頻繁に目にする言い回しが連続して含まれて誤解するケースでしょう。 また語彙力に乏しくあまり文章を読むことに慣れていない子供や外国語話者にもよく見られるものです。

 一方、わざと句読点を省いて 「早口でまくし立てる」 ような勢いを文章につける書き方がありますので、そうした場合には明示的・黙示的問わず結果的にぎなた読みのような面白みがつくこともあります。 句読点などは多すぎても読むのがかったるくなりますし、少なすぎると読みにくくなります。 この合理的な文章表現バランスのはざまで生まれる非合理的な面白みが、すなわちぎなた読みの妙なのでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年2月6日)
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