JC・JK の通学時の足元といえばやっぱり 「コインローファー」
「コインローファー」(coin loafers) とは、ヨーロッパで生まれてアメリカで発展した代表的な ローファー靴 の一種のことです。 スリッポンタイプ (slip-on/ 足を滑り込ませて履く) のカジュアルなスタイルで、1930年代にアメリカの大学生らが愛用するようになると、アイビー・ルックの 定番 として日本でも若者を中心に流行。 主に中高生らの通学用靴としても広く採用され、制服 や 芋ジャー、通学カバンなどと並び、中高生のある種の記号としても 認知 されています。 ローファーには様々なバリエーションがありますが、日本で単にローファーと呼ぶ場合は、実質的にこのコインローファーを指すと云って良いでしょう。
形状としてはその他のローファーと同様、側部と底部、およびU字型の甲革によって構成され、甲革と側部が縫合された構造となっています。 また甲の部分にサドルと呼ばれる長方形で帯状のパーツがつき (甲だけのハーフサドル)、その中央部分に小さな切れ込み (スリット) が設けられているのが特徴です。 名称の由来は、このスリット部分にコインが挿入できるようになっていることからです。 これはアメリカの学生たちが小銭をちょっと気取りつつ手軽に持ち運ぶために考案したものとされています。
つま先 (トゥ) は丸みを帯び、前部と背面のかかとを覆う部分 (腰革 (クォーター) につなぎ目がくるタイプが多いのですが、前部にはなかったり、腰革が二層構造になっているものもあります。 靴底 (ソール/ アウトソール) は滑り止め効果もあるウレタンやゴム製が一般的です。 ヒール部分については 日常 で使われるものはおおむね低めですが、ロリ や ゴスロリ 系のやや コスプレ に近い個性的なファッション用に、全体が丸みを帯びて厚底靴のような形を持つものもあります。 色 は黒や濃い茶色のものが好まれ、材質は基本的に革ではあるものの、日本で中高生らが通学用に使うものについては、人工皮革製の軽くて取り扱いも楽な、比較的安価なものがその大半を占めています。
オーソドックスかつ 地味 なスタイルであり、日本では制服ともども生徒・学生ならば冠婚葬祭をはじめフォーマルな場でもそのまま使えるものとして扱われます。 もっぱら多くの人が通勤通学に用いることが多いため、長時間歩いても疲れない工夫がされた商品があったり、表面に艶加工 (エナメル加工) や撥水加工がされたものなど、予算と用途で好きなものを選ぶこともできます。 通学・通勤用のシンプルな形状ながらやや厚底で、ちょっとした身長アップ効果が得られるものもあります。
通学用靴として定番の 「コインローファー」
形状がシンプルなだけにあらゆる服装にマッチしますが、とくに制服との相性は抜群です。 いわゆる学販品として学校側で取り次ぎをしたり具体的な製品・販売店を指定するケースも多く、また指定がされなくともよく選ばれ、実質的な日本の通学用標準靴といっても良いでしょう。 数多くのメーカーから様々な商品が販売されており、細部の細かい違いにこだわりを持って選ぶこともできます。 その簡便さからビジネススーツに合わせるのは NG みたいな印象も強いのですが、夏場を中心としたクールビズやビジネスカジュアルが広がると、そうした認識も薄れつつあります。 チノパンやジーンズといった気取らない服装にも良く似合います。
一方で、履き口のトップラインが低く足全体を包み込むような形状や構造でもないため、冬場は足元が冷えたり、雨の日などは靴中に水が入ることもあります。 また靴ひもがなくサイズの微調整ができないため、フィット感が得られにくいといった短所もあります。 その場合は中敷きのソールや 靴下 で調整することになります。 まずは履きやすさ重視といったところでしょうが、駆け足で 食パンダッシュ遅刻遅刻 でもしようものならすっぽ抜けてしまうこともあります。
通学用に選ぶなら HARUTA をはじめ、有名メーカー製のものが安心かも
製造販売は無名メーカーから老舗の靴メーカーまで様々ですが、1917年に春田製靴店として東京で創業した HARUTA (株式会社ハルタ) が近年では日本の女子通学用ローファーとしては別格の基準的存在と目されています。 毎年入学シーズン前にイメージガール (イメガ) を選出して積極的な プロモーション も行っており、歴代イメガも広瀬すずさん、大友花恋さん、横田真悠さん、八木莉可子さんなどなど、雑誌 「Seventeen」 の人気モデルやミスグランプリ受賞者といった錚々たる顔ぶれです。
同社は学校指定通学靴の シェア で長年トップを誇り、しっかりした作りの国産で耐久性もあり、肝心の女子からの人気も高水準で推移しています。 母娘二代、あるいは三代に渡ってずっと HARUTA だったという人も多いでしょう。 有名どころではこの他、比較的低価格で人気のある神戸の akiriko (アキリコ) や1873年創業の老舗 MOONSTAR (ムーンスター) あたりが日本の JC・JK の通学時の足元を支える代表的な靴メーカーとなっています。 その他、HARVAR (ハーバー)、Dedes (デデス/ 株式会社メンズ・サンエー)、アメリカの CEDAR CREST (セダークレスト) や ROCKPORT (ロックポート) などは多くのお店で見かけるブランドです。
価格などはピンキリで、男性の通勤用の本革のものなど数万円以上の高級品もありますが、日常使いの通学・通勤用なら、2,000円から3,000円程度から選べます。 HARUTA などのメジャーなブランドの製品でも6,000円〜7,000円といった価格感で、男子用の大きめサイズの本革でも、通学用なら1万円ちょっと程度です。 サイズは女子用は 22.5cm から 25.5cm 程度、男子用は 23.5cm から30.0cm 程度のラインナップが多いでしょう。 色はブラックやブラウン、ダークブラウンあたりが定番です。
女子用と男子用とで形状に大きな違いはありませんが、女子用は全体に細身ですっきりしたシルエットに、男子用は同じサイズ (JIS規格による足入れサイズ (足の全長) でも足幅がより広く全体にがっしりと仕立てられ、またサイズのバリエーションも豊富で、より幅広のものも選びやすい特徴があります (女子用はスリムなものが中心)。 一方で女子用は比較的高いヒールのものが選びやすいことが多いでしょう。 これらに伴い、サドルの位置が多少変わったり、メーカーによってはサドルの形をレディースとメンズで変えていることもあります。
体格の良い女子が女子用のローファーでは合わずに男子用を選ぶことを恥じることもありますが、無理に小さいものを履いても怪我の元です。 男女兼用・ユニセックス をうたう商品もありますので、あまり気にしないようにしましょう。
とりあえずローファーとスニーカーさえ描ければ困らないみたいな
制服姿にマッチすることから マンガ や アニメ の キャラ が身に着けたり、イラスト などでも頻繁に描かれます。 スニーカーなどに比べてシンプルでかっちりした形状のため描きやすい一方、形や光沢をきちんと描写するとかなり映える優秀な アイテム と云えます。
細かいディティールや艶の表現に グラデ の トーン や網トーンでも削りを入れるなど凝って描くとイラストの全体的な完成度上昇に大きく寄与するので、絵描き なら一度はじっくり腰を据えて描き方を習得するのも有意義でしょう。 需要 が高いため、ネット にも 「ローファーの描き方」 みたいな情報や、加工して自由に使える フリー素材 や 画像、3D のモデルなども豊富に出回っています。
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